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2008.03.30

< 歌人たちの最近 >

淋しいのはお前だけじゃな』、
集英社文庫になりました。
税込で400円。買って。

「いつも恋していたいですか?」
と佐藤真由美さんが問いかけています。
http://www.ewoman.co.jp/

加藤千恵さんの新刊、
放課後―写真短歌部
写真がいい、デザインがいい。
オールカラーで、手頃な値段がいい。
本として、とてもいい。
短歌も、いい。こうは詠めない。
ゼラチンを最小限にした果物ゼリーのよう。

アナウンサー小林麻央さんからのエールも……。
http://ameblo.jp/kobayashi-mao/entry-10077890052.html

よろしかったら加藤さん、
なにかPRになるものを
「かんたん短歌blog」に寄稿してください。

笹公人さんの新刊
抒情の奇妙な冒険 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)』も
いただきました。
そのボリューム、熱量に圧倒される。
これから少しずつ拝読します。

辰巳泰子集 (セレクション歌人 (19))』も、
ありがとうございます。
届いた直後、
日刊ゲンダイの読書日記で書名のみを紹介したあと、
人に貸したままになってしまっている。
再び入手して、改めて拝読しますね。

2008 03 30 07:47 午前 | 固定リンク | トラックバック

2008.03.22

< 晄晏隆幸さんの日記を読もう >

枡野浩一です。

ここ「かんたん短歌blog」は、
短歌づくりに限らず、
文章表現活動をするときの
参考になる記事を載せていこうと
思っています。

拙著に時々お名前が出てくる、
晄晏隆幸(てるやす・たかゆき)さん、
という書き手がいるのです。
伝説のミニコミ「よい子の歌謡曲」の
発行人であったこともある人です。

晄晏さんはミクシィで日記を書いていて、
その多くは私には難しすぎるのですけれども、
先日、
私にもとても面白い日記が公開されました。

「全体まで公開」という設定であり、
ミクシィをやっている人なら
だれでも読むことができます。

晄晏隆幸『テレポーテーション』
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=744912967&owner_id=163742&comment_count=4

文中、
〈ナガイキン〉
とあるのは
哲学者の永井均(ながい・ひとし)のことです。
拙著『君の鳥は歌を歌える』(角川文庫)で
その著作を紹介したことがあります。
子どものための哲学対話―人間は遊ぶために生きている!


ちなみに問題の一文「火星に行った私は私か」
が収録された本は、
転校生とブラック・ジャック (双書・現代の哲学)
です。

この晄晏さんの日記は
是非とも永井均さんご本人にも
読んでいただきたいと思いました。

なお、
日記中の〈オリーヴ少女〉に関しては、
以下の日記もご参照ください。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=728936507&owner_id=163742

僭越ながら、
晄晏さんの日記の
素晴らしさについて
考えてみました。

短歌などの言葉は必ずしも、
現実世界の「事実」を
伝えるために書かれるわけではない。
なので書かれていることの「正解」が
ひとつに絞られることはありません。

しかし、
そうではない言葉、文章というものが
世の中には必要です。
論理的な正しさや、
「事実」を
正確に伝えようとする文章です。

今、
「伝えようとする」
と書きました。

論理的な正しさなどは、
その主張が正しいのなら、
そのまま書けば正しいものとして
流通する……と勘ちがいしがちです。

ちがうのです。
論理的に正しいことを、
正確に伝えることは難しい。
文章の書き手も、
文章の受け手も、
ともに人間なので、
必ずバイアスがかかるのです。

そのバイアスを、
バイアスであると自覚し、
必ずバイアスがかかる
ということを前提とし、
「事実」
を浮き彫りにするように書く……。
それは、
ものすごく難しい。

そんなことを考えながら、
晄晏さんの日記を
読んでみてください。

晄晏隆幸さんは日記の中で、
〈ぼくは、
マルクス主義とか唯物論とか共産主義
といった立場を取りますから〉
と宣言していますが、
もちろんどんな文章の背後にも
書き手の立場が隠されています。
根底となる思想がある。

そして世の中には、
自分の思想と
ちがう思想を持つ人が、
たくさん存在するのです。

文章を書くということは、
自分の立場から、
そうでない立場の人へ、
橋を架けようとする試みです。

晄晏さんの日記は、
ミクシィという
「仲間内」の場に書かれているのに、
常に常に、
「外」へ向かっています。

過去の日記も是非
さかのぼって読んでみてください。
少女漫画に関する論など、
その鮮やかさに驚かれることでしょう。

2008 03 22 07:02 午前 | 固定リンク | トラックバック

2008.03.04

< 昨年11月の作品評を今さら >

ちょっと風邪をひいています。
ひとつ前の笹井さんの記事、
少し加筆しました。
具体的な歌を挙げてなかったので。

「日刊ゲンダイ」
3月13日発売号(14日付)の
読書日記を執筆しました。
天野慶の新刊、
笹井宏之歌集、
伊勢谷小枝子歌集……について
少しずつ触れています。
ご一読を。

ふとんにくるまって天井を見て、
なにか忘れているような気がしてならなくて、
「かんたん短歌blog」の
休止直前にトラックバックされていた作品
http://masuno-tanka.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_3e06.html#trackback
に、
まだコメントしてないことを思いだしました。
すみません。

残念ながら、
あらためて読み返して、
気になった歌は、ほんの少し。
二首ほどでした。

 すこやかに徐々になってる気がします 溺れたようなうがいをしては (笹本奈緒)

この歌は「しては」という語尾の処理がよい。

 A4が出ないコピー機 ファが出ないクラリネットと同じとみなす (笹本奈緒)

この歌は「みなす」という語尾の処理がよくない。

木村比呂さんは、 
せっかく久々に復活してくれたのに、
そのとたん「かんたん短歌blog」
休止にしてしまってごめんね。

 目 目覚めるたびに傷つく部品 今朝猫を見た また会えるといいね  (木村比呂)

トラックバックはされていない、上の歌が好きでした。

 アイロン たたみかけたい好機ならハートマークの蒸散で良い (木村比呂)

「蒸散」という言葉、
私も昔ある短歌につかっていたが、
あまりにも皆に書きまちがえられるため、
「蒸発」に変えてしまったことがある。

変えなくて済む道もあると思います。

『ショートソング』(集英社文庫)は、
宇都宮敦さんや木村比呂さんに、
歌人としてのバトンを渡すつもりで、
書いていたようなところもある。

そろそろ「花中葬」の季節ですね。

その道を、進んでください。

2008 03 04 04:12 午前 | 固定リンク | トラックバック