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2004.08.27
< 「愛」評その4、次回のお題発表 >
歌人の枡野浩一です。
小学館の雑誌やサイトを見て、「ドラえもん短歌」をつくってくれた皆さん、はじめまして!
ここ『かんたん短歌blog』では9月いっぱい、「ドラえもん短歌」を募集します。
応募要項をよく読んで、ふるってご参加くださいね。
ちなみに8月いっぱいは「愛」というお題で短歌を募集しました。ここから下は、そちらのお話中心になってしまうのですが、初めてここに訪れる方も、参考のためにざっと目を通してみてください。
どうぞよろしくお願いします。
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今週は「182」の投稿を拝読しました。
今回わりとジャッジを甘めにして、やや多めに作品を紹介します。
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私たちもう10年も知り合いね 広がってきたおでこ愛でたい (英田柚有子)
今週気になった人、英田柚有子さん。
「広がってきたおでこも素敵」とかだったら無理してる感じで嘘くさいけれど、「……愛でたい」という言い方が優しさと正直さに満ちていて面白かったです。
「……目出たい」という響きも重ね合わせているのでしょうか。
一段と仕事に行きたくありません 試しに言って愛してるって (英田柚有子)
一見なにげないけれど、「一段と」および「試しに」という言葉は、これ以外ありえないほど考えぬかれている感じがします。
前半と後半につながりがないようで、あるようで、その微妙さが面白かったです。
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同じ事何度も言わせないでよね 愛がこなれて腐っていく日 (PDP)
先週にひきつづき、PDPさんの変な言語感覚に目がとまってしまいました。
「愛がこなれて腐っていく日」って……その身もふたもなさに1票。
この人の作品は、見つめている全部いいような気がしてきたり、もっと見つめていると全然駄目なような気がしてきたり……。
ま、この調子で、マイペースで投稿してくださいね。
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端っこに住んで愛する隣人が片側だけでいいようにする (柴田有理)
柴田有理さんの相変わらず偏ったまなざし。もはや堂々として、貫禄すら感じるわがままさです。
この1首の意味は、私にはよくわかったのだけれど、本当はもう少し語順を整理したほうがいいのかな? ほかの皆さんの意見も知りたいです。
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ゴミの日で曜日がわかる日々だって愛だと言われ、そうだと思う (伊勢谷小枝子)
伊勢谷小枝子さんも常連らしい詠みっぷりです。
ただ、「そうだと思う」のような語尾の着地の仕方は、きれいに決まりやすいから、もう伊勢谷小枝子さんレベルになったら「安易だからなるべく避けよう」といった意識でいたほうがいいのかも。
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『愛してる』そう言ったのは嘘でした 正しく言えば『愛して』でした (小島けいじ)
これは普通。
でも「愛」というお題を出してこの作品を投稿されたら、一応の正解例として選ばざるをえません。
でもやっぱり語順とか、もっと整理できるかも。もしかしたら5・7・5の川柳でも同じこと言えてしまうかな。
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溢れてる、答えのような愛のうた それで分かるなら分かりたくない (菊千代)
この菊千代さんの歌も一応の正解例として挙げました。
んー、でもご本人もきっと自覚しているように、やや説明的な作品に見えてしまう。ということは、まだ完成度が低いということ。推敲してみてください。
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融けだせばかたち保てぬ愛なので凍らせたままおいてください (星川郁乃)
昔から枡野浩一に短歌を投稿してくれている星川郁乃さん、どうもお久しぶりです。
この1首は、上の菊千代さんの歌とどっこいどっこいの説明っぽさなのに、なぜか完成度は低くないように見えますね。色気があるというか。
「かたち保てぬ」のような文語っぽい言いまわしのせいなのかな。私自身はできるだけ文語調を排除して短歌をつくるのですが、でも、こういう作品もついうっかり選んでしまいました。
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下の名前知ったら急に愛しくて自転車とばす夜空明るい (百田きりん)
この百田きりんさんの歌、内容はわりと普通。
散文だったら、「下の名前を知ったら急に愛しく(感じ)て自転車をとばす 夜空が明るい」などと書くべきところなのに、助詞を省くことでリズムが短歌っぽく軽やかになっている。
拙著『かんたん短歌の作り方』(筑摩書房)に書いたように、私自身は助詞をなるべく省かないようにして短歌をつくるのですが、でも、こういう作品もついうっかり選んでしまいました。
なお、先週話題にした百田きりん作品について、ご本人よりご説明がありました。
「だだ」について。
http://blog.livedoor.jp/kirin100/archives/6012694.html
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作品紹介は以上です。
先週から今週にかけて、トラックバックで質問をしてくださった皆さんに、ひとつひとつお返事しました。
佐々木あららさんの質問とその答え。
http://blog.livedoor.jp/sasakiarara/archives/5746354.html
本所飛鳥さんの質問とその答え。
http://d.hatena.ne.jp/honjyoasuka/20040819
井上ななさんの質問とその答え。
http://www.myprofile.ne.jp/blog/archive/hoshika_hiraki/57
http://www.myprofile.ne.jp/blog/archive/hoshika_hiraki/60
天国ななおさんの質問とその答え。
http://momo.cocolog-nifty.com/momo/2004/08/post_5.html
出石正比古さんの質問とその答え。
http://d.hatena.ne.jp/mas0721/20040827
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それから、クイズの正解者がやっと出ました。
高橋えっくすさんに、『結婚するって本当ですか?』(朝日新聞社)と『もう頬づえをついてもいいですか?』(実業之日本社)を2冊セットでプレゼントします。
ごみたゆうこさんや天国ななおさんの答えもなかなか面白かったのですが、残念……。
とくに天国ななおさんの想像の、後半はかなり当たっていました。でも前半が単なる憶測。
私の期待していたロイヤルストレートフラッシュ!な答えというのは、こんな感じでした。
「8月に出る枡野浩一『もう頬づえをついてもいいですか?』(実業之日本社)の収録短歌26首のうち25首に、「愛」という字が含まれているから。その枡野浩一の25首を超える「愛」の短歌に出会いたくて……。「愛」をうっかり忘れていたこともある枡野浩一に、その「愛」を思いださせてほしくて……」
ちなみに、藤矢朝子さんが『もう頬づえをついてもいいですか?』(実業之日本社)以外の枡野浩一の「愛」短歌オールキャストを集めてくれました。
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というわけで「愛」は今月で一応おしまい。また「愛」の短歌がうまれてしまったら、気にせず投稿してもOKですよ。
告知が最後になりましたが、新刊2冊の発売記念イベントをやります。詳細はここで確認してくださいね。
それにしても私、ここの投票結果が気になって仕方ありません。わざわざ「不要」に投票する人っていったい……。枡野浩一って憎まれているのでしょうか。ああ、愛されたい……。
2004 08 27 11:01 午後 | 固定リンク | トラックバック
2004.08.20
< 「愛」評その3 >
クイズの正解者はまだいません。
新刊『もう頬づえをついてもいいですか?』(実業之日本社)が書店に並ぶのはあしたあたりなのか……。私自身も書店に並んでる様子は確認していないんですが。
9月に単行本発売を記念して、いくつかのイベントを予定しています。詳細はここあたりで確認してくださいね。
この1週間のトピックスは……映画『誰も知らない』を観て、心の具合をまずくしたこととかですかね。そのへんのことは「週刊朝日」連載に書きました。そこには書かなかったけれど映画を観る前と観た後、それぞれ未知の女性に声をかけられました。枡野浩一ってモテモテ……。しかし心も体も弱っていたので握手だけして別れました。飢えてる僕に近寄らないで!
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今週は「99」の投稿を拝読しました。お盆を挟んだからか、史上でいちばん少ない投稿数でした。
でも私の心がとまった歌は、先週より多かった。愛は量より質ですね。
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そうだ。小学館の雑誌やサイトを見て「ドラえもん短歌」をつくってくれた皆さんへ。
「ドラえもん」というのは来月のお題にしますので、もうちょっと待っていてくださいね。今月は「愛」というお題で短歌を募集しています。どうぞよろしくお願いします。
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さんざん考えて愛の色は藍 その時点で僕は引いていた (PDP)
いつも変な言語感覚で『かんたん短歌blog』をカラフルにしてくれるPDPさん。
ちっとも七五調にする気がありませんね!
私はその昔「あいってなにいろ?」と女性に質問され、じつはそれは「藍色というのはなにいろのことかわからない」という不思議な人生を歩んできた彼女のまじめな質問だったのですが、そのことがきっかけで彼女とおつきあいを始めたという思い出があり、ついこの短歌の前で立ちどまってしまいました。
そういう思い出がない読者にとって面白いかどうかは謎です。皆さん、どうですか?
テレビ見ながらケツぽりぽりしてたら 愛の瘡蓋剥がれていった (PDP)
同じくPDPさんの歌。こっちは後半は七五調です。
「愛」というお題で、ここまで美しくないシーンを描いてくれたチャレンジ精神に1票。
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愛してる、愛をしている「ああ、いい」と 思える時に愛を知ってる (みう)
意外と言葉あそびでうまくいってる投稿がないので、みうさんのこの歌が気になりました。
もうちょっと完成度は高められそう。Hな感じで仕上げるといいのでは。
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愛愛愛、受けるという字に似てるけどもっと心を込めないと、だめ。 (井上なな)
これも言葉あそび系。田中章義(こういう傾向の短歌が好きな歌人)よりは上手と思う。
マックでゴミをてきとうに捨てている彼女の愛も誰かを救うの (古川亜希)
素朴な着眼点の強さを買いました。
マックでゴミをてきとうに捨てている彼女の「愛」について考えるなんて。
前半リズムわるいですが、投げやりな感じが内容に合ってる気もします。
口にするだけではなくて耳にしたく愛してるなんて言うんだと思う (鷲家正晃)
主張は面白い。
同じ意味のことをもっとなめらかに書けると思いますよ。
僕達がこらえきれずに笑う時 愛とかなんて考えてない (安藤三弥)
前半が同じ歌を、2パターン考えてくれました(安藤三弥さんのblog参照)。
どちらかというと、さっぱりしてる(ここでの対義語は「うっとりしてる」)こっちを選びたくなったが、別案を求めたいところです。
ばぁちゃんの仏壇の前で愛のないセックスなんかしてんじゃねぇよ (夏千代子)
この歌はですね、「ばぁちゃんの仏壇」がよかった。(でも表記は「ばあちゃん」じゃ駄目なの?)
ただし、「愛のないセックス」という言葉をいれるなら、この着地点は「なし」だと私は思う。この内容を短歌として成立させるには、
ばぁちゃんの仏壇の前で愛のあるセックスなんかしてんじゃねぇよ (改作1)
とするか、もしくは北島康介のように、
ばぁちゃんの仏壇の前で愛のないセックスをして超気持ちいい (改作2)
とするか、どっちかだと思う。
でも、あなたにとってそのどちらも「嘘」になってしまうなら、第3の着地点を探してみてください。
昨日まで愛だだこぼしながら行く電車であった井の頭線 (百田きりん)
百田きりんさん、はじめまして。
この「愛だだこぼしながら」って、どういう意味?
「だだ」って言葉、あるのかな。方言?
「電車であった井の頭線」は言葉の無駄づかいにも見えるし、これでいいようにも見える。
なんか気になったので、最後に挙げておきます。
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トラックバックで私に質問してくれた方には、事情がゆるすかぎり、お答えしていくつもりです。あなたのblogに直接書き込みますので、もう少々お待ちください。
では、次週まで「愛」です。
2004 08 20 09:46 午後 | 固定リンク | トラックバック
2004.08.13
< 「愛」評その2 >
あの夏のロックフェスのことは忘れてください。
来週水曜日発売の「週刊朝日」連載コラムに顛末を書きましたが、人には皆そっとしておいてほしい過去があるものです。
常に正直な意見を言うのが愛だと信じていたこともありますが、そうでない愛もあるのだと今ならわかります。
ひとつ、そういうことで。どうぞよろしくお願いします。
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クイズの正解者はまだいません。
みんな憶測で物を言うねえ……。公表していないプライベートのあれこれがクイズのヒントになっているということは一切ないです。
来週の今頃になれば、正解者続出だと思います。早い者勝ちと書いたけれど、東京の人がやや有利かもしれない。
そこでクイズの答えの「書き方」も考慮にいれることにします。ロイヤルストレートフラッシュ!な、文句のつけようのない書き方で答えを書いてトラックバックしてください。95%合っている、というのは失格ね。
どうぞよろしくお願いします。
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今週は「136」の投稿を拝読しました。
それ以外に、先週拝読するのが遅れた「17」の投稿も拝読しました。
その中で私の心がとまったのは3首です。
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この愛はパンツの中に隠しこみ 私は人とすれちがっている (電池)
……ご本人の解説を読むと、この短歌は既成の言葉をあちこちから拾ってきて、組み合わせることによって成立しているみたいです。
んー。こういう試みってどうなんだろうね? こういう短歌づくりが得意で、最近『渡辺のわたし』という作品集を上梓した斉藤斎藤さんとかにも、ご意見を伺いたいところです。
少なくとも「投稿短歌」としては、ちょっと扱いに困ります。元ネタを知らずに「私は人とすれちがっている」っていいフレーズですね、と私がほめてしまったとしたら……。それは選者が無知ということになるのだろうけれど、世界中の言葉を知るのは難しいし。
そのへんの悩みについては、19日発売の映画コラム短歌集『もう頬づえをついてもいいですか?』(実業之日本社)のあとがきや、既刊『日本ゴロン』(毎日新聞社)にも書きましたので、ご参照ください。
私は『君の鳥は歌を歌える』(角川文庫)の中で、短歌以外のジャンルの、ひとさまの作品を「短歌化」する……という試みをしました。その「短歌化」は現在、はてなダイアリーのキーワードにもなってしまったみたいですけれど、「それってどうなの?」「ちょっとどうかと思う」と枡野浩一は内心つぶやいています。
まがりなりにもプロを自認する歌人が、あくまで「試み」であると表明した上で、さまざまな手続きを踏んで(たとえばロックの歌詞を引用する場合は著作権協会にも届けを出して)、それでもやっぱり元ネタの作者には殴られるかもしれないと覚悟しつつ、世に出したのがあの本だったので。
「こっちは素人なんだし、ここは無法地帯のネットなんだし、短歌というマイナーなジャンルでの遊びなんだし、歌詞の引用くらい大目に見てよ」といった甘えた地平からは、何もうまれないと私は思っています。
べつに電池さんの作品が駄目だと言っているのではなく、「ここには可能性があるが、問題点もある」ということを指摘してみただけなので、誤解なきよう。
皆さんのご意見もお待ちしています。
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愛なんて構えた方が負けだよね 勝ち負けがあるならばの話 (本所飛鳥)
前半の「愛なんて構えた方が負けだよね」というご意見に関しては、とりたてて反発も感じないけれど、特別面白いとも思いません。
でも後半の「勝ち負けがあるならばの話」というフレーズは秀逸ですね。大人の余裕を感じるというか……。
この後半が魅力的なので、短歌全体を見ても一応成功している気がします。もっと完成度は高められるでしょうか? それとも、いじると駄目になるでしょうか? ご自身で推敲してみてください。
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愛のしごと愛のロックフェスなんにでも愛をつけたい 愛の、お別れ (くろ)
これはなんていうか、雑踏の中で視線を感じたので振り向いてみたら、目をそらされてしまったみたいな読後感の短歌ですけれど、なんか気になってしまいました。
「愛の、お別れ」って何だろう?
ここにだけ読点(、)が付いてるとか、「しごと」がひらがなになってるとか、そういう細かいところの工夫が「短歌をずっとやってる人」っぽい。
短歌を初めてつくってみたという人が、偶然つくってしまった作品だったらいいのにな……と思いながら選びました。
繰り返しますが、ロックフェスのことは忘れてください。
*
私は歌人なので短歌のことをなにかと考えるんだけど、その考えは表明せずに、のみこんでしまうことが最近増えてきました。
それは私のようなスタンスで短歌に取り込んでいる歌人がほかにいないから、言っても仕方ない(=読者がいない=原稿料が稼げない)と心底思ってしまっているからだけど、本当は私の考えを必要としている人も、どこかにいるんじゃないかと時々は思います。
佐々木あららさんはトラックバックで私に質問すればいいと思う。なんならインタビューしてくれてもいいです。
きっと「何をどう質問したらいいのかすらわからない」という投稿者も多いんでしょう。そういう方々には私のほうも「どうアドバイスしたらいいかわからない」ので、なんらかの触手をのばしてくれると助かります。違和感の表明とか。反論とか。そういうのでも。
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それでは、また来週。
残暑を楽しみましょう!
2004 08 13 05:56 午後 | 固定リンク | トラックバック
2004.08.06
< 「愛」評その1 >
今、ラーメンを食べてきたところ。時刻は午前0時半です。
この原稿がココログにアップされる頃、私は茨城県にいます。例のロックフェスの会場ね。
じつは秘密にしていましたが、紅卍(くれないまんじ。松尾スズキ+河井克夫)がDJをする回に、私もシークレットゲストとして登場する予定です。シークレットだから、秘密にするしかなくて、ごめん……。まさかDJイベントのゲストとしてステージに立つなんて、夢みたことすらなかったです。ただ顔が河井克夫と似てたというだけで……。
ご存じかとは思いますが、枡野浩一と河井克夫は「金紙&銀紙」というネオ双子ユニットを組んでいます。松尾スズキ公式サイト『松尾部』でも連載中。松尾スズキ監督の映画『恋の門』にも一瞬出演しました。どうぞよろしくお願いします。
……ご存じじゃなかった? そうかもね。先週のクイズの答えも、枡野浩一の活動を熱心に追ってる人なら絶対すぐわかると思ってたのに……。まだ正解者は出ていません。正解に近い人はいたけど、このクイズの場合、ロイヤルストレートフラッシュ!って感じの答えをだれもが出せるはずなので。枡野浩一マニアはここにはいないということ、実感してしまって、しょんぼりです。答えがわかった人は、トラックバックしてください。早い者勝ち。
新刊『結婚するって本当ですか?』(朝日新聞社)はきのうが発売日でした。吉祥寺の駅ビルの本屋には異常なほど平積みしてあった……。枡野浩一マニアでない人々に向けてつくった本です。定価、安いです。売れますように!
*
今週は「143」の投稿を拝読しました。午前0時半以降の投稿に関しては、来週までに拝読します。
今週も選んだ作品は少ないけれど、このくらいの感じが本当だと思います。
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傘はあげる 一等賞じゃなくっても結婚ぐらいしてあげたのに (平賀谷友里)
これは以前の投稿作の改作ですね。
前より面白くなっているか否かは、微妙です。作者本人の中で、「こっちのほうがいい」と確信を持てているのであれば、その確信を大切にしてください。
私は以前、こんな短歌をつくったことがあります。
政治家になる人たちは政治家をめざしてしまうような人たち
政治家は大なり小なり政治家になろうと思うような性格
この2首、どっちが好きですか。前者のほうが言葉のエッジがきいていてインパクトはあるかもと思ったのですが、私は後者を短歌集に収録しました。自分の「本音」に近いのが後者だったからです。
自分の気持ちから遠くても面白いほうを採用する、という人もいるでしょう。私はそれをよしとしませんでした。このへんは書き手としてのスタンスの問題です。皆さんがどう行くかは、皆さんが決めてください。
*
ここからは「愛」。
*
もう一度見るとやっぱりつらそうでこれは愛せると思いました (柴田有理)
つらそうなものしか愛せないのですね……。
その屈折に愛を感じました。
演目は愛ですね愛 愛それは・・・ 何か愛しておけば良かった (柴田有理)
前半は下手な芝居って感じだけど、後半が印象に残りました。
今からでも何か愛してあげてください。
*
少しだけ同じ車両に乗ったけどあたしの愛を見つけないでね (青木麦生)
見つけないでねと言われると見つけたくなる。
それが愛ですね。
愛ならば角の自販機で売っている いつ行ったって売り切れている (高橋えっくす)
自販機で売っているという発想は陳腐です。
後半の「いつ行ったって売り切れている」がよかった。
私ならこう改作する、という案を思いついてしまいましたが、まだ書かないでおきます。あなたが見つけてください。
何回も使い古した愛だから かたちがわかるほどに汚れて (野田修平)
愛じゃないものを夜通しトランクに詰めたよ 愛は残らなかった (野田修平)
「8月は愛だ!」と言ってそれっきり8月いっぱい帰らなかった (野田修平)
野田修平さんはお題に合わせて短歌をつくるとそこそこ面白いものをつくれる人ですね。でもその能力はあなたの弱点にもなりうると自覚しておいてください。伊勢悟史さんの書き方も似ている。そして伊勢さんと野田さんをくらべると、野田さんが勝ってしまった。
この3首の中では1首目がいいです。汚れる前は透明だったんですね、愛。
それ以外の2首は、私もやりがちな、あるパターン(1首に同じ言葉が2度……)で書いてしまっている。私もやりがちだから批判しにくいけれど、「安易かもしれない」とは自覚していてください。
*
「愛してる。」とか言うたびに喉元に残尿感を感じませんか? (佐々木あらら)
わかるわかる! 喉には喉ちんこがあるからね……。
句点(。)は余計な気もするが強調したかったの? よしもとばなな方式?
残尿感をいちいち感じているあららは、誠実な男なんだと思う。
雷が鳴る ゆっくりと君がいく 僕もいく また雷が鳴る (佐々木あらら)
これはトラックバックされてなかったけど、気にいったので勝手に紹介。
せつない。すごくシンプルで、ミッフィーちゃんのようにラインが美しい短歌だと思う。
セックスに関する短歌って、女性がつくったものはわりと流通してるけど(林あまり、川上史津子ほか)、男がつくったもので傑作ってあんまりない気がしています。
笑えるものでもいいし、真顔のものでもいい。もっとたくさん読みたいです。
たくさんやって、たくさんつくってください。
*
というわけで、また来週!
いい夏休みを!!










