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2006.04.21

< 【日記帳から】 村上春樹とヤスケンその後 >

某月某日

「週刊文春」4月13日号の小林信彦のエッセイと、
小林信彦のエッセイで批判的に言及されている、
「一冊の本」4月号の
寺島靖国(ジャズ評論家)のエッセイ。

読みくらべて、
後者に、
圧倒的好感を持った。
素敵な文だなあ、これ。
〈そういう時、たまたま手許に村上さんの原稿があった。こんなもの売り払ってしまえ、そう思っても少しも不思議ではありません。/売れば迷惑がかかるからシュレッダーにでもかければいいじゃないか、という人がいるかもしれませんが、こういう場合は「売っ払う」が人間の感情のあらわし方として正しいと私は思います。〉
〈確執の果てにこうした「事件」が起こった。その確執ぶりをはっきりと村上さんは文春で文章にしました。村上さんは立派だと思います。そうしなければ、安原さんは単なる「盗人」編集者になってしまうではありませんか。〉
……部分だけを取り出すと過激ですが、
全体を読むと火傷しそうな説得力です。

いやいやしかし、
こうしていろんな反響を追っていくと、
村上春樹の「文藝春秋」エッセイは、
やはり書かれてよかった文章だ、
と思えてくる。
「沈黙」したままだったら、
つまんなかった。

今回の件で引き合いに出されていた
短編「沈黙」
も再読し、
いろいろ考えさせられた。
「象の消滅」 短篇選集 1980-1991


思っていたより
人間味の見え隠れする村上春樹。
ちょっとだけ好きになりそう……。

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2006 04 21 03:59 午前 | 固定リンク