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2005.05.25

< 大切なお知らせと篠田算プチ特集 >

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 皆さんのおかげで復刊リクエスト、『ドレミふぁんくしょんドロップ』に続いて『ますの。』も百票に達しました!!
 きょう、ブッキングという会社の人とお話をしてきます。
 いいニュースを報告できますように……。

 ここで大切なお知らせがあります。
 薄々勘づいている人も多いと思うけれど、昨年9月に小学館とのタイアップで「ドラえもん短歌」の公募をして、今また同じテーマで募集をかけているのは……。
 小学館から9月発売をめざして、「ドラえもん短歌」の本を準備中だからです。
 それってどういうことか、もうおわかりですね?
 今、本に収録するドラえもん短歌を厳選中なんです。
 ですから私が「改作してください」とコメントした短歌は、今すぐ改作して再投稿してください。
 日付が5月30日であるうちに投稿してくれた短歌が、単行本収録候補として検討されます。

 というわけで(それ以外の理由もあって)、ちょっと申しわけないんですが今週はレギュラー的な講評はお休みさせてもらえますか。余力があったらやりますが……来週まとめてコメントします。
 今週は篠田算プチ特集です。

 まず、ドラえもん短歌から。
 短歌にいちいちリンクは張らないけど、篠田算のブログを熟読して、「ああ、あれが没になってて、これが選ばれてるんだ……」と確認してみてください。

「ドラえもん、頭にタイムふろしきをしばらくかけて耳を直せば?」 (篠田算)

 治したくない病もあるんだよ、のび太くん。

「ドラえもん、前から思ってたんだけど、猫には似ても似つかないよね。」 (篠田算)

 「前から思ってたんだけど」って、別れるときに告白する女が大嫌いなんだ、のび太くん。

「ドラえもん、きみのまくらがさりげなくテンピュールのに変わっているね…。」(篠田算)

  futon1っていうのも買おうかどうか迷ってるんだ、のび太くん。

「ドラえもん、きみの耐用年数はだいたい何年くらいなのかな?」 (篠田算)

 生きてる人にはそういうこと言わないほうが無難だよ、のび太くん。

「ドラえもん、のび太のくせにナマイキだ!ってさすがにちょっと言い過ぎだよね…。」 (篠田算)

 でも少し説得力あって面白いセリフだよね、のび太くん。

「ドラえもん、昼間は一体何をして、何を思って過ごしているの?」 (篠田算)

 その歌は『かなしーおもちゃ』(インフォバーン)収録作の自己模倣じゃないか、のび太くん。

「ドラえもん、前から思ってたんだけど、君のあぐらはちょっと変だぜ。」 (篠田算)

 君にだけは言われたくなかったよ、のび太くん。

「ドラえもん、伊勢名物の赤福はたぶんドラ焼きよりもうまいよ。」 (篠田算)

 それは好みの問題だと思うな、赤福には見知らぬおばちゃんの指のあとが付いてるんだよ、のび太くん。

 一応こまかいことを指摘しておきますが、カギカッコを閉じる直前に「。」をつけるのは、よしもとばななとか、ある特別な意志を持った人だけです。篠田算さんのことだから、わざとだと思うけど、そこに特別な「意味」「ニュアンス」が生じてしまうことを自覚しておいてください。
 それと「…」は原文ではもっと変な記号だったけど、勝手に印刷に適した記号に変えました。もっと言うと「…」は、「……」というふうに2マスつかって書くのが正式です(拙著『日本ゴロン』毎日新聞社を参照)。今はテレビの影響か、プロのライターでも「…」と1マスで書く人いるけど(しろうと臭えんだよ!)、私は旧世代の人間なので非常に違和感を覚えます。「…。」となると、なおさら。
 ファッション界で仕事をする篠田算さんのほうが、時代の気分をすくうのは上手だと思うんで、とっても不快だったけど仕方なく我慢して譲歩して割り切って頭を真っ白にして原文に近い表記を尊重しましたが、雑誌のライターの仕事だったらアカ文字で訂正が入るということを知っておいてください。詩歌の世界ではそういう作者のくだらないわがままを、へんに尊重する傾向があるみたいだけど、私は歌人であるより先にプロのライターであるという世にも珍しい職業歌人なので、その立場から発言しました。

泣きそうな時はとにかく大声で「昂」を歌うことにしている (篠田算)

全力は怖い気がして加減して漕ぐ ブランコは子供のおもちゃ (篠田算)

鉄道にくわしくそして鈍感な男が教えてくれた終電 (篠田算)

ウエディングドレスの裾が長いのはだれかにとめてほしいからです (篠田算)

着メロにこだわる人に本当の音楽好きはいないと思う (篠田算)

妊娠をしたらわたしの勝ちだとかそういうことじゃなかったらしい (篠田算)

左利きってだけでもう才能がありそうだって期待をしちゃう (篠田算)

 以上の作品(の一部)への講評は、『かんたん短歌blog』を飛び出して、「フラウ」(講談社)の次号連載の中でやることにしました。ひとりメディアミックスです。皆様、次の次の号くらいに出る「フラウ」を読んでください。
 これらの作品が篠田算の中で飛び抜けて傑作というわけではなく、どちらかというとその逆なのですが、篠田算の短歌について考えることは枡野浩一的短歌の可能性と限界を考えることでもあるので、その教材として利用させていただきました。
 どうぞよろしくお願いします。
 なお「昂」の1首は、今出てる「R&Rニューズメーカー」(ぴあ)に私が書いた掌編ストーリーと微妙にかぶってる気がしますが、書いたのは枡野浩一のほうが先です!





 それから6月の最初の日曜日の昼、歌人の正岡豊さんと新宿でトークイベントをやります。詳細はこのへん。遠方から来ていだたくお客さんのために、予約も受付中です。
 『かんたん短歌blog』で短歌に興味を持ち始めたばかりの人にも、何年も短歌をやっている人にも、けっこう衝撃的な話をたくさんすると思います。私も正岡さんのお話によっていろんなことに気づき傷つきそう。覚悟して来てください。
 首洗って待ってろよ。こっちも首洗ってお待ちしています。 

2005 05 25 12:54 午後 | 固定リンク | トラックバック

2005.05.20

< 「ドラえもん」評2 >

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 皆さんのおかげで復刊リクエスト、『ドレミふぁんくしょんドロップ』が百票に達しました!!
 ここからがやっとスタート地点ですが、投票してくれた皆さん、ほんとうにありがとうございます……。
 私には今、仕事の風が吹いている気がします。この件に限らず、いろんな人との縁に支えられて物事が動いていくことの不思議……それを噛みしめつつ、ドラ焼きを齧りながらパソコンに向かう午前4時です。
 きのうは映画『隣人13号』を面白く見ました。子供が酷い目に合う話なのに、あと味が思ったよりわるくない。井上三太による原作漫画のファンなのですが、映画の出来に満足しました。「いい仕事」にふれると、元気が出ますね。
 ふと気が向いて、ウェブ日記『こんなにもふざけたきょうがある以上』を公開モードに戻しました。こんなにも枡野浩一ですが、どうぞよろしくお願いします。
 あ。最近になって枡野浩一を知った皆さんは、枡野浩一×オカザキマリ「短歌スクリーンセーバー絵本」とか知ってます? 可愛くて切ないからダウンロードしてみてください。枡野浩一×オカザキマリは今、隔週刊の女性誌「フラウ」(講談社)でも連載中です。





 今週は「受信 2005年5月18日 午後 08時14分」までの作品を拝読しました。

 例によって1文字あきは私が増やした場合もあります。

ドラえもんのいない世界にいるからうまくいかない あなたとあたし (麦ちよこ)

 これは言葉の切れ目が五七五七七のリズムに乗るように、つくりなおせるはず。
 「の」はその前の単語にくっついてしまうから、人は皆「ドラえもんの」までをひと息で読みます。

通りぬけフープいっぽんあるだけで俺の生活やりなおせるのに (南雲英水)

 道具のチョイスに何か哲学がありそう。

ママやめて木っ端微塵になってるじゃん あれはドラえもんだったのに (南雲英水)

 DVの被害者に……。

ドラえもんいつも動きがスムーズだ 舶来物のオイルが効いてる (PDP)

 未来のロボットなのに「舶来物」とは……。

ドラえもん衣紋かけにはならないで なで肩の僕かける服ない(PDP)

 駄洒落だもん。

ベルリンのベランダに立つドラえもん ベートーベンには別に似てない (新井蜜)

 「ベ」で韻を踏んでくれました。「ド」で踏めばいいのに……。

できるだけ覚悟してます さあどうぞ痛くしないで話が違う (笹本ふう)

 最後のところが狂気じみてる(そこがいいが、ただの偶然かも……)。

恋愛の存在しない国へ行く ドラえもん、もうついて来ないで (麦ちよこ)

 ドラえもんとは色恋でつながってたの?

ドラえもんなんて必要ないくらい私の未来は幸せってこと (三玉小春)

 ポジティブ・シンキング!

いつだって「どこでもいい」と言う君じゃ どこでもドアは使えないよね (三玉小春)

 おっしゃるとおりです。

ドラえもん ポケットごそごそしてるとき なんだか気持ちがよさそうだなぁ (内藤青)

 ばれたか……。

しずかちゃん 入浴シーンもいいけれど できればスクール水着のほうが (内藤青)

 欲望に正直ですね。

のび太くん 乱暴にまさぐらないで そこは四次元ポケットじゃない (貴志えり)

 なんだか気持ちがよさそうだなぁ。

「久しぶり なんだか白くなったよね」 ドラえもんでも言われるのかな(藤原晶)

 言われない。

捕まえて毛皮はぎ取れ ポケットが肝心だから破ってはだめ (新井蜜)

 DV以上の目に……。

やさしさの意味を問わずに ドラえもん むやみにやさしくしたいよ 僕も (宇都宮敦)

 ……改作してくれましたが、まえより色気がなくなりました。でも曖昧にすればいいとも思わない。再考を。

「ここじゃないどこかへ」なんて告げ方じゃどこでもドアでもどこにも行けない (宇都宮敦)

 やや繰り返しがしつこくて理屈に傾き、色気がなくなっています。三玉小春さんの歌と発想が似てる。

ドラえもん 話を聞いてそばにいて ひみつ道具は出さなくていい(麦ちよこ)

 ポッケをまさぐって、うっとりしないで!

寝転んでタケコプターを待っている 北海の風強いこの日も (新井蜜)

 「この日も」がやや不自然かなあ。でも風景が目に浮かぶ。

夢のなか君のくちびるやわらかい のび太みたいにぎこちない俺 (新井蜜)

 後半がよいです。前半はさらに改善の余地あり。

ドラえもんでもそうでなくてもいいの 話を聞いてくれるネコなら (麦ちよこ)

 謙虚なようで、ひどい人……。

「タケコプターは力学的にありえない」野暮な男と朝焼けを見る (沼尻つた子)

 あー。夕焼けだったら、とりかえしがついたのに……。

ドラえもんみたく愛してくれるのはいつかどこかに行っちゃうからね? (平賀谷友里)

 う……。

地下鉄の神保町の階段を転げ落ちてるドラえもんを見た (山口緑)

 わたし叫びもせず助けも、しなかった……。ただ怖くて……逃げました……。

正直なところどうなのドラえもん 浦安に住むあの野ネズミは (沼尻つた子)

 しらふじゃ言えねーな……。

ヴァン・ゴッホが自分の耳を切ったのはドラえもんになりたかったから (新井蜜)

 リズムは強引ながら、新説です!

 以上。また来週。

2005 05 20 04:50 午前 | 固定リンク | トラックバック

2005.05.11

< 「ドラえもん」評その1 >

※この記事は事故で一度消失したものを、復元したものです。ご協力くださった皆さんに心より感謝します。(枡野浩一)

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 ねぇ、投票してくださ〜い。ねぇ、投票してくださいよ〜。ねぇ、もう……ねぇ、いいじゃないよ〜、減るもんじゃなし。枡野浩一、とても悲しい……悲しいデス。ねぇ、投票してくださいよ〜。もう、 誠意見せてくださいよ〜。復刊リクエストに投票すると、いいよ〜、モテるよ〜、モテちゃうよ〜、モテモテだよ〜。(以上、宮崎吐夢の声で)

イラスト=中野玉子

 気をとりなおして、「受信 2005年5月12日 午前 01時34分」までの作品を拝読しました。
 諸般の事情で篠田算の作品は無視しました。近々「篠田算プチ特集」でもします。
 イラスト、また中野玉子さんのものを選びました。写真やイラストの投稿も、お待ちしています(著作権の扱いは短歌投稿に準じます)。

ドラえもん35巻に書いてある「おれがこんなに愛してるのに」 (遠藤しな)

 ほんとに書いてあるの?
 キザな愛の告白も、出典がドラえもんだと、とたんに可愛げが出てきます。

思ってることが勝手にあの人に伝わる道具は作らないでね  (伊勢谷小枝子)

 そう言われても、道具は、ぼくが作ってるんじゃないし……。

ドラちゃんの「えもん」を「エモン」と書くような人とは結婚したくないです (沼尻つた子)

 ホリエモンの「エモン」を「えもん」と書くような人もいやです。

どら焼きが好きなはずだよドラえもん オープンカフェでまったりしないで (PDP)

 最近は和風オープンカフェもあるんだ……。 

ベランダに通ってきてる猫の名をドレミにしたの どうドラえもん (秋野道子)

 どうって言われても……。

タイムふろしきで包むと僕たちの手はしっかりとつながっていた (宇都宮敦)

 もっと長時間包んでみたら、今度は離ればなれに……。

青空の入道雲はそれはもう配色としてドラえもんです (辻一郎)

 赤が足りないよ。

今よりも場所をとるからちょっと無理 引き戸タイプのどこでもドアは (丹生谷歩美)

 それは「どこでも引き戸」と呼ばれるはず。

ドラえもんひみつ道具を名付けてる糸井重里じゃない誰かが (丹生谷歩美)

 岩永嘉弘かな。

やさしさの意味を問わずに ドラえもん むやみやたらにやさしくしたい (宇都宮敦)

 んー。だれが、だれに、やさしくしたいの? 「ドラえもん」は、どこにかかるの?

アクセルをちゃんと踏んでよドラえもん 見知らぬ男と海に行きます (PDP)

 眞鍋かをりさん、やけにならないで!

ドラえもん 記憶をなくす道具なら欲しいんだけど持ってないかな (高橋茂)

 「タイム、マシ〜ン!」

ポケットがついたおなかを隠すためTシャツばかり着ている私 (遠藤しな)

 もしや、あなた……カンガルー?

あんなこと できたらいいな できなくても いつまでもそばにいてねドラえもん (天国ななお)

 心にもないことを言ってる感じです。

ラーメンにニンニク入れてドラえもん どこでもドアがプンプンするまで (PDP)

 なんのために……?

停電でなにか明かりが必要だ スモールライトならここにある (志井一)

 冷静に言われても……。

ジャイ子との子供に生きる権利ってなかったのかい? ねぇドラえもん (あづまをんな)

 熱く言われても……。

「このドアがあればいつでもどこへでもいける」ときょうも家から出ない (仁尾智)

 未来は全員がひきこもり。

ドラえもん どざえもんとは 大違い 浮かんでないし 耳もないもん (もづく)

 「もん」で韻を踏んでくれました。

ドラえもん残してのび太は天国へ どこでもドアでも行けないところへ (天国ななお)

 だれでもいつかは行けるところへ。

いちどだけ夏の花火を真上から見たい私にタケコプターを (松陽)

 いちどでいいの? 「夏の」はなくてもいい。

いつまでも”ポッケ”と言ってしまうのはドラえもんから教わったから (藤原晶)

 おとなになれよ。

ドラえもん 耳がなくても大丈夫 猫ひろしよりずっと猫だよ (穴井苑子)

「ドラえもんは猫らしくない」という凡庸なつっこみより、皮肉がきいたフォローです。

ドラえもん無しでここまで生きてきた自分をもっと褒めてあげたい (志井一)

 よくがんばったね……。

 以上、ドラえもん短歌でした。
 以下はお題以外。コメントするほどは面白くないけど気になったので挙げておきます。

暖かくなったことだし歩きだす 徒歩5分って結構遠い (穴井苑子)

狂うなよ! 見送りに来て振り返る君 むらさきのつつじ咲く朝 (新井蜜)

鳴いている猫を拾った いや違う 鳴いてる猫に拾われてきた (ゆーきあやか)

 では、また来週。

2005 05 11 01:50 午後 | 固定リンク | トラックバック

< 悲しいニュース >

いつものように更新の準備をしていたら、
衝撃のメールが……。
私は今、プライベートの悲しいことがひとつ、
慢性化しつつあるので、
それ以外のことで悲しいことがあると、
もう仕事をするどころではなくなってしまいます。

枡野浩一公式サイトにもあるように私は、
『てのりくじら』『ドレミふぁんくしょんドロップ』という、
2冊の短歌絵本を出して歌人デビューしました。
初版8000部ずつ印刷され、
発売直後に2冊とも増刷されました。
自費出版が常識とされる詩歌の本としては異例中の異例です。
少なく見積もっても百を超えるメディアで紹介され、
ロングセラーになりました。
浜崎あゆみさんや中田有紀さんが、
好きな本として挙げてくださったこともあります。
イラストを手がけたオカザキマリさんは漫画家のおかざき真里さん。
今でこそ人気漫画家ですが、
初版当時は知る人ぞ知る……という存在でした。
のちに2冊を1冊にまとめてスナップ写真と組み合わせた
文庫本『ハッピーロンリーウォーリーソング』を出しましたが、
そのあとにも『てのりくじら』は増刷がかかっていました。

3冊目の『ますの。』は(超特大の)文字だけの短歌集ですが、
思いのほか岡井隆、荻原裕幸といった「歌壇」の歌人に支持されたり、
祖父江慎の手による斬新な装幀がいろんな雑誌で取り上げられたり、
あとがきの文章が「枡野浩一の作品の中で一番好き」と言われたり、
コピーライターの一倉宏さんに熱いエールをいただいたり、
ある意味とても好評だったのですが、
作者の意図に反して「玄人受け」になってしまい、
初版8000部のまま、増刷はかかっていませんでした。
こちらも
『57577 Go city, go city, city!』
という別の文庫本に生まれ変わっていますが、
ほんとに別の本と言ったほうがいいような変身ぶりです。

さっき、
この3冊の本を出している実業之日本社から届いたメールには、
『ドレミふぁんくしょんドロップ』と『ますの。』を絶版にする、
というニュースが書かれていました。
現在すでに版元の倉庫には在庫がなく、
書店に並んでいるものがなくなったら品切ということで、
もう増刷しない、というのです。
『てのりくじら』は売れているので絶版にはしない、とのこと。
ちょっと待ってください!
『てのりくじら』と『ドレミふぁんくしょんドロップ』は
2冊でひとつの作品なんです。

すでに文庫化はされているとはいえ、
私の歌人としての誇りを支えているものは、
詩歌の専門家のあいだでの評価というよりは、
一般書店で短歌作品集が売れ続けている、
という事実でした。
(詩歌の専門家で評価してくださった人は何人もいて、
それはそれで有り難かったし嬉しかったですが……)
私の目はいつも、
通りすがりの「読者」のほうを向いていました。
この『かんたん短歌blog』の姿勢も、
まったく同じです。

売れない本が絶版になるのは宿命とはいえ、
何か今、自分にできることはないんだろうかと、
途方に暮れています。
何かいいアイデアがあったら、
ぜひトラックバックしてやってください。
(短歌の合間にでOKです)
とりあえず、
復刊リクエスト
に1票、
どうぞよろしくお願いします。

講評の更新は、あと1〜2日待ってください。すみません。
なお、
公式サイトの日記『こんなにもふざけたきょうがある以上』は、
日記の中でも予告していたとおり、しばらくおやすみします。
日記という形式では書けないものを、集中して書いてみます。
『かんたん短歌blog』はこれまでどおり続きます。
枡野先生のblogはココログでしか読めません!
どうぞよろしくお願いします。

2005 05 11 04:07 午前 | 固定リンク

2005.05.03

< 『爆笑問題のススメ』放映! >

『爆笑問題のススメ』を見て、
ここに来てくださった皆さん、はじめまして。
この『かんたん短歌blog』も常連さんが増えてしまったため、
最初はちょっと、とっつきにくい印象があるかもしれません。
よろしかったら本屋で、
『かなしーおもちゃ』(インフォバーン)を
手にとってみてください。
『かんたん短歌blog』のことがよくわかるし、
きっと短歌をつくりたくなるでしょう。

なお『爆笑問題のススメ』は、
地域によって放映日がちがいます、新聞などでご確認ください。
関東地方の放映時刻、映画特番のためズレるそうです。
5/6(金)26:58〜27:28……日本テレビ
  
http://www.stv.ne.jp/tv/susume/
↑公式サイトでサイン本のプレゼントもあり。

『かんたん短歌blog』は火曜日深夜を目安に更新。
月4回、講評しています。
ただし5月は、火曜日が5回あるため、第1週はお休み。
第2週の火曜日深夜に更新します。

このあいだ眞鍋かをりさんのラジオに出たとき、
眞鍋さんやTake2のおふたりが
「ドラえもん短歌」を詠んでくれました。
番組の中で発表した作品に(私がダメ出しして)、
少し手を加えてもらったのが下の直筆作品です。
けっこう面白いでしょ?
皆さんも負けずに、面白い歌を投稿してくださいね。
(トラックバックは、ひとつ前の記事にお願いします)



なお、ドラえもん短歌は、
昨年9月に募集したときの優秀作品
も参考にしてくださいね。
(ドラえもんブックカバーは昨年のみの賞品になります、
あしからずご勘弁を……)

2005 05 03 04:08 午前 | 固定リンク

2005.05.01

< 「嘘」評その4/次のお題発表 >

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 言い遅れましたが、「ただいま!」。いい旅でした。
 日付が変わって5月になってしまったけれど、4月最後のコメントです。
 「受信 2005年5月 1日 午前 01時35分」までの作品を拝読しました。

 今回、イラストや写真は、なしです。
 中野玉子さんの絵はなかなか面白かったけど、そのキャラはどうしてもコスタビを連想します。もうひと工夫を!
 5月はイラスト・写真の募集はお休みにしてもいいのだけれど、テーマに関係なく、なんか面白い画像があったら投稿してみてください。どうぞよろしく。

 今回は「○……嘘短歌」も「●……ドラえもん短歌」も、混ぜこぜのままです。
 1文字あきは私の判断で増やしたり減らしたりしてあります。

○神様も信じられないこの国で 俺を信じてほしいだなんて (遠藤しな)

 神様を信じてる国に行くと、日本て変な国だなあと思うね。

○目に映る全てのものがキラキラだ? そんなのは嘘もしくはビョーキ (井上なな)

 この国はビョーキになりたい人でいっぱい。

●ロボットのドラえもんには血液がない あんなにも生きているのに (篠田算)

 「あんなにも」を「こんなにも」にすると、今だきしめてる感じになる。
 ほかの血液型短歌はボツ!

●セワシくんくらい気のきく孫の孫 俺にもいれば良かったのにな (篠田算)

 セワシくんというマイナーキャラに光を当てたところに心ひかれ選びました。それだけー。
 篠田算さんは短歌やめるならイラスト投稿してください。←丁寧語だけど、これは命令!

○接客のプロは営業スマイルも嘘偽りのない笑顔です (あみー)

 自分まで騙してるから。

●スネ夫なら旅に出ました 「お金持ち」以外のアイデンティティーを探しに (古内よう子)

 でも旅先で泊まるのは一流ホテル。

○嘘つきと言われた とても腹が立つ まるで嘘つきじゃないみたいに (新井蜜)

 図星でも図星でなくても腹が立つ言葉「嘘つき」。

○キスという言葉を詠むのは照れくさい ブリに変えますファーストブリとか (沼尻つた子)

 うんちを連想します。

○うそつきでなにがわるいの? もんくある? そうよわたしは大ぼらふきよ (ゆり)

 もんくなしに、うそつきです!

○夢なのにとてもリアルであたたかい 嘘でいいのでずっと続け (ゆり)

 「続いて」ではなく「続け」。字足らずにしてまで命令系にしてしまうわがままさに愕然。

○毎日じゃないけど靴ひも直すときなんかにふっと元気かなって  (遠藤しな)

 そして靴ひもがほどけるたび、ふっと死にたいなって。

○この次はもう笑えない冗談を今は本気で笑っています (遠藤しな)

 今だけは。でもその今だけが。

○お姫様だっこをされて将来の介護のことを考えている (沼尻つた子)

 介護時代の新しい短歌の可能性を感じます。

○濃縮し水で薄めて100%と言い切るようなあの人の嘘  (沼尻つた子)

 100%を「ひゃくぱー」と読ませなくても五七五七七にする方法はあるから再検討を。

○やさしさは嘘でできてる 正直な人が好きならつめたくします (英田柚有子)

 バファリンの半分は嘘でできてる。

○おさなごが嘘をつくのは成長のあかしです。けどちとムカつくぜ! (茅山ヨシタカ)

 「ちと」は嘘でしょ、「超」でしょう。

○さいごまで缶を振るほう? 見逃すほう? 嘘いりコーンポタージュスープ (古川亜希)

 見逃すほう。

○嘘つきと罵るかわりに餅つきと叫ぼう 私はやらないけどさ (沼尻つた子)

 「私はやらないけどさ」は秀逸なフレーズ。  

●武道館ファイナルをむかえジャイアンが不遇時代をついに語った (緒川景子)

 ジャイアン、っていう名前のバンドなら実在しそう。
 あらすじっぽいので同じ題材で再投稿を。

●暗記パン食べきれないで涙のむ 入試前夜が白々明ける (中野玉子)

 これは設定はわかるけど、それだけ。「涙のむ」なんて雑すぎる言葉。再投稿を。

○その夢が叶うんだったらはじめてのアコムをしてもいいと思った (古内よう子)

 思うだけで、やめときな。

○偽りの愛でもあればいいじゃない 嘘も方便っていうじゃんか (藤原晶)

 前半だけ、よい。後半は単なる補足説明になってる。

○完全に嘘が球体だったなら私もそれに気づかなくてすむ (藤原晶)

 ちょっと欠けてるから気づいちゃう。後半は改善の余地あり。五七五七七にして。

●のび太くん古田のことは気にせずに自分の道をあなたのキャラで (山口緑)

 トラックバック数も気にしちゃだめ!

○言われたの自分に嘘をつくなってアドバイザーとカウンセラーに (山口緑)

 スピリチュアルなあの人に言われたの。

○あまりにもあたたかいので全部嘘だと言われたら信じそうです (月原真幸)

 全部嘘。

●耳のあるドラえもんでもかまわない アタシのもとへ来てくれるのなら  (勝浦鰹)

 贅沢言わない。なんでも出てくるポケットさえあればいい。あとで耳切ればいいし。

●横にいる老人がただの猫のことドラえもんって言ってた いいね (緒川景子)

 この気持ちをもっと「あらすじ」でなく伝えて。

○私には歴史がないので読み切りの漫画みたいに接してほしい (古内よう子)

 「フィールヤング」とかの?

○親からは嘘のつき方教わった 他の何より役に立ってる (あづまをんな)

 こんど僕にもおしえて。

●君とした「ひみつ道具でどれが好き?」みたいな話ばかり思い出す (仁尾智)

 で、「もしもボックス!」って答えたら絶交されたんだっけ……。

●ドラえもんよりも好きだといっただけ なんでそんなにうれしそうなの (緒川景子)

 ドラえもんが世界一嫌いな男なのに……。

 以上です。
 『かなしーおもちゃ』の木村比呂さんの特集ページに書いた私のコメントに関して質問してる人がいたけど、もしもあなたが木村比呂さんのような立場になったとしたら、そのときあなたにわかるように説明します。あのコメントはもちろん木村比呂さん以外の人にも読ませたくて書いてるわけだけど、意味がわからないのはあなたが今それの意味がわからない場所にいるからで、私はひとつの言葉がすべての人に同時に理解されるべきだなんていう、おめでたいことを言った覚えは一度もありません。だけど、あなたがそういう質問をしたくなる気持ちはわかるので、正岡豊さんと枡野浩一が今度やるトークイベントあたりで話題にするかもしれません。事情がゆるすなら来てみてください。イベントの詳細はここです。
 では、また来週。
 5月は、また本格的に、ドラえもん短歌を募集します。投稿のきまりは、昨年9月のバックナンバーを参考にしてください。

2005 05 01 03:08 午前 | 固定リンク | トラックバック