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2005.08.07

< 『ドラえもん短歌』表記について >

9月3日発売の『ドラえもん短歌』(小学館)、
いよいよ最後の仕上げをしています。

この本は歌人の篠田算と本人関係にある谷田浩さんが、
ブックデザインを担当してくれました。

彼の本職は服飾デザイナー。本のデザインは初めてなので、
私の歌人デビュー作『てのりくじら』
『ドレミふぁんくしょんドロップ』(共に実業之日本社)の
デザインを手がけたベテラン、
義江邦夫さんにも協力していただいています。

今回、
短歌のレイアウトに大胆な方針を採用してみました。
詳しくはまだ説明できないのですが、
あるデザイン上の要請があり、

ドラえもん
きみの耐用
年数は
だいたい何年
くらいなのかな?
(篠田算)

というふうに、
五七五七七の切れ目ごとに改行しているのです。
これは普通「素人くさい」と嫌われるやり方なんですが、
まあ、
仕上がった本を一目見れば、
納得してもらえると思います。

で、さっきの歌はもともと、

「ドラえもん、きみの耐用年数はだいたい何年くらいなのかな?」 (篠田算)

という表記で投稿されたものでしたが、
単行本としてまとめる段階で、
カギカッコや読点が邪魔になったので、
作者本人の判断もあり取ってしまうことにしました。

今回、
ドラえもんに呼びかけるスタイルの歌が
けっこうたくさんあったのですけれども、
すみませんが、こちらの判断で、
〈ドラえもん、〉
というふうに呼びかけている歌の読点〈、〉は、
すべて割愛させていただきました。
読点がある歌とない歌が混じると、
そこに「意味」が出すぎてしまうので……。

記号などは本来、作者が自由にきめるべきものですが、
今回は『ドラえもん短歌』という本の性質上、
こういった措置をとりました。
商業的に流通する文章にはすべて「編集部の判断」というものが
つきまとう、ということをご理解ください。

巻末に、
投稿時あるいは入選作発表時の表記の歌も
小さな文字で掲載します。

(正式採用された93首以外の入選作も、
『かなしーおもちゃ』同様、
小さな文字で掲載してあります)

すべての作者にひとりひとり確認をとることが
できなかったため、
この場でのご報告になりました。
ご勘弁を。

なお、
完成した『ドラえもん短歌』(小学館)を
正式採用された93首の作者にお送りしたいのですが、
住所などをご一報いただけていない方が
まだけっこういます。
こちらをご覧の上、速やかにご一報ください。
お待ちしています。

2005 08 07 09:16 午前 | 固定リンク