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2004.09.25
< 「ドラえもん」評その4 >
誕生日ありがとう! 36歳になりました。
わりと淡々と、しかし祝福されながら過ごした誕生日前後でした。
急な出演依頼だったので予告がまにあわなかったのですが、誕生日の前日は東京FMの生放送で、石田純一さんと「恋愛」をテーマに対話してしまいました。「不倫は文化」とかの話題も……。自分の人生にそんな日が訪れるなんて、妄想したことすらなかったので面白かったです。
どんなあすでもありますように。
皆さんにも。
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じつは枡野浩一公式サイトを準備中で、私さえ作業すればもう公開できるんだけど、いつになったら作業できるのかな自分……。雑用を手伝ってくれるアルバイトの人を募集しようかとか考えてます。
とりあえず、枡野浩一の近況を知りたい方は、ここをご参照くださいね。
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あらためまして、歌人の枡野浩一です。
ここ『かんたん短歌blog』では9月いっぱい、「ドラえもん短歌」を募集してきました。小学館とのタイアップ企画です。
とりあえず、『かんたん短歌blog』での「ドラえもん短歌」募集は本日でいったんしめきりますが、いい「ドラえもん短歌」がうまれたら、気にせず引き続き投稿してみてください。応募要項をよく読んで、最終しめきり日は守ってくださいね。
枡野浩一『かんたん短歌の作り方』(筑摩書房)に収録されている「ドラえもん短歌」も参考になります。
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今週は「134」の投稿を拝読しました。
気になる作品が多かったので、多めに紹介し、ほぼ「投稿順」にコメントしていきましょう。
負けないで。祈る気持ちは母を超えいつしかドラえもんになってた (青野ことり)
まずは改作から。
なるほど……そういう意味でしたか。それを伝えるなら、もっと工夫が必要です。
祈ってた 母親であることを超えいつしかドラえもんになってた
……といった基本形からスタートして、推敲を重ねてみてください。
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なにも100年後に行きたいわけじゃないタイムマシンでせめて明日へ (高橋えっくす)
その願いのささやかさに1票。
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黒いドラえもんとがっぷり四つに組み小手投げなどもしたい朝です (辻一郎)
ご本人も自覚してるように、「……朝です」が退屈。「黒いドラえもん」のところは新鮮。
改作してみてください。
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のび太よりダメになるけどドラえもん私のとこには来なくていいよ (鳴井有葉)
そう言われると行ってあげたくなりますね。
鳴井有葉さんのは「ポッケ」の歌、「故障したどこでもドアならなおいいね」の歌も発想はわるくはなかったですが、無駄な言葉が目立ち、完成度が低いです。
でもあなたなら自力で推敲できるはず。挑戦してみてください。
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行きたいと思う気持ちが足りなくてどこでもドアを使えなかった (志井一)
とても好きな1首です。
たまたま私のプライベートとリンクしていて、一読、衝撃が走りました。
いい歌をありがとう。
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いい月だ タケコプターで行ってこよう おめでとうだけ言えば戻るよ (樫子麻理)
2カ所の1文字あきは私が勝手にいれました。
日本語としては「言って戻るよ」が自然。
おめでとうを、ありがとう。
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ドラえもん雨の色って知っている? イメージは青 でも違うんだ (秋月)
これは「ドラえもん」と「青」がリンクしすぎで、俳句の世界では「つきすぎ」と批判されそうだけど、私はわりと好き。
そういえば、ほかの人の作品で「ドラエモンブルー」というのが出てくるのがあって、その言葉だけはよかったです。「エモン」は本当は「えもん」だけどね。
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ドラえもん愛する事が幸せにくるんと変わる道具を出して (安藤三弥)
そういう道具だけは出してくれない気がするなあ。
安藤三弥さんの「今朝早く飛んでいったの見ちゃったの」という歌も、まあまあだと思いましたが、タケコプターがいまひとつうまく活きてない感じでした。
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ジャイアンの歌で目覚めたような朝それでも起きて会社には行く (ごみたゆうこ)
ジャイアンの歌を比喩として上手につかえましたね。
「学校へ行く」でもよさそう。
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ポケットの中にしまってある愛を時には自分のために使って (ufuru)
そんなこと言われたらドラちゃん、感激しちゃうよ。
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君のこと愛していくよ永遠に ドラえもんから道具借りずに (幸田)
そんなプロポーズされたら、しずかちゃん、感激しちゃうよ。
でも、ドラちゃんの心中は複雑。
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何回も「ぼく、ドラえもん」言わないで 分かっているしうるさいからね (本所飛鳥)
そんなこと言われたら、ドラちゃん、未来に帰っちゃうよ。
だれにでも欠点はあるもの。くどくてうるさいことくらい我慢してあげましょう。
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奥さんがどこでもドアを持ってたら あたしたちもう会えなくなるね (栗原あずさ)
奥さんがどこでもドアを持っていなくても、いつかは会えなくなるのだという現実を見つめてください。
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終わりにはしたくない話もあってドラえもんとは約束しない (星川郁乃)
しめくくりにふさわしい歌をありがとう。
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最近ちょっと遠くに感じる、あららへ一言。
「のび太なんかよりもっとのび太だ」というレトリックは短歌界で過去につかいまくられていて、「風よりも風」「地図よりも地図」などなど前例がありすぎます。「短歌ヴァーサス」創刊号の枡野浩一特集を参照してくださいね。
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さて、来週は1週、講評のおやすみをいただく予定です(10月は金曜日が5回あるため)。
今週から来週にかけては、短歌以外の雑談を投稿するスペシャルウィークにさせてください。ご質問も受けつけます。
もちろん短歌の投稿もOKですが、講評は再来週になります、ご了承ください。
10月のお題は、来週金曜日前後に発表します。
2004 09 25 07:25 午後 | 固定リンク | トラックバック
2004.09.18
< 「ドラえもん」評その3 >
未来がありましたので原稿を書かねばなりません。
皆さん、未来の予定は万全ですか?
私のほうはいよいよ来週月曜日で、表参道での写真展が終了となります。あさって日曜日は、ニセ双子ユニット金紙&銀紙でトークをやりますのでお見逃しなく……。題して、「僕たち結婚相手募集中!(仮)」。
そうそう、あした土曜日は、「王様のブランチ」という番組で拙著が紹介されるとの噂です。
あさって日曜日は、「週刊ブックレビュー」という番組に枡野浩一が出演し、長嶋有の小説『パラレル』(文藝春秋)ほかを熱く情けなく語ります。
翌日の月曜日は18時頃から東京FM「ホリデースペシャル」に生出演するらしいよ。らしいよ、って他人事みたいに言いたくなるほど忙しいよドラえもん!
そんでもって、自分が出るものと思って前々からスケジュール調整してた番組は、知らないうちに別の人が出ることになっててびっくりしたよドラえもん!!
そのほかの近況は、ここをご参照ください。
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あらためまして、歌人の枡野浩一です。
ここ『かんたん短歌blog』では9月いっぱい、「ドラえもん短歌」を募集中。小学館とのタイアップ企画です。応募要項をよく読んで、ふるってご参加ください。
枡野浩一『かんたん短歌の作り方』(筑摩書房)に収録されている「ドラえもん短歌」を参考に、これらの傑作に負けない新作をつくってくださいね。
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今週は「102」の投稿を拝読しました。
わりと新しい人の名前が目立つようになってきましたね。
出会いがあれば別れもあるのが人生。9月23日が誕生日なんですが、毎年この季節になるといつも以上におセンチになっていけません。この夏、私の上や下や真ん中を通りぬけていった皆さん、さようなら。
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さて。英田柚有子さんから、いい質問がありました。
この質問には、私が答えないほうがいいですね。『かんたん短歌blog』を見ている大勢の皆さんから、「私には伝わった」「私には伝わらなかった」などと具体的なコメントをいただいたほうが作者のタメになると思います。
正直、選者である私にも、そのあたりは時々わからなくなるのです。自作への反響を常に反芻しながら、「こういう書き方だと通じるんだな……」と日々学んでいくしかありません。
皆さん、ぜひご協力ください。
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ドラえもんのひみつ道具を思わずに過ぎる日々なら幸せだろう (英田柚有子)
そんな英田柚有子さんの新作です。
この作品には別バージョンがあって、
ドラちゃんを思わずにすむ 君といるときの私は幸せでしょう (英田柚有子)
ってやつなんだけど、上と下、どっちがいいかは微妙ですね。
上のほうが意図は明確です。でも下の歌のほうが主人公は幸せそう。
上は他人事っぽい冷たさがある反面、「普遍性」はあります。でも説明的で色気はないかも。
あなたはどっちが好き?
上と下の長所を兼ね合わせたような、第3の案もありうると思います。推敲してみてください。
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読んだあと懐かしくなる『ドラえもん』自体がタイムマシンってことか (伊勢悟史)
伊勢悟史さんはコピーライターに向いてると思う。
この1首は、小学館が『ドラえもん』の広告を打つときにつかうと効果的だと思いました。
『ドラえもん』は全巻揃っているよりも2巻足りないくらいが似合う (伊勢悟史)
これも同様に整った1首。ただし広告には採用されにくいでしょう。小学館としては全巻揃えてほしいですからね。2巻だぶってるくらいが嬉しいですから。
伊勢悟史さんみたいな存在は『かんたん短歌blog』にひとりはいてほしいんだけど、もしも将来『かんたん短歌blog』に大洪水が起きて、限られた人数の書き手しか助けられないということになったら、けっこう後回しにしてしまう人かも。
ごめん。
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タイムマシンとばしているよ君だって青くなりたての日々があったね (樫子麻理)
この歌はどうかな?(←読者の皆さんにきいている)
ドラえもんの裏エピソードとか知ってると、味わい深いという気がしたんだけど。
でも「ドラえもん短歌」というお題を知らずに読んだら意味不明ですね。そこは弱点。
ドアじゃなくタケコプターで会いに行く「今出ました」とメールも入れる (樫子麻理)
こちらは「タケコプター」という語があるから、「どこでもドア」と言わなくても「ドア」だけでわかります。「ドラえもん短歌」というお題なしでもわかるし。
どこでもドアがあっても、それをつかうとは限らない、という視点が新鮮でした。
同様の視点を持った作者はほかにもいたけど、作品の完成度で樫子麻理さんに軍配が上がりました。
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私にも入浴シーンあるけれど君は突然入ってこない (岡部十理子)
これも「ドラえもん短歌」ということをふまえて、さらに、しずかちゃんの入浴シーンを想定しつつ読む歌。
「私にも入浴シーンあるけれど」という言い方は、文法的には変なんだけど、これはこれでありなのかなとも思ってしまった。音楽の歌詞ならこういうのも肯定されがちですね。
あなたにはのび太みたいに甘えたらよかったのかなよかったのかな (岡部十理子)
リフレインをいれると短歌がまとまりやすくなるから、安直に見えてしまう場合も多いんだけど、これは成功してると思いました。
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あのひとの心をみせてドラえもん でもわたしのは隠しておいて (水橋かさね)
先週も言ったように、上手に「欲望の表明」をすると短歌がうまれます。
この図々しさ、欲望の強さに1票。
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目の前にどこでもドアがあったなら それを理由に会いに行きたい (MAmi)
この奥ゆかしさ、欲望の謙虚さに1票。
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その台詞 本当だって確かめるためにタイムマシーンが欲しい (平賀谷友里)
この冷静さ、欲望の計算高さに1票。
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少しだけこわい気がする ドラえもんのいない未来を生きていくのは (くくりくみ)
短歌とか俳句って、「少し」という語をつかいがちなんです。要注意。
でも全体的に、さりげなく仕上がってる歌。
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タイムマシンで16さいの先生に出会えたらこの恋もさめるかな (栗原あずさ)
これは七五調にする気が全然ありませんでしたね。
主張はまあわかるし可愛いんだけど、改作できると思います。
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負けないで。祈る気持ちは切なくていつしかドラえもんになってた (青野ことり)
原文にあった「。」のあとの1文字あきは私が勝手に取りました。
説明的な「切なくて」は不要では?
「祈る気持ちは……いつしかドラえもんになってた」というシュールさを活かして、改作してみてください。
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3秒で眠れるのび太であるように今日の世界を眠らせていく (辻一郎)
これは作者本人も言ってるけど、何なんだろう?
言いまわしに妙な説得力があるものの、意味はわからない。
シュールな絵みたいに味わうといいのかな。気になったので一応挙げておきます。
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今週は以上です。
また未来が訪れたら、お目にかかりましょう。
2004 09 18 12:10 午前 | 固定リンク | トラックバック
2004.09.11
< 「ドラえもん」評その2 >
東京です。
ふだんは東京の隅っこ吉祥寺にいますが、ここ数日は東京の真ん中あたりをうろうろ。
なんだか時間が足りなくて更新が遅れ気味で、ごめんなさい。一応、毎週金曜日夜を目安に更新してますが、今後は前後にずれることも多々あると思います。どうぞよろしくお願いします。
表参道で写真展やってます。あしたの日曜日はトークもやりますので来てくださいね。
それから「コトバメッセ2004」という企画で、丸の内の街角に枡野浩一の短歌が展示されています。芥川賞作家の長嶋有さんと一緒に、展示を観てきました。私の短歌(アート作品とのコラボレーション)は道端にあるので24時間観られます。広い道や街灯の感じがよくて、一流ブランドの店は多いし、デートに最適なスポットと思った(←棒読み)。
そのほかの近況は、ここをご参照ください。
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あらためまして、歌人の枡野浩一です。
ここ『かんたん短歌blog』では9月いっぱい、「ドラえもん短歌」を募集中。小学館とのタイアップ企画です。応募要項をよく読んで、ふるってご参加くださいね。
常連の伊勢さんが、枡野浩一『かんたん短歌の作り方』(筑摩書房)に収録されている「ドラえもん短歌」を集めてくれました、ありがとう。これらの傑作に負けない新作をお待ちしています。
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今週は「130」の投稿を拝読しました。先週観られなかった投稿3+今週の投稿127です。
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ドラえもんぬきでのび太の人柄と結婚するって本当ですか? (徳山雅記)
という秀作を以前「結婚」というお題のときに投稿してくださった徳山雅記さん、じつは小学館編集部「ドラえもん短歌」の企画者なんです。
枡野浩一が先週選ばなかった作品の中にも、編集部的には面白かった作品が多々ありました……とのこと。場合によっては敗者復活も検討しますから皆さん、あきらめず投稿を続けてくださいね!
ドラえもん誕生日まで108年 なんだこの子は会えるじゃないか (徳山雅記)
その徳山さんの新作。
自分に子供ができると、こういう歌がぴんとくるようになります。
原文にはなかった1文字あきを私が勝手にいれました。「108年なんだ」と読まれるのを防ぐため。
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寝坊した僕の未来の言い訳は「どこでもドアが調子悪くて……」 (佐々木あらら)
あららの改作です。
わりと普通だけど、普通にうまくまとまっています。
ジャイアンがもうこの町にいないのは空き地が消えたせいなのだろう (佐々木あらら)
土管も消えたせいなのだろう。
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ドラちゃんの不思議なポッケはダイエーの食品売り場で売られて欲しい (森文月)
ポッケは食品なんだね。
この歌は語尾が「売られてました」とかだったら没。
あくまで欲望の表明、「売られて欲しい」だったから目にとまりました。
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ジャイアンの統率力を持っているスネ夫みたいな金持ちがいい (丹生谷歩美)
欲望の表明を上手にすると、歌がうまれます。
この、あきれるほどの欲張りさんに1票。
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失恋をグウで殴ってもう決めた 私今日からジャイアンになる (百田きりん)
決意の表明も上手にすると、歌がうまれます。
後半の激しすぎる決意には、たじろぐばかり。
涙がこぼれそう。
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ドラえもんが好きだと言えるひとだった 羨ましくてにくらしかった (星川郁乃 )
そんな憎らしいひとに惚れてしまっていたのですね。
そんなあなたに惚れそう。
*
タイムマシンが無いからやっと笑えるしご飯もおいしくなってきたんだ (英田柚有子)
やっとですね。
ドラえもんなしで生きていく私たちには時間が必要。
*
泣き落としなんかじゃやっぱ無理? きみがドラえもんならよかったのにな (栗原あずさ)
ドラえもんなら泣き落としとドラ焼きに弱いもんね。
*
ドラドラキュ ドラドラキュッキュ ドラえもん 公私混同してるんじゃない? (柴田有理)
別のアニメと混同してるんじゃない?
*
いつまでも下の名前で呼ばれない 出木杉くんって嫌われてるの? (菊千代)
僕も下の名前で呼ばれない子供でした。
さかもと未明さんには「浩一」と呼ばれたけど。
*
僕たちが今進んでいる方向の未来にドラえもんはいますか (伊勢悟史)
質問短歌が続きます。
ドラえもんのいるほうの未来を希望。
*
ドラえもんどこから来るの本当に 未来はあるの確かにあるの (本所飛鳥)
つぶらな瞳での質問ぜめ……こわくなります。
本当はないのかも。
未来。
*
あとひとり、岡部十理子さんの作品群にも注目しました。1文字あきは必要最小限にして、57577のリズムを意識してつくりなおし、また投稿してください。
今週は以上。
また来週!
……未来があったらの話だけど。
2004 09 11 02:31 午後 | 固定リンク | トラックバック
2004.09.04
< 「ドラえもん」評その1 >
ドラえもん、誕生日おめでとう!
……ごめんね、きのうのうちに言いたかったんだけど1日遅れちゃって。今、青森の八戸というところに来ています。しりあがり寿さんや河井克夫さんといっしょに、八戸市美術館「風景の頭部」展を見にきてるんです。
八戸は魚介類が美味しいねえ……イカとかウニとか。ああ満腹。詳細はそのうち「週刊朝日」とかで書くと思います。
東京へは日曜日に戻ります。そして翌日の月曜日からは、表参道で写真展やりますので来てねー。あと、それとは別に「コトバメッセ2004」という企画で、丸の内エリアに短歌を展示します。なんか丸の内の街角に、ふと枡野浩一の短歌が落ちてるって感じらしいよ。どんなふうに展示されるのか、私自身もまだよく知らないんで楽しみです。ほかにもイベントあるけど、詳細はここのページを見てください。
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あらためまして、歌人の枡野浩一です。
ここ『かんたん短歌blog』では9月いっぱい、「ドラえもん短歌」を募集中。小学館とのタイアップ企画です。応募要項をよく読んで、ふるってご参加くださいね。
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今週は「101」の投稿を拝読しました。
驚くような大傑作はまだ届いてないみたいですが、けっこう力作ぞろいでした。
こことは別に、小学館のサイトに投稿してくれた人もいるし、小学館編集部宛にハガキで投稿してくれた人もいます。『かんたん短歌blog』史上かつてないライバルの数です。気持ちを引き締めていきましょう!
*
自転車で君を家まで送ってた どこでもドアがなくてよかった (伊勢悟史)
おお、伊勢悟史さん、久々の大復活という感じ。いいですねー。
「どこでもドアがなくてよかった」という切り口はありそうでなかったです。現実のほうが夢よりも素敵、という視点というか。
雨の日はスミ一色で描かれた『ドラえもん』を読む 青を補給する (伊勢悟史)
これは「青を補給する」が過剰に詩的なんだけど、私も年をとったのか、こういう歌もたまにはいいと思って選んでしまいました。「スミ」と「青」は対比がきれいすぎて、そうだな、伊勢さんの欠点はいつもきれいすぎてアソビというか色気がないところなんだけど、まあ、それは美点の裏返し。
会いにゆく新幹線で考える どこでもドアっていくらなんだろう (伊勢悟史)
これも後半の視点が新鮮だった。
そうだよね、いくら未来だって、どこでもドアが無料配布されてるなんて思えない。金持ちの子だけ買ってもらえるのかな。新バージョンが次々と発売されて、旧式のやつだとバグもあるのかな。
*
侍になりたいなんて言うくせにドラえもんなど欲しがっちゃ駄目 (英田柚有子)
そりゃそうだ、侍はドラえもんぬきで生きなきゃね。
タケコプターがあっても今日の私には空は自由に飛べないみたい (英田柚有子)
そうか、タケコプターがあってもうまく飛べない日はあるんだ。携帯があって話したくても話せない相手もいるしね。
英田柚有子さんの名前は私のiBookに辞書登録しました。
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ドラえもん持ってる未来の子供らはいったい何を欲しがるのだろ (紫月美夜)
きっとドラえもんの新バージョンだよ。色ちがいとかね。
そんで「欲しいものが欲しいよー、ドラえもーん!」とか叫ぶの。
*
カタカナとひらがなのちがい迷わずにドラえもんって書ける人が好き (くろ)
それは保守的な趣味ですね……でも幸せな結婚ができそう。僕は「どらえもん」って誤記したくせに訂正しないようなわがままな人も好き。「ドラエもん」って誤記してることを厳しく指摘してくれるような人はもっと好き。
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わがままをかなえてあげる ドラえもんレベルとまではいかないけれど (長瀬大)
謙虚ですね。でもその謙虚さにつけこむような女性も世の中には多いみたいですよ。枡野浩一の新刊『結婚するって本当ですか?』(朝日新聞社)と『もう頬づえをついてもいいですか?』(実業之日本社)を読んで、愛について勉強してね。
*
ドラちゃんはドラちゃんだもの平凡なロボットじゃなくへっぽこでいて (渡辺百絵)
愛ですね、愛。
へっぽこだから愛してしまうって、ありますよね。
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この夢をかなえる為の試練なのドラえもんにはわからないわね (安藤三弥)
厳しいっすね、ドラえもん仲間はずれですか……。
安藤三弥さんのもう1首(blog参照)は「ドラえもんにはなれないけれど」のところ、たしか前例があったと思う。
枡野浩一の名著『かんたん短歌の作り方』(筑摩書房)の中に、ドラえもん短歌がたくさん載っています。だれか親切な方! それをblogに集めて皆が読めるようトラックバックしてやってください。
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夢だとか魔法じゃなくて人工のロボットという 潔くて好き (幸田)
この歌、主張には共鳴するんですが、全体が説明だけでいっぱいいっぱいになってる感じ。もう少しなめらかに仕上げられると思います。推敲して再投稿してみてくださいね。
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どんな夢もかなえるふしぎなポッケでも夕方の僕は救えなかったよ (古川亜希)
いったい何があったの? そんな自慢げな落ち込み方して……。
「夕方の」のところが改善の余地あり。現状だと「救われない状況」に陥ってから、それを歌の主人公が回想するまで……「時間」の流れが足りない感じがしない?
推敲して再投稿してみてください。
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「またドアが壊れちゃって」と言い訳をする日々なのか僕の未来は (佐々木あらら)
「ドア」は無理に略せずに「どこでもドア」と書いていいんじゃないかな。字余りだけど、
「どこでもドアが壊れちゃって」と言い訳をする日々なのか僕の未来は
……ね、リズムはわるくないから、こういうのは一応ありです。もっとしっくりくる改作があったら、やってみて、あらら。
*
というわけで、今週は次の1首を味わいながら、さようならー。
ドラえもん きみをお題にした歌が詠める機械を出しておくれよ (みうらしんじ)
ああ、ほんとだよな。
そして、その中の傑作を自動的に選んで、自動的に選評を添えてくれる機械を出しておくれよ、ドラえもん!










