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2004.11.27
< 「本」評その4・次のお題発表 >
本日27日の午前中、NHKテレビに生出演してきました!
親と子のTVスクール
動く枡野浩一はどうでした? 親子の短歌、なかなか楽しかったです。
ちはるさんの旦那様のいるバンド、Tokyo No.1 Soul Setが大好きなので、月末のライブは汚い手をつかってでも潜り込みたいと思います。
枡野浩一と河井克夫のニセ双子ユニット「金紙&銀紙」が出演した松尾スズキ監督映画『恋の門』を踏まえた短歌は、そろそろ募集終了かなあ……。映画、見てくれた? 面白いよ。
絵・武山忠司
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今週は「202」の投稿を拝読しました。
投稿数のわりには、傑作は少なかったかな。
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生きざまを一冊にして見せてくれてもおんなじだけは歩めない (石川和緒)
んー。リズムを五七五七七にしてない短歌は、扱いに困るなあ。こういうのをよしとする歌人もいるんですけど、枡野浩一は自由律には懐疑的。
だって「これは短歌だ」という前提で優しく読んであげないと、短歌じゃないんだもの。
たくさんの短歌の中にあると、わざとリズムを崩した作品がちょっと新鮮に見えるけど、短歌でない文章の中にまぎれたら、ただの文章だもの。
五七五七七ぴったりに書いて、なおかつ毅然とした感じに見えないと、駄目だと思う。
書き慣れると、崩したくなるんだよね……。
歌われている内容に魅力があるだけに残念な気持ち。
よく見ると前半は七五調なんだけど、後半の着地のリズムを崩すと、全体が破調に見えちゃうね。「文意」に合ってる破調だとは思いますが、ここは主張の軽やかさに合わせて、リズムも軽やかに行ったほうがいいような気がします。
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古本を売りにくいのはどんな毛が何故入ったかわからないから (古川三叶)
なぜ入ったの? どんな毛が入ったの?
「何故」は、「なぜ」「なにゆえ」複数の読み方があるから、ひらがなにしたほうがいいかも。
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二枚舌住んでた場所は九段下 不思議な本を何時も読んでた(PDP)
不思議な短歌をいつもありがとう。
PDPさんの変な世界も、五七五七七ぴったりだと気持ちいいね。
「何時」は、「いつ」「なんじ」複数の読み方があるから、ひらがなにしたほうがいいかも。
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納得いかないまま縦の動きで読み終えたのか なんかくやしい (穴井苑子)
前半リズムが崩れてても、「読み終えたのか なんかくやしい」と、着地のところできれいな七五調になってると、なぜかしっくりくるよね(その逆バターンが石川和緒さんの作品)。
でも、もっともっと七五調を意識したほうがよりいいと思う。同じ意味あいで五七五七七ぴったりに仕上げることは可能です。推敲不足に見えちゃう。
いつも短歌に名前を添え忘れている穴井苑子さんの単行本に関するご意見、いいですね。検討してみます。
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本を読まない人ばかり好きになる 日焼けは肌の大敵なのに (英田柚有子)
恋愛で好きになる相手って、なんかワンパターンだよねえ。
後半の投げやりな感じが可笑しい。本も読まずに日焼けしそうなことばかりする男が好きなんですね。
これも前半に関しては推敲不足に見えちゃう。私が最近コメントしなかったせいか、皆さんリズムの崩れに甘いというか、あきらめが早すぎる気がします。
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おわかれの言葉を持ちながら本を繰る繰る君は来ないんだろう (木村比呂)
言葉あそびがうまくいってますね。
「繰る繰る君は来ないんだろう」がきれいな七五調だから、これも中盤のリズムの崩れ(控えめな「句またがり」)がそれほど気にならないけど、以下同文。
私は短歌慣れしてるから、「本を」のあとで一呼吸おいて、リズムよく読んであげてしまうけれども。
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キムタクのお薦めだからというだけで本買えるほど金持ちじゃない (森文月)
だれのおすすめなら買うのかな。
どんな本も、CDや映画にくらべたら安いと思うけど……。
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今週は以上です。
昨夜までに届いた作品にコメントしました。それ以降に届いた作品に関しては、来週コメントします。
『かんたん短歌blog』の単行本企画に関しては、また追って新しい記事で書くつもりです。
来月のお題は「夢」。この言葉を短歌に詠み込んでくださいね!
2004 11 27 04:30 午前 | 固定リンク | トラックバック
2004.11.22
< 「よるひる」イベント感想募集 >
11月21日の日曜日夜、阿佐ヶ谷「よるのひるね」での「金紙&銀紙」トークイベント、無事終了しました。
来てくださった皆様、ありがとうございました!
ひとりひとりとはあまりお話できませんでしたが、感想・ルポ・今後のご要望などありましたら、この記事へのトラックバックでお聞かせくださいね。
(短歌投稿トラックバックは、ひとつ前の記事に……)
どうぞよろしくお願いします。



撮影・松田アキ
(ちなみに「よるのひるね」公式サイトには、同店の店長さんが撮影した写真があります)
2004 11 22 12:17 午後 | 固定リンク | トラックバック
2004.11.19
< 「本」評その3 >
枡野浩一プロデュースでデビューした歌人・佐藤真由美さんが、ついに小説家としてもデビューしました。「小説すばる」12月号にクリスマスを題材にした短編が載っています。ストーリーらしいストーリーはなくて話としてはシンプルで普通だけど、1行1行が短歌のように面白かった。11月20日は佐藤真由美さんの誕生日。ここ見てないだろうけど、 おめでとう!
日曜日は、阿佐ヶ谷にある「よるのひるね」という小さな店でイベント。もう予約しめきってますが、皆様にお目にかかるのを楽しみにしています。
枡野浩一と河井克夫のニセ双子ユニット「金紙&銀紙」が出演した松尾スズキ監督映画『恋の門』を踏まえた短歌は、まだまだ募集中です!
絵・武山忠司
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今週は「173」の投稿を拝読しました。
先週遅れて届いた「19」の投稿もあわせて拝読。
届いた順にコメントしていきます。
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始まれば終わってしまう本だけど開かない手はないと思うよ (藤本洋子)
始まれば終わってしまう……という切り口にこだわって何度か投稿してくれてる藤本洋子さん。
「と思うよ」という語尾は自信なさげ。私なら「と思った」または「って思う」というふうに着地するだろうけど……。自信ないなら、ないなりに、もっと考え詰めてみて。
そもそも「思う」という言葉はなくても短歌は成立します。短歌はみんな「思ったこと」を書いているのだから、「思う」は原則として削れと俵万智さんは指導しています(新潮新書『考える短歌』)。
「開かない」は「あかない」「ひらかない」2通りの読みがあり、一読目に誤読しそう。
帯文におどった胸の内側を大事にしたくて買わなかったの (藤本洋子)
買わなかったのか……。それは大胆。
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どんな本でもそれなりに楽しんで読むなんて言う 不貞を責めた (英田柚有子)
「不貞を責めた」は説明しすぎ。
私だったら、たとえばこうするかな。
どんな本でもそれなりに楽しんで読むなんて言うあなたは男
……あなたなりに工夫してみて。
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レジで小銭を穏便に出すために 僕等は本を読んでいるのだ (PDP)
PDP節ですねえ。
穏便にレジで小銭を出すために 僕等は本を読んでいるのだ
……にすれば、きれいに七五調なんだけど。まあ、PDP節でいいのかな。
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生きやすく 生きるヒントが書かれてる本の前でいつも立ち止まる (MAmi)
この歌の「生きやすく」という書きだし、そのあとの1文字あき、(リズムはわるいが)なにげない着地の仕方、ハッとさせられました。
傑作かも。
「苦しくて死にたい人へ」と書かれた帯の本に「そこまでじゃない」(MAmi)
ボロボロになった人へというタイトルの本を買ったことがあります。
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本になる気さえしたけどおばちゃんの100%が経験済みか (穴井苑子)
後半は面白い発見。でも「おばちゃん」は処女もいるかもよ。「母ちゃん」なら100%が経験済みだと思うが。
前半は説明不足。求む、改作。
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この街の全ての本へ この街を選んだ君へ この街を出る (木村比呂)
ひとりでに逆巻く髪をほっといて もっと世界を好きになりたい (木村比呂)
7月の冷たいアイスクリームを 結婚しよう 思い出してる (木村比呂)
木村比呂さんは今週、改作を含めて全体的によかった気がします。
気分で味わうタイプの作風だけどね。たくさん読んでみたくなります。
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脚本を見せてくれたらもう少し上手く演じてあげられたのに (緒川景子)
ほんとほんと。脚本も見せずに「それは私の欲しい優しさとちがう」とか言われても困るよ。
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本棚を背負って山に入るので本を辿って帰れるはずだ (辻一郎)
腰痛に注意。
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裏本で見る限りではもう少し簡単そうに見えたのですよ (佐々木あらら)
「見えたのですよ」って、だれに言いわけしてるの?!
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本ならばまだ「結」じゃないのは確か このまま終わるようじゃ売れない (緒川景子)
後半の「売れない」は新鮮。前半は少々もたもたしてて改作の余地あり。
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本ばかり頼って作ったお料理をバカにしないでほしかっただけ (森田利絵子)
現代語の短歌は、てにをはが正しいことが重要。
私の感覚だと、「本にばかり」または「本ばかりに」と書くべきだと思うんだけど、どう?
もしくは「ばかり」をつかわないで書くといいかも。
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「一生」と「みそしる」がつく名ぜりふ和綴じで綴じておかえしします (笹本奈穂)
それは厳しいおかえし。和綴じとは……。
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私たちおなじ絵本のカステラを遠くで一緒に食べてたんだね (百田きりん)
ぐりとぐら、ですね。たまごをなくした母鳥が泣いてる、という名作絵本。
「遠くで一緒に」の意味は通じにくいかな……。読者の読解力に頼りすぎな気も少しする。
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エロ本が水に流せるものならば処分のときに困らないのに (みうらしんじ)
その切実さに1票。
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きょうは『かんたん短歌blog』の単行本の打ち合せでした。
「あらら」という人名が飛び交っていた。
自分は『かんたん短歌blog』の常連なのではないか、という自覚のある人は、自己申告&自己PRしてください。本に関わってもらうかも。
では、また来週!
2004 11 19 11:45 午後 | 固定リンク | トラックバック
2004.11.13
< 「本」評その2 >
今週は名古屋に行ってきました。その詳細は次の「週刊朝日」連載コラムをご参照くださいね。
阿佐ヶ谷にある「よるのひるね」という小さな店でのイベントは、ものすごく小人数で密な話をする会になりそうです。金紙&銀紙がブレイクしたあとには、ありえない企画。今すぐ申し込みましょう。
枡野浩一と河井克夫のニセ双子ユニット「金紙&銀紙」が出演した松尾スズキ監督映画『恋の門』を踏まえた短歌は、まだまだ募集中です!
絵・武山忠司
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今週は「147」の投稿を拝読しました。
先週遅れて届いた「23」の投稿もあわせて拝読。
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まずは先週遅れて届いた投稿から。
一家には一冊 一冊には一ヶ所 もうジタバタもできない地点 (柴田有理)
柴田有理さんの作品は、なんか頑固なところがあって目にとまります。意味はそんなに明瞭でないけれど、耳を傾けたくなる言葉というか。
配られた国語の教科書全ページその日のうちに読み終えていた (小野伊都子)
これは「あらすじ」っぽいんだけど、「あるある短歌」としては、あるある。国語好きの私の琴線にはふれましたが、短歌としては弱い。たくさんの自作を人に見せるときに、混ぜておくのはいいかも。
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すすむのをやめたいときにはさむもの 恋にもあればうまくいくのに (みなみなみ)
しおり、を歌ったんですね。
「本」がテーマであることに、読者が自力で辿りつけるか。つけるかな。
「ときにはさむ」はひらがなだと、一読目に「ときには/さむ」と誤読しそう。
持ち主を探すみたいな顔をして 本を売るのが私の仕事 (みなみなみ)
「顔をして」は、もっと別の言葉が見つかりそう。
本を売る仕事に、ある角度から光をあてて成功しています。
みなみなみさんは、先週私がコメントした作品について、こんなことを書いてくれました。
んー、そういう複雑かつ一般的でないストーリーを、1首で伝えるのはちょっと無理ですね。
私は「善意の誤読」をして、あの作品を評価したことなります。
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読み始めたら止まらなくなりそうな本を一冊君に借りてる (百田きりん)
これは全体が何かの比喩なのかな。
とまらない恋をしそう、という意味?
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本をあげます感想は聞きませんプレゼントってそういうものでしょ (穴井苑子)
そんなに自己完結しないで。
句読点も1文字あきもなしで、そう畳みかけたら、恋もうまれませんよ。
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口紅の色と一緒で地の色とまざるのだから本もお試し (秋野道子)
これは秋野道子さんの説明(blog参照)が面白い。そのことをもっとちゃんと短歌にできる気がします。
改作してみてください。「本もお試し」という一言はおざなり。
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返された本についてた染みの色赤かったから何も言えない (くらのすけ)
くらのすけさんは、早稲田の学園祭で銀紙に筆名をほめられた人ですね。
「何も言えない」とか説明に終わってしまってる気もするが、これはこれでいいのかな。
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斜め読みされるみたいに終えられてただ本棚に並ぶのもいい (平賀谷友里)
これはねえ、目にとまるんだけど、発想がありがちだと思う。松本伊代の歌で、読み捨てられる雑誌のように……ってのがあったけど、あれくらいな感じ。
かといって、同じ題材の別案(blog)は、見事に私の心を素通りしてしまいます。こういうのを好きな人もいるの? 皆さんのご意見も聞きたい1首。
それぞれのblogのコメント欄に書き込むより、改めてトラックバックしてくれると助かります。
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図書館の本の林でかくれんぼ もう20年見つかってない (小野伊都子)
これも、目にとまるけど、よくある発想。
かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて誰をさがしにくる村祭り (寺山修司)
という有名な短歌もあるし、ショートショートのSFとかでやたらと読んだ気がする。かくれんぼを何十年も続けてる、って発想の話。
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私は普通の人よりは短歌をたくさん見てきてしまったので、「こういうのは、よくあるなあ」って思ったら、もう心が閉じてしまいます。
枡野浩一に選ばれるには、を考えるマーケティングも面白いと思うし、私以外の人が自分の好きな短歌を選ぶのもいいと思う(でもせっかくだからトラックバックしてね)。この梨野一さんの意見は秀逸ですね、ありがとう。
blogならではの面白がり方を、どんどん発見していってください。
『かんたん短歌blog』の単行本は、ようやく制作スタートって感じです。
では、また来週。
2004 11 13 12:13 午前 | 固定リンク | トラックバック
2004.11.06
< 「本」評その1 >
きょう土曜日は、枡野浩一と河井克夫のニセ双子ユニット「金紙&銀紙」が、早稲田の学園祭に出演する日です。
この文章を書き上げ次第、早稲田へ向かいます。ここが更新される頃には無事終了している予定ですが、来てくれた人、います?(今週は更新直後に私がパソコンの前にいません。万一、誤字脱字その他のミスを発見しても、勝ち誇ったりせず、やさしく指摘してくださいね)
なお、ここに発表されている「入賞作品」は私が選んだものですが、「選ばれなかったけど良かった作品」というのは、「枡野浩一には選ばれなかったけれども学園祭スタッフがよいと思った作品」です。くれぐれもどうぞよろしくお願いします。
金紙&銀紙が出演した松尾スズキ監督映画『恋の門』も、日曜日あたり、どうでしょう。
今月後半には、阿佐ヶ谷にある「よるのひるね」という小さな店で、イベントも予定しています。客席数、超限定。予約はお早めにどうぞ。プレゼントもお待ちしてます!
絵・武山忠司
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今週は今朝までに「183」の投稿を拝読しました。
それ以降に投稿されたものに関しては、来週コメントします、あしからず。
枡野浩一の本のデザインに関するご意見も、ひきつづき募集しています。たくさんのリアクションに感謝。
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この恋は叩いただけじゃ開かないし押せばいいってものでもない門 (森文月)
映画『恋の門』を踏まえた短歌、目にとまったのが1首ありました。こういうのがたくさん届いてたら、選び甲斐があったのに。
今からでも『恋の門』短歌、もっと投稿して!
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これは「本」というお題を前提にしてはいるけれども、「本」という言葉を詠みこんでないんですね。たぶん「トビラ」という言葉で暗示させようとしているんだと思う。べつだん難しい暗示ではないです。
でも、わるいんだけど私、そういうのが苦手。「本をひらく」とストレートに書いたほうが、この場合はいいような気がしてなりません。もしくは「それをひらく」とか……。
「トビラ開く」という言葉の、手垢のつき加減のハンパさがいやなのかも。
とはいえ私の意見は歌人の中では少数派みたいな気もするから、あなたの信じるトビラをひらいていってください。
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不定期に刊行される雑誌とは違いますよねきみの約束 (本多響乃)
これも「本」が出てこない。雑誌じゃなくて本だってば!
きみの約束は雑誌じゃなくて本でしょ、と言いたいのかな? 気持ちはわかります。
あと、お題に合ってない短歌の投稿も、どうぞ。
同棲が終わるビジュアルイメージはスカスカになる本棚だった (本多響乃)
乱暴なくらいスカスカな説明調が、意外と成功してるかも。
なるほどねえ……。
結婚が終わるビジュアルイメージは、妻の弁護士から段ボール箱で送り返されてきた、僕の書いた本の数々。
ものすごく淫らになっていいですか本で知識は仕入れましたし (本多響乃)
本からの知識はあてにならないものですが、ものすごく淫らになりたいのなら、とめませんよ。
奥付はきみに出会った夏のままわたしはそっと閉じられてゆく (本多響乃)
これも「本」という言葉が出てこないけれど、「奥付」という言葉があることによって、イメージの輪郭をきちんと保っています。
「わたし」と「本」を重ね合わせていて、いかにも短歌って感じだけどね。
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本屋にて落ち合う 今日はどうしても育児書前で見つけられたい (樫子麻理)
……で。
佐々木あららが育児書前にいる樫子麻理を見つけて、目も合わせずに本屋から出て行くんでしょ?
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君を待つときは2度目の本を読む うわのそらでも平気なように (伊勢悟史)
麻理「私を待ちながら本を読むなんて、イヤッ!」
あらら「うわのそらでも平気なように、2度目の本を読んでたんだよ」
……って感じだったんでしょうか。
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たいくつな本でも終わりは気にかかる性分だから結婚したの (英田柚有子)
なるほど。
短編が好きだから僕は離婚したのかな。
なお、英田柚有子さんの先週の作品に関して、いろんな意見が寄せられました。ブログならではの光景ですね。ぜひご一読を。
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先生が好きだと言ったあの本を「読まずに返せ」15の私 (みなみなみ)
先生が好きだと言った本を読んでしまって、百年の恋もさめたのですね。15なのに。
へたに恋心が続くより、よかったんじゃない?
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本を読む君を好きなだけなので その本貸してくれなくていい (天国ななお)
それを口に出して言えば、いい告白になるのに。
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本棚が気に入ったので一夜だけじゃなくてまた来てみようと思う (古川亜希)
あの頃の私は、まだ気づいていませんでした。本棚めあての女性たちが、5人も彼の部屋に通っているなんて……。
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最後まで読んだら風邪がなおりますそういう本があればいいのに (穴井苑子)
恋がなおる本ならよくあるよね。
詩集『ガムテープで風邪が治る』(新風舎)もよろしく。
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索引が充実してる本みたい あなたは理想的だ(本なら) (伊勢谷小枝子)
本ならよかったのにね……。
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「その本は絶版ですよ」と言われた見上げた空はどこまで高い (本所飛鳥)
うん、見上げますね、そういう時。
拙著『漫画嫌い』(二見書房)が知らないうちに絶版になっていたと知った時も、見上げました。
『石川くん』(朝日出版社)もね。自分の書いた本の中で一番よくほめられるのに、もう売ってないんです。
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今週は以上です。
また来週。










