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2006.03.16

< 【日記帳から】続々「ただいま」 >

某月某日

「ただいま」
「おかえり」
「朝帰りしてごめん」
「ううん。Hくんの誕生日だものね」
「プレゼント、元妻んちの玄関前に置いといた。
宅配便で送っても受け取り拒否されちゃうし。
まあ、捨てられちゃうかもしれないけど……」
「そんなことまでは……しないんじゃない?」
「だといいけど……」
「そのあと電車ないから新宿で飲んでた。
六歳になった息子のために、
初対面の歌手のひとが、
ハッピーパースデーを歌ってくれたよ。
店長さんのピアノで」
「よかったね!」
「始発で帰ってきて、
そこのコンビニで『ダカーポ』見たら、
ほら、豊崎由美さんが!
『あるきかたがただしくない』の書評を
書いてくれていたよ」
「……ほんとだ。ちょっと読ませて」
「うん」

架空の妻が書評を読んでいる。

「……いい書評ねえ」
「河井克夫の解説漫画をとっかかりに、
枡野浩一の実物を知っている、
という立場から評してあって、
その姿勢が『正直』を体現してるんだよね」
「こんなふうに支持してくれる人がいるんだから、
もう、
くだらない人たちを相手にしちゃだめ!」
「ごめん」
「わたしに約束してくれる?」
「……その約束より、
一生浮気しないという約束のほうが
守れる気がする」
「正直ね……」
「ごめん」
「馬鹿よ……」
「ごめん」

架空の妻を泣かせてしまった。

「しくしく」
「しくしく」


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2006 03 16 02:33 午前 | 固定リンク