2009.06.21

< 歌人 >

ほぼ休止中の「かんたん短歌blog」ですが、
時々は更新しないと過去ログが消されてしまうそうなので、
短歌のことを書くときには「かんたん短歌blog」。
それ以外のことを書くときは枡野浩一公式ブログ「枡野書店」。
と、
つかい分けています。

でも珍しく、
「枡野書店」のほうに短歌のことを書きました。
http://masuno.de/blog/2009/06/19/post-75.php

私は短歌を中心に色々な活動をしている物書きで、
しかしウィキなんとかにも妙に詳しく書かれているように、
いわゆる「歌壇」には所属したことがない歌人です。
(短歌専門誌に作品を発表したことは何度かはあります)

ベストセラーを出す前の村上春樹が
文壇に属していない印象だったのと同等かそれ以上に、
歌壇では「アウェー」っていうの?

……慣れないスポーツ用語を無理矢理つかってみました。
やれやれ。

でもまあ、
自らすすんでその立場を選んできたという感じも多々あるので、
だれかのせいにはしませんけれどもね。

そして、
こんな自分こそがじつは「短歌」のある部分を一人で支えている、
という、
村上春樹の登場人物みたいな自負を持つこともたまにはあります。

もうすぐ出る小説『僕は運動おんち』(集英社文庫)は、
短歌がまったく出てこない小説です。
枡野浩一の著作で、
短歌がまったく出てこない本って、
初めてなんじゃないだろうか。
(水戸浩一遺書詩集を除いて)

これからはますます、
「枡野浩一なんて歌人じゃない」
と言いたがる人が増えていくだろうけれど、
私はスタート当初から、
「歌人じゃない」
と言われ続けることで輝いてきた歌人です。

いったいだれが、どのような権限を持って、
「歌人」と「歌人じゃない人」を、
区別するんだろうか。

私は、
短歌を詠む人はみんな歌人だと思う。
旅する人を旅人と呼ぶのと一緒で。
旅をやめたとき旅人でなくなるのです。

歌人を自称することは、
自ら「旅人です」と自己紹介することと同じ、
と思っています。
その恥ずかしさ図々しさくらい自覚している。

枡野浩一です。歌人です。短歌をつくっています。

今後とも、
どうぞよろしくお願いします。

2009 06 21 05:30 午後 | 固定リンク | トラックバック (6)

2009.06.17

< 「かんたん短歌blog」について >

歌人の枡野浩一です。
はじめましての皆さん、はじめまして。
お久しぶりの皆さん、お久しぶりです。

ショートソング

枡野浩一公式ブログは現在、別のところにあります。
http://masuno.de/blog

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2009 06 17 11:05 午後 | 固定リンク

2009.06.15

< 笹井さん >

http://sasai.blog27.fc2.com/

亡くなった笹井さんのブログ、
ご家族のかたが更新されている。

「かばん」六月号、
穂村弘の「笹井さんのこと」は
物凄い説得力。
『短歌の友人』が文庫化されるときは
収録されますように。
短歌の友人

以下は、
「すばる」2009年5月号に私が書いた一文。

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2009 06 15 05:07 午前 | 固定リンク | トラックバック (7)

2009.05.12

< これは短歌の話だ。 >

http://d.hatena.ne.jp/kotorikotoriko/20090507/1241674776

2009 05 12 05:52 午後 | 固定リンク | トラックバック (0)

2009.04.10

< 枡野浩一短歌精読 >

http://masuno.de/blog/2009/04/08/post-21.php

枡野浩一の短歌は「売れている」けれど、
歌壇でもほとんど論じられないので、
とても有り難く拝読しています。
ちょっと怖い気もします!

2009 04 10 07:02 午後 | 固定リンク | トラックバック (0)

2009.04.04

< 五百田達成さんのこと >

私が角川文庫から出している三冊の本は、
当時角川書店文庫編集部にいた
五百田達成さんが企画を通してくれました。

いおた・たつなり、と読みます。

『ショートソング』(集英社文庫)に出てくる
五百田案山子(いおた・かかし)の名前は、
某有名歌人の名前のアナグラムなのですが、
実在する名字なんですよね……。
(同作の人物名はほとんど佐々木あららが考案。
五百田案山子は枡野が考案)

五百田達成さんは私の三冊の本の
企画を通したあと、
二冊目まで編集してから角川書店を退社。
そのあと博報堂に入って
「お金持ち」についての研究とかを
やっていたかと思ったら、
最近はフリーランスになり、
なんと「エッセイスト」になったという。

別名儀で色んな雑誌にコラムを書いていたのは
前々から知っていましたが、
本名で「エッセイスト」になるとは
思わなかったので面食らいました。

私はたまに人から「エッセイスト」と呼ばれると
似合わない気がして、いやな気持ちになります。
たしかにエッセイもたくさん書いているけれど、
自分の仕事の核は「短歌」だと思っているのです。
まえにも書いたように穂村弘さんなんかは
短歌に関係ないエッセイ集を続々と出していますが、
枡野浩一の三十数冊の本は、ほぼ全部が短歌がらみ。
穂村弘は「エッセイスト」が肩書になってもいいが、
枡野浩一にその肩書はないでしょうと自分では思う。

そんな感じの私なので五百田達成さんの肩書にも
けっこう抵抗を感じてしまいました。
ご本人にも直接そう言ったのですが、
意志が揺らがないようなので見守りたいと思います。

エッセイスト、五百田達成さんのブログ。
http://ameblo.jp/iota-s/entry-10228450193.html
先日、久々に会ったときのことを書いてくれました。

正直、
彼はまっとうで礼儀正しく頭が良くて仕事が出来るが、
ちょっと似た人を見たことがないタイプの謎の男であり、
その唯一無二の個性はまだまだ彼の書くものには
反映されていない気がしてなりません。
この世界で彼にしか書けないことが絶対にある、
そういう人です。
今後の大躍進を楽しみにしています。

2009 04 04 01:50 午前 | 固定リンク | トラックバック (0)

2009.04.03

< 木下一寄稿『アイハブノークエスチョン』(2009年3月16日) >

久々の、
「かんたん短歌blog」本来の、
記事更新です。

いま枡野浩一公式サイト全体を見直していて、
ブログも改装しようと思っているのですが、
とにかく気が重くて気が進みません。
理由は自分でわかってるんですが、
自分以外の人にその「わかってること」を
共有してもらうのはまあ無理だなと思っててね……。

「かんたん短歌blog」はとくに、
更新するのにパワーがいるんですよね……。
季節柄かずっと体調を崩していて仕事も忙しかったので、
ずいぶん前に「寄稿」の投稿が届いていたのに、
きょうまで更新できず、すみません。
(そのわりには四月馬鹿の嘘を書いたりしてみたが不調でした)

「かんたん短歌blog」の投稿者同士が
結婚したというニュースはもうみんな知ってる?
どこまで書いていいのかわからないので、
当事者のおふたりは良かったら、
「かんたん短歌blog」にトラックバックで
報告したりしてくださいね。
末永くお幸せに……。

「かんたん短歌blog」で以前紹介した
短歌ブログ「セックス部」が終わってしまうみたいで、
とても残念に思っています。
いつかまた再開したら教えてください。
あなたはじつは私とはすでに知り合いで、
あえて変名でブログを始めたんじゃないかとか
ちょっと疑っている。それくらい好きでした。

さて。
木下一さんは最初「くまさん」という名前で、
2月21日に
『ギャルの心も動かせたから』という記事を
送ってくれました。

面白いと思ったので「かんたん短歌blog」掲載を決め、
もっと送ってくださいとメールしたら、
それから何度か新しい原稿を送ってくれました。
どれもまあ、
面白いと言えば面白く、
だめと言おうと思ったらだめなところもある。
でも可能性を感じたので、
いくつかの原稿の中のひとつを採用し、
それ以外は彼自身のブログ
http://blog.goo.ne.jp/4129_002/
に載せていくことをすすめました。
(ブログ拝読しましたが、
記事が途中で切れてたりしない?
ご確認ください!)

私がもたもたしているうちに彼は、
歌人の天野慶さんとNHKラジオで話したりしてたみたい。
聴き逃してごめんね。

彼の短歌や文章の良さは、
人柄の良さが伝わってくるようなところにあると思う。

短歌も、それ以外の文芸も、
「頭の良さの競争」
みたいになってしまうきらいがあって、
私はいつも、
「頭が良いからって何なの?」
と思うんですよ。
(私自身は正味のところ頭は良くないと自覚してる)

人柄の良さは、
はかりにくいものだけど、
作品が愛される愛されないって、
人柄というか、
「作品の柄」
みたいなものが結局一番大きいと思うのです。

その意味で彼には期待してますが、
そんな褒められ方をしても、
どう努力していいか戸惑うよね……。

あなたの文章はどれも、
まだまだ「内輪」に向けて話してる感じがあります。
「内輪」といっても色んな「内輪」があるし、
あるゆる人は何らかの「内輪」に属していると
小説家の高橋源一郎も書いていますが、
自分がどういう「内輪」の中にいるかは
もう少し自覚していてもいいと思う。
「この文章はNHKラジオを聴いてる人に宛てて書いてるな」
とか。
「mixiのマイミクの人には通じる話だな」
とか。

拙著『あるきかたがただしくない』(朝日新聞社)に
「mixiをまったく知らない人にmixiというものを説明する」
という意図の短いコラムが収録されています。
書くのがとても難しかった。
つたない説明になってしまったが、
評論家の小谷野敦さんはそれを読んで
mixiを初めて認識したというから、
ある程度は伝わる部分もあったのでしょう。

短歌はとにかく、
「短歌の世界の内輪」
に毒されていることに
気づけずに続けてしまう文芸ジャンルです。
それでいいとも言えるのだけれど、
そして「かんたん短歌blog」は「かんたん短歌blog」の
「内輪」に毒されているのだけれど、
常にそういう自覚は持っていたいものです。

「かんたん短歌blog」に載せる「寄稿」は
けっこう厳選しています。
載る確率は少ないです。
先日、
ある短歌イベントを告知する記事を
投稿してくれた人がいたけれど、
単なる告知にしかなっていなくて、
通りすがりの人が
そのイベントに興味を持ってしまうようには
全然書けてないと思い、
その旨を指摘して没にさせていただきました。
その後、連絡ないけど、
短歌イベントを企画したこと自体は素晴らしいと思います。
しかし、
口をきいたこともない人にラブレターを出すときのような
力をこめて書かないと文章は遠くまで届かないのです。

木下一さんの文章には、
そんな力がこもっています。
いつまでもその初々しさを失わず、
寓直に丹念に書き続けられたら、
あなたは「本物」になれると思う。

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2009 04 03 04:27 午後 | 固定リンク | トラックバック (0)

2009.04.01

< 松野大介さん……。 >

風邪が抜け切らない。
ちょっとした約束を
色んな人としてしまっていて、
その約束が何日も果たせていないことで気が重い。
ひとつひとつは簡単なことなんだけど。

キャバ嬢「給与明細」のヒミツ (講談社MOOK)
一昨日はほとんど寝て過ごして、
夜に鍼灸にかかった。
昨日は藤井良樹さんから
誘っていただいた花見にも行けず、
夕方から受け付けしてくれる
近所の病院に行こうと思っていたら、
松野大介さんからメールが。
恋愛失格

吉祥寺に来ているという。

近所のベッシーカフェへの道を
メールで説明し、
コーヒーを飲むことになった。
結局食事もしてしまう。

次回トークイベント
http://ameblo.jp/daisukematsuno/
の飛び入りゲストとして、
できたら最後のほう、
五分だけ話してほしい気持ちもあるが、
どういう展開になるかわからないから、
無しになったらごめん、
みたいなことを相談され、
「どちらでも大丈夫ですよ」
と、
またもや曖昧な約束をひとつ増やしてしまう。
高田文夫さんと吉田豪さんだけで
充分すぎるくらいで、
私などが出ていってもなあ、と思う。
江戸前で笑いたい―志ん生からビートたけしへ (中公文庫)
続・人間コク宝

「バイアグラって飲んだことある?」
と突然言われて、
「ありますよ」
と答える。
離婚直後に処方してもらった。

「俺ちょっと調子悪くてさ」
と、
ここには書けないような話を
色々してくれる松野さん。

ちょうど行こうと思っていた病院は
内科と心療内科を兼ねていて、
バイアグラを処方してもらったのも
そこだった。
ドラマ「ブラックジャックによろしく」の
監修をやったという先生が
一人でやってる病院なのだが、
行くとすぐ診てくれるから、
松野さんには私の部屋で時間を
つぶしてもらうことにした。

サヤカ
芸人失格 (幻冬舎文庫)
君の鳥は歌を歌える (角川文庫)
松野さんの『サヤカ』(マガジンハウス)や
『芸人失格』(幻冬舎)のことを書いた
拙著『君の鳥は歌を歌える』(角川文庫)を、
まだ読んでなかったそうなので、
一冊差し上げる。

『君の鳥は歌を歌える』で私がとりあげて
熱くおすすめしたクリエーターは今、
ほぼ全員が当時より売れているから、
松野さんも作家として絶対もっと売れてください、
と言っておく。
実際、ピロウズも最近はライブ超満員だし、
益田ミリさんだって
「ブレイク」したと言えるのでは?
自分の「才能を見る目」は結構信頼している。
Please Mr.Lostman
結婚しなくていいですか。―すーちゃんの明日

で、
病院へ行って、
体調のことを話し、
「EDの薬も処方してほしい」
と言った。
バイアグラを入手し、
松野さんに差し上げようと思ったのだ。
が、
先生は必要以上に親身になって、
離婚のこととか聞いてくれて……。
(先生も離婚経験あり)

あるきかたがただしくない
拙著『あるきかたがただしくない』(朝日新聞社)の
最初のほうに出てくる、
「あなたは強いから薬は出さない」
と言った医師は、この人なのです。
ああ、こういう人だって、忘れてた。

結局、
「あなたに今必要なのはバイアグラではない。
愛が信じられないのにセックスしても
元気が出ないのは当然でしょう」
とかって真顔で言われて、
漢方薬とかも色々処方されてしまった。
看護婦さんにも聞かれて恥ずかしかった。

処方箋持って薬屋で薬を受け取って、
部屋に帰ってみると、
松野さんはすっかり
くつろぎまくっていて、
テンピュールマットレスに横になっていた。
私の部屋、六畳なのですが、
テンピュール(R) New Futon-1 シングル グレー
テンピュールマットレスが二枚と
送料無料★イタリーからやって来た真空パック高反発健康マットレス!『マニフレックス モデル246 シングル』
マニフレックスマットレスが一枚、
びっしり敷き詰めてあって、
ゲイの友達には
「ハッテン場」(ヤリ部屋)
と、からかわれるような感じなのです。

で、
そんなハッテン場で、
松野さんはビール、
私は梅酒のお湯割りを飲んだりした。
小さな液晶テレビで
深夜番組をだらだら観て、
色んな突っ込みコメントをしながらも
上機嫌で、
「このまま、
ここで暮らそうかな……」
とか言っていた松野さん。
結局、
始発が動くまで一緒にいました。

そんなわけで、
予定していた
「かんたん短歌blog」の更新もできず、
小さな約束の数々も果たせないまま
今に至ります。ごめんなさい。

いまコンビニで売ってる
『まんが 知ってはいけない
消えた有名人の謎』(コアマガジン)というムックで、
自分のことが無断で漫画化されてた……と、
しょげていた松野さん。
注目されるのは良いことです。
どんどん漫画化されたり
ニュースになったりしてください!
まんが知ってはいけない消えた有名人の謎 (コアコミックス 162)

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2009 04 01 09:25 午前 | 固定リンク | トラックバック (0)

2009.03.29

< 笹井宏之さんの番組と「すばる」次号 >

3月29日(日)の朝7時30分から
NHK教育テレビで、
笹井宏之さんの番組が放送されます。
4月2日(木)にも再放送があるようです。
http://www.nhk.or.jp/tankahaiku/

春分の日の笹井宏之さんを偲ぶ会には
参加できませんでしたが、
文芸誌「すばる」次号に、
笹井さんのことを書きました。

2009 03 29 12:25 午前 | 固定リンク | トラックバック (0)

2009.02.04

< 『美人作家は二度死ぬ』(論創社) >

という、
小谷野敦さんの新作小説。
美人作家は二度死ぬ

ご縁あって刊行前に原稿を読ませていただき、
とても面白かったので刊行を心待ちにしていました。
和風の表紙をひらくと、
あとがきに宇野常寛と枡野浩一の名前が。

どこまで明かしていいのか迷いますが、
本作は、
「文学史に名を残している某美人作家が、
もしも長生きしていたら、
今のように長く記憶されていなかっただろう」
という残酷な仮定のもとに書かれた、
そうですね、
SFと言えなくもない構造をもった作品です。

この小説内の世界では、
某美人作家は、とうに忘れられた存在。
国文学を研究する若い女性が、
「忘れられた作家」の軌跡を辿る、
というのが骨子になっています。

読んでいると、この小説内の
「世界」のルールに微妙に混乱(?)が含まれていて、
よりSFのような味わいになっていく。
あ、でも基本は「現代小説」なんですよ。淡々とした。

私は教養がなく、
某美人作家のこともほとんど知らずに読みましたが、
某美人作家のことをあれこれ知ってから読み返すと、
さらに面白いのだろうと想像します。
事実、
国文学を研究している若い友人は、
この長編の原型である短編(ウェブに発表)を読み、
「小谷野敦は小説家になればいいのに」
とまで言っていました。

でも、なんと申しますか。
既存の「本好き」とか「文学好き」とかが、
眉をひそめるような切り口ばかりを
本を出すたびに次々と提示してしまう小谷野さん……。

本書には表題作のほかに、
ごく短い短編があわせて収録されており、
表題作だけだとページ数が足りなかった旨が
あとがきには書かれていますが、
それは小谷野さん一流の冗談で、
ほんとうのところは、
雑誌等に発表すると問題がありすぎるので、
単行本で初披露となった……のでしょう(勝手な想像)。

なにしろ、
この短編「純文学の祭り」の主人公は、
『限りなく卍に近いハーケンクロイツ』
という小説で一世を風靡した男性作家。
時代は2027年。
場所は築地の料亭「新喜楽」。
そこでは今まさに、ある文学賞の選考会が……。
おお。
これもSFですね。

私は何カ所も爆笑しながら読みました。
現在の「文学」の状況に
ちょっと興味がある人、
『文学賞メッタ斬り!』
(文庫版解説を枡野が書いてます)
の愛読者たちは必読でしょう。
文学賞メッタ斬り! (ちくま文庫)

(今現在の「現実」に詳しくないと楽しみにくい、
常に今現在の「現実」を参照しつつ読む必要がある、
というのが難点にも見えますが、
小説ってじつは大抵のものが
そうなんじゃないかとも思う……)

短編には、
十代デビューで騒がれた美少女作家が、
四十三歳になって、ちらりと登場。
この短編も、
もっともっと長く読みたかったなあ……。

本書収録の二作品は共に、
「生き続けるということ」
「年を重ねるということ」
「歴史に残るということ」
などの悲喜こもごもを、
「ほら、……」
とばかりに読者に突きつけます。

この、
大真面目にふざける、
といった作者の態度に好感を持ちました。
じつはその態度は、
五反田団主宰の前田司郎のそれと相性がいいのではと
個人的に感じています。
小谷野敦の小説『童貞放浪記』の映画版は、
前田司郎が脚色を担当するそうですね。
大正解だと思います。
http://blog.livedoor.jp/dotei_horoki/tag/%C1%B0%C5%C4%BB%CA%CF%BA

なお、
文学賞批判を小説にした作家は過去に、
筒井康隆(『大いなる助走』)、
三田誠広(『龍をみたか』)、
村上春樹(糸井重里との共著の中の掌編「マット」)、
東野圭吾(『黒笑小説』)
くらいしかいないと思うのですが、
ほかにご存じの方いたら、
ご教示ください。

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2009 02 04 03:13 午後 | 固定リンク | トラックバック (0)