« 2007年7月 | トップページ | 2007年10月 »

2007.08.31

< 夏の終わりの更新です。 >

20070831162045.jpg

ずいぶんとお待たせしてしまいました。
久々に更新します。

写真は、
九月四日発売のコミック版
『ショートソング』第一巻(集英社)。
本日、私の手元に届きました。
九月いっぱいで閉店する
吉祥寺の老舗喫茶ボアで撮影。


えー、
すべての投稿を拝読し、
心ひかれた歌を
ピックアップしました(投稿順)。
恣意的にコメントを付けますが、
コメントのある歌が必ずしも
気にいった歌とは限りません。

なお、「主婦短歌」は
雑誌「ルチェーレ!」編集部と
相談の上で雑誌掲載作を決定します。
次号掲載作はすでに決定しており、
入選した作者のかたには
編集部より連絡が行っているはず。
「主婦短歌」の応募資格は、
作者自身が主婦であること
です。
「主婦短歌まつり」もあります。
応募要項その他は、下記で発表される予定です。
http://women.benesse.ne.jp/lucere/index.html
どうぞよろしくお願いします。

幸せの天気予報は得意なの 他人同士の庭先だけなら (宇津つよし)

当分はこっちでゆったりしています 覚えていたら待っているから (脇川飛鳥)

そうですか じゃんけんでいつも負けるのね 不幸な星の下に生まれて (波下増つる)
↑100%負けるとしたら、
ある意味、最強ですね。

マンションで犬を飼ってはいけないと言う気も失せるサイズの犬だ (綾波百)

ふられたら途端に憎くなったんだ 愛してたはずなのになんでだ? (丹生谷歩美)
↑丹生谷さんの歌は、
採らなかったやつも、
ストレートさで勝負している。
しかしストレートすぎて、
読者の経験値によって支持されたり
支持されなかったり、
が激しくなりそうな感じ。
調理されてない生野菜というか。

歌うのは届けたいから 鼻歌を聞かれて困るふりをするけど  (小野伊都子)

どうとでもとれる言葉の切れ端をつなぐと「好き」にならなくもない (綾波百)

インディーズバンドにのめりこむようなそういう愛し方だな いつも (笹本奈緒)

もうほっといてください。ってお願いをランプの魔神にしてしまいそう (西原まこと)

ひっひっふうう泳いで来いよ踊ってくれよ俺の手のなか さんばのリズムで (伊藤真也)
↑今回、目にとまった新人のひとり、
伊藤真也さん。
ちょっと言葉に溺れがちな印象も。
でも、色々試みてみてください。

2回目の洗濯をする 洗濯機の脇に落ちてた靴下のため (振戸りく)

大丈夫 主婦のわたしに「好きな人はいますか」なんて誰もきかない (宮田ふゆこ)

何のため二足歩行をせなあかん 私は思う故にGあり (宇津つよし)

納豆を食べ終わったらどんぶりも茶碗も水につけておくべき (振戸りく)

「生んでくれとたのんだおぼえはない」なんてオリジナリティなさすぎるわね (宮田ふゆこ)

ふたりがもう目の合図することはない なすすべも夏どうしようも夏 (伊藤真也)

用件はこども両親配偶者そして私の順で処理する (振戸りく)

キミにゴミ ボクなら出させたりしない とか あぁ誰か 言ってこないの (空野花)

「ごめん無理」失意で冷えたほほを打つ はためくパーカー毎秒7回  (伊藤真也)

特別ねぇ、そんなに無いと思うけど余りの出ちゃう割り算のこと? (ゆき)

出張と言ってたあの日 ほんとうは痔で入院をしてたんでしょう? (兎野恭子)
↑なるほど。
そういう問いつめ方があったか!

まっすぐな道をください いつまでも後ろ姿は見えてるように (西原まこと)

ぬるま湯に沈めるアヒル「くるしいって」誰が、私が、今が、アヒルが。 (西原まこと)

真向かいでビール飲んでるきみに今このどきどきがうつればいいな (兎野恭子)

約束はうまくいってるときにだけ有効だっていま知りました (佳乃硝子)

思い出にトゲがあること忘れててつい手で触ってまた傷ついた (芳賀はがろう)

男には何もあげないルールなの私が勝手に決めたんだけど (ゆき)
↑後半のフレーズ、
付け句につかえそう。
ゆきさんは、
名字のある筆名を考えたら?
名字というのは「社会性」です。

花嫁のドレスのすそが引きずって忘れられない過去にも見える (ゆき)

母さんの自慢をするより母ちゃんの悪口を言う息子がいいの (穴井苑子)

ひねくれず前だけを見て進もうぜ 切符は裏返してもイケる (宇津つよし)

瞬きをおえたわたしにほんとうのことをつたえる新着メール (西原まこと)

目が合った会話やめんな俺変か? 裸にネクタイでもあるまいし (宇津つよし)

ピリオドを打つスピードと静けさで私はそっとこの手を放そう (ゆき)

夕暮れに長ネギの上が袋からちょこっとはみ出るそんなのが良い (小埜マコト)

別れても次の女が困るよう てまひまかかる男に仕上げる (ゆき)

終電を降りて歩いた 迎えには来ない男と電話しながら (宮田ふゆこ)

おとこだよ今日も泣かされちゃったけど パンツは四つ穴があいてる (宇津つよし)

パリパリに乾いたタオル左からとりこまれてく 吸殻10本 (宇津つよし)

いつまでも一緒にいるといわれたが男のほうが短命らしい (ゆき)

答えはNO そうやすやすとYESは無いもう一度言う答えはNOだ! (芳賀はがろう)
↑はい。充分わかりました……。

“エミネム”はねむりたがりやのエミのこと ライトノベルじゃよくある話 (岡本雅哉)
↑これも後半のフレーズ、
付け句に良さそう。

友達にしている人への手紙には夫の長所を並べています (振戸りく)

謝りたい 眠るあなたを起こしてでないとあやまれなかったことも (宮田ふゆこ)

真っ白なスーツの中を這っている アイスカフェオレとても残酷 (宇津つよし)

あの人のぶんまで生きると決めたのに 水を飲むのがほんとはきらい (笹本奈緒)
↑空気吸うのもほんとはきらい。

そろばんの塾に行ってた時みたく濃いえんぴつの答え出したい (笹本奈緒)

同期飲み幹事やります喜んで 世界の終わりがやって来るなら (宇津つよし)

今くさい集中するとにおわないわたしの腋か脇のおやじか (戸村凡)
↑戸村凡さんは、
一首ずつトラックバックしてくださいね。

肩掛けのかばんに髪がひっかかる ひとりで痛いおおむねひとりで (戸村凡)

髪切ろう 思いつくのは向かい側映った影が落ち武者だから (戸村凡)

携帯とシャッターの取っ手みたいの凝視して、たたずんでいる電話している (戸村凡)

正面のスカート揺れておってなる。興味ないのにおってなってた (戸村凡)

お隣の犬はうるさく鳴いていた ほんとは泣いていたならごめんね (板倉知子)

おまえおまえもおまえもおまえも風の味とか舐めてないだろ (Tomo)

夕飯のメニューはロシア料理でと勝手に決めて誰が作るの (振戸りく)

いきどまりなのをたしかめあっている(いちばん先といちばん奥で) (is)

金だらい降れ降れこの世にオチはない 世界の終わりがやって来るなら (宇津つよし)

あたたかいぬくもり忘れられないよ 祝儀袋に移してしまった (宇津つよし)

どうせならパパって呼べよレジの人 ひとりメシだよ箸が三膳 (宇津つよし)

手くらいつないでおいたほうがいい たった片手で足りる記憶だ (is)

かなしみのまちを歩けばすぐそこにじっと立ってるいつかのあたし (浜野 初)

みゅーたんとタートルズではみゅーたんが名前の割りに神経太い  (柴田有理)

私にもいい思い出があるような 吹奏楽部の上手くなる音 (柴田有理)

面の皮むいてもケビンスペイシーの顔であったら血は出なさそう (柴田有理)
↑柴田有理さん、お久しぶり。
連作はあとで拝読しますね。

出くわした入道雲にふたりして遠近感の狂ったドライブ (伊藤真也)
↑これは
描こうとしている風景がよい。
短歌としてはやや説明的というか、
完成してないと思う。

かぐや姫神楽坂では過積載 十二単は重労働だよ (宇津つよし)

換気扇掃除の次はお風呂場を わたしに暇を与えないよう (振戸りく)

懸命な人の気持ちを裏切って逃げた余韻が気体ではない  (柴田有理)

いま夏の証明としてひまわりに同化してゆくわたしの微熱 (西原まこと)
↑短歌雑誌に載っていそうな歌。
いい意味でも悪い意味でも。

およいでるこそげるものがそこらじゅう したいやりたいぐっすりねたい (宇津つよし)
↑宇津つよしさんの歌は、
私が選んだものが良い、
選んでないものが駄目、
という次元を超えているので、
好きに読み続けてください。
とても苦しいと思うけど。

メロン味立ったまんまでひと息にすすれば夏の残りは2秒  (伊藤真也)
↑歌詞にしたら良さそう。

こないだのデートのためのマニキュアは まだこんなにもキラキラなのに (板倉知子)

届くはずないから唄える 大声であなたにハッピーバースデーって (板倉知子)

緒川景子さんの連作はいまひとつでした。
取り上げたい歌がない感じ。
リラックスです。

以上です。
皆さんの夏は
どんなでしたか。

私はけっこう、
今年は夏があった。

ではでは。
引き続きトラックバック、
どうぞよろしくお願いします。

2007 08 31 11:45 午後 | 固定リンク | トラックバック

2007.08.21

< 主婦短歌まつりのお知らせ >

主婦短歌の連載をしている雑誌「ルチェーレ!」が、
月刊化されます。
新創刊、という感じです。
それを記念して、
短歌コンテスト「主婦短歌まつり」が行われます。

詳細は追って発表しますが、
「主婦短歌まつり」は
「かんたん短歌blog」からは投稿できません。

今まで投稿してくださった主婦短歌は、
雑誌のコーナーで紹介していく予定ですが、
コンテストの選考対象にはなりません。
あしからずご理解ください。

なので主婦短歌は
しばらく出し惜しみしたいという人は、
どうぞ。ストックしておいてください。

ほんとうにいい作品は、
たとえコンテストに入選しなくても、
いつか運よく主婦短歌作品集を出せることになったら、
無視したりしませんのでご安心ください。

「投稿短歌の作品集を商業出版で出す」というのを、
私はライフワークのひとつに決めています。
そういう作品集は売れないことが多いし、
労多くして感謝されることは少なく、
「枡野浩一はそれより自分の短歌集を出すべき」
などと言われがちなので、
ほかの歌人が
こういう仕事をあまりしないのは当然なのですが、
それでも出すことに決めたのです。
なので個人的には主婦短歌も将来、
どうにかしたいと思っています。が、
私一人の力ではどうにもならないことは多いです。
ぜひ皆様の力で、
主婦短歌を盛り上げていってくださいね。

更新が滞っておりすみません。
夏休みの宿題のように、
今月末にはいったん更新することを
お約束します。

2007 08 21 09:05 午後 | 固定リンク