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2006.06.30

< 「お別れ」です。 >

イラスト=後藤グミ
お別れの絵2

どう切り出したらいいのか、わからなくて、
更新がこんなに遅れてしまい、すみません。
予告しましたとおり、
きょうは大切なお知らせがあります。

「枡野浩一のかんたん短歌blog」は
一昨年の四月にスタートしました。

そのころココログもスタートしたばかりで、
「ココセレブ」も数名でしたが、
「かんたん短歌blog」はそのときから現在まで、
月々の原稿料をココログ編集部からいただく
「連載仕事」として続けてきました。

その原稿料に見合った立派な更新を私が
常にできていたかどうかは
評価が分かれるところでしょうけれども、
原稿料をいただいている仕事なのだ、
ということは、
強く意識して続けてきたつもりです。

先日、
ココログ編集部のかたから、
「ココログの運営形態が変わるため、
七月からは原稿料が発生しなくなってしまう」
という、
残念なお話を伺いました。

ここのアカウントが消滅するわけではなく、
更新を続けることは可能ではあるそうですが、
「かんたん短歌blog」はあくまでも
「仕事」として始めたものだったので、
運営形態が変わる以上、
今までと同じかたちで更新を続けることは、
したくないと私は考えました。

最初から無償ということであれば、
それに合った良い方法を考えられると思うので、
またいずれブログ活動を再スタートすることも
ないとは言い切れないのですけれども、
この「かんたん短歌blog」は今月を持って、
いったん終了とさせてください。

(「かんたん短歌blog」みたいには
ならないでしょうけれど)
別のかたちで短歌を募集するチャンスは、
近々訪れると思います。
というか、訪れます。
まだ詳細は秘密ですが、
今年の八月半ばくらいから
新たな「仕事」がスタートする予定ですので、
お待ちくださいね。

「カタロガー」という雑誌では、
携帯短歌も募集していますし、
最近では短歌を募集するサイトは
「かんたん短歌blog」以外にもいくつかあります。
ぜひ自分がよいと思う投稿場所を見つけ、
果敢に挑戦していってください。

皆さん、
選者がどんな短歌をつくる歌人かくらい、
知った上で投稿してくださいね。
「自作を選んでくれた人」がいい歌人、
とは限らないと思います。
その意味で、
選者として番組に出演していた歌人たちの
かの字も出していないNHKのこの本、
土曜の夜はケータイ短歌
「選」という仕事を軽んじた、
あまりにも酷い編集方針だと呆れました。
私はもう二度とあの番組には出ません。
さよなら!

笹公人さんのブログは、
私自身も常に拝読して、
勉強させていただいています。
笹さんは自分とは作風も短歌観もちがうけれど、
今最も「現役」で走っている歌人だと思うし、
そのブログ更新の大変さを、
世界で一番共有しているのは私だと思う。
皆さん、
「当たり前のサービス」なんて思わず、
感謝と魂をこめて投稿してくださいね。

ともあれ、
おかげさまで二年ちょっとのあいだに、
かなしーおもちゃ』(インフォバーン)と
ドラえもん短歌』(小学館)、
二冊の作品集をまとめることができました。
正直、売れ行きはまだまだ成功とは言えず、
そのことが「かんたん短歌blog」の
現在を決定したという側面もなきにしもあらず、
なのですけれど、
数字には反映されない部分で、
凄い仕事ができて楽しかったです。

あ、
こんな本(彼らの自主制作)も作られていた……。
枡野浩一からの愛をこめた「文句」も載っているので、
手にとってみて。

現在更新中のケータイ小説「短歌なふたり」は、
「かんたん短歌blog」の短歌をできるだけ多く収録する
三冊目の「作品集」として結実すればいいな、
と考えながら執筆しています。
先日、
「かんたん短歌blog」の過去ログを
全部読み返してみました。
水準、なかなかのものです。
よく「かんたん短歌」と「ふつうの短歌」が
別物であるかのような言い方をされてしまうのですが、
私は短歌には「いい歌」と「どうでもいい歌」、
その二種類しかないと思っています。
そして
「すべての人にとって、いい歌」なんて、
ない。
「すべての人にとって、どうでもいい歌」は、
どうだろう……。
あなたの考える「いい歌」を、
これからも追求していってください。

ここに集ってくださった皆々様、
こんな素敵な場を提供してくださった
ココログ関係者の皆様、
そして枡野浩一関係者の皆様、
ありがとうございました。
今後とも枡野浩一を、
どうぞよろしくお願いします。

「かんたん短歌blog」のログは残しておきます。
どうしても何かをトラックバックしたい人は、
トラックバックしてくださってOKです。
(一応、今後も、
「短歌投稿のお約束」
「トラックバックのお約束」を熟読し、
納得した上で関わっていただけると嬉しいです)

どうしてもコメントしたくなるような
見逃せないトラックバックがあったら、
あなたのブログに直接お邪魔することも
あると思います。

そのときは、
おつきあいください。

イラスト=中野玉子
お別れの絵1

かぐや姫やっぱ帰ってしまうのね 蕎麦汁のなか黄味をつっつく (宇津つよし)

 白味だけ食べて、月に帰ります。

いま僕を初めて見たのだとしても別れのあとと見抜けるだろう (伊藤隆浩)

 そこまで演じなくても……。

さよならは呪文ではない 言ったあと平気で会いに行ったっていい (伊藤隆浩)

 平気で会いに来た人を、追い返したっていい。

もし君がふたりいたなら片方にいなくならないでと言えたのに (伊藤隆浩)

 両方に言えばいいのに。

終わりには悲しくなるとわかってて ただそれだけを待ってたのかも (伊藤隆浩)

 おまちどおさま!

コピー機の説明書読む要領で毎日チビチビさよならしてる (ラブタイタイ)

 少しずつ徐々に。

片隅にもう役割のない記憶 たとえばきみの家に行く道 (丸山太一)

 自分の家に帰る道を忘れてしまっても。

「じゃあな」とか「また今度」とか言えないよ 君から言って「ああ」って言うから (愛沢いさむ)

 じゃあな。また今度。

さよならは一回だけど繰り返し夢に現れ去って行くきみ (新井蜜)

 さよなら! もっとさよなら!

「またあした」夕日に唱えるおまじないきっと遊ぼうまた寝てあした (新井蜜)

 待ち遠しくて眠れない。

結婚はしたくないけど離婚だけしたい女性は五人ほどいる (二坂英之)

 あなたとの離婚を希望してる女性は七人ほどいる。

さようならさよならさよなら飽きるまでさよならさよなら君へさよなら (しょうがきえりこ)

 噛めば噛むほど味が出て飽きない。

今回も途中の駅で降りるので終点行きの人、さようなら (伊勢谷小枝子)

 お気をつけて。

さようなら らが震えたりしないよう風邪の薬を飲んできました (秋野道子)

 さが震えてしまった。

きみがただ罪悪感を軽くするために謝られているのかな (貴志えり)

 私なら「ただきみの罪悪感……」にします。日本語として自然な。

じゃあまたね バイバイをした5秒後にすぐにあたしに逢いたくなあれ (板倉知子)

 無ぅ理。

いつかまたどこかで会おう 気まぐれな女の心変わりみたいに (根岸絹)

 誠実な男の心変わりみたいに。

超合金タケシと名乗る さよならに耐えれるくらい頑丈だから (あみー)

 ら抜きの「耐えれる」に耐えられるくらい頑丈だから。

主題歌のない恋だからさよならのシーンがすごく静かに過ぎる (カー・イーブン)

 リフレインもなし。

そういえば別れたんだと思うほど私の朝は寝惚けていない (遠藤しな)

 血圧も高め。

さぁどうぞ 声をかけるならかけて 今なら私かわいそうでしょ (遠藤しな)

 威張らなくても……。

この歌を 別れた後も 持って行く いいでしょカラスの勝手でしょ (みつけあや)

 君がカラスなら。

改めてよく考えてみたけれどこの人生に君は要らない (にしまき)

 僕も同感。

お別れを言い出しそうなくちびるをふさいで逃げてきてそれっきり (伊勢谷小枝子)

 告白を言い出そうとしてたのに。

それからも空の光が必要で海は遠くで今も鳴ってる (本原隆)

 目の前が海なのに、遠くで……。

深呼吸する要領で別れちまった奇数偶数偶数奇数 (二坂英之)

 そして過呼吸に。

別れでしょ別れじゃないでしょ別れでしょ 半年前に亡くしたものは (山下利絵子)

 でしょ。

「別れて」といえばうなずく恋人と もう10年も暮らしています (栗原あずさ)

 子供も三人目です。

置き去りにされたハブラシ 出掛けてるあいだに枯れてしまえばいいのに (丸山太一)☆

 お気にいりマーク(☆)つけました。
 プラスチックはなかなか枯れない。

さよならを言われるために朝起きて服も着替えてここに来ている (志井一)

 パンツも新品です。

きみに背を向けてとにかく歩き出す こちらが前でありますように (宮田ふゆこ)

 前があちこちにありますように。

何だってきみは別れたいんだろう ひいふうみいよ いつの頃から (丸山太一)

 秘密。

ゆで卵つるんとむいて塩をふり食べようとして落としてしまった (新井蜜)

 洗って食べて。

祖父のしわ レコードの溝は記憶する 針を当ててももう血はでない (西村牧伸)

 音はきれい。

なんとなく会わなくなっただけだからまだ別れてはいないと思う (みうらしんじ)

 出会ってもないと思う。

あまりにも小分けにされたさよならでなかなか気づけなくて ごめんね (星川郁乃)

 味もよくわからない小ささ。

連作「雨音」 (平賀谷友里)

 あとでブログに直接コメントします。けっこうあとになると思います。お待ちを。

A.D.を歩き続ける私たち 出会えたことはなくなりません (百田きりん)

 出会って、そして、別れたのです。

うかんではしずみのあげく分離するドレッシングのように わたしたち (沼尻つた子)

 でも美味しかった。

陽は君を影だけ伸ばしたまま沈み抱えた膝がしょっぱい夕暮れ (山中甚八)

 ゆでたまごが欲しくなりました。

僕達がまるで出会ったかのような言い方だよね さよならなんて (志井一)

 パンツは新品だけど。

さよならはヘンゼルが道においたパン そっと辿って また会いましょう (松陽)

 鳥たちに食べられても。

さようなら 好きな人たち 本名を忘れたころにお会いしましょう (栗原あずさ)

 忘れてまた思いだしましょう。

「もう二度と会うことはない!」と叫びつつクララは立って走って逃げた (広越まりも)

 でもガラスの靴を置いて。

お別れがあたしは悲しい あのひとは悲しくないって言うから悲しい (板倉知子)

 あの人は嬉しそう。

「さよなら」と声で伝えて証拠など残しはしない また会いましょう (松陽)

 録音したけど。

この恋はふたりで始めたんだから あなたひとりで終わらせないで (栗原あずさ)

 いつもいつもひとりで先に……。

言葉では通じ合えない人だった 両手を振ってお別れをした (松陽)

 両足も振ってみた。

結末をひっくりかえす番外編なんてないのをまた確かめた (穴井苑子)

 転校が取りやめにならないかと。

さよならと言った男はしにましたひとり残らず あたしの世から (柳久実)

 しんだのはあたしのほうだったのかも。

さよならを飴玉みたくころがすな 甘ったるくて虫歯がうずく (柳久実)

 プロポリスキャンディくらい苦いのがちょうどいい。

あなたから別れ話を聞くために長距離バスに揺られるわたし (香原よう)

 プラジャーは新品。

きみがくれたものを数えているうちに行ってよ きっと遠くへ行ける (宮田ふゆこ)

 まあだだよ。

予報では今日でサヨナラ はずれたとほっとしていたところに ぽつり (須賀みち子)

 サヨナラ。

 それじゃあ、また!

イラスト=後藤グミ
お別れの絵3





終わったとみんな言うけどおしまいがあるってことは素敵なことだ (枡野浩一)



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2006 06 30 05:10 午前 | 固定リンク | トラックバック

2006.06.05

< 【重要!】「かんたん短歌blog」入選作の作者の皆様へ。 >

大切なお知らせです!
ソニープラザの小冊子になったバレンタイン短歌集
のほとんど全部の歌と、
それから、
「かんたん短歌blog」に入選したバレンタイン短歌
のいくつかを、
小説「短歌なふたり」
の中にお借りしました。
作者名だけ挙げます。
「ソニープラザ小冊子」のほうは、
(メールできる人にはメールもしてみたんですが)
長瀬大、仲間大輔、かみやひろし、梅本直志、杉山理紀、is、
「かんたん短歌blog」のほうは、
沼尻つた子、宇津つよし、後藤グミ、緒川景子、平賀谷友里、英田柚有子、大木凛、麦ちよこ、一代歩、
以上の方々の歌です。

演出上、作者名は作中では出てきませんが、
連載終了後に「本当の作者」を明かします。

万一、
「こんな小説の中につかわないで!」
と思った人がいたら、
ii@masuno.de
まで至急ご一報ください。
ケータイサイトに発表になってしまったあとでも、
ご一報いただければ、
「短歌なふたり」が
本になるときその歌を外しますから、
ご勘弁くださいね……。

以後、
「かんたん短歌blog」の入選作は、
同じように作中に突然登場してしまうことがありますが、
同じように作者本人からの抗議を受けつけますので、
どうぞよろしくお願いします。

追記。
「短歌なふたり」を読むのは有料なんで心苦しいのですが、
本が出たらもちろん短歌の作者に一冊ずつ進呈しますので、
何卒ご勘弁ください。
ただし、
ご住所を枡野浩一にメールで教えてくださった方に限ります。
皆様の個人情報はそのつど破棄していますので、
お手数ですが、該当する投稿歌人の皆様は、
ii@masuno.deまでメールください。
改めて、どうぞよろしくお願いします。

追記の追記。
その後のご報告は、
枡野浩一公式ブログをご覧ください。
http://masuno.de/blog/2006/08/26/post-2.php

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2006 06 05 02:16 午前 | 固定リンク