« 2009年3月 | トップページ | 2009年6月 »

2009.04.10

< 枡野浩一短歌精読 >

http://masuno.de/blog/2009/04/08/post-21.php

枡野浩一の短歌は「売れている」けれど、
歌壇でもほとんど論じられないので、
とても有り難く拝読しています。
ちょっと怖い気もします!

2009 04 10 07:02 午後 | 固定リンク | トラックバック

2009.04.04

< 五百田達成さんのこと >

私が角川文庫から出している三冊の本は、
当時角川書店文庫編集部にいた
五百田達成さんが企画を通してくれました。

いおた・たつなり、と読みます。

『ショートソング』(集英社文庫)に出てくる
五百田案山子(いおた・かかし)の名前は、
某有名歌人の名前のアナグラムなのですが、
実在する名字なんですよね……。
(同作の人物名はほとんど佐々木あららが考案。
五百田案山子は枡野が考案)

五百田達成さんは私の三冊の本の
企画を通したあと、
二冊目まで編集してから角川書店を退社。
そのあと博報堂に入って
「お金持ち」についての研究とかを
やっていたかと思ったら、
最近はフリーランスになり、
なんと「エッセイスト」になったという。

別名儀で色んな雑誌にコラムを書いていたのは
前々から知っていましたが、
本名で「エッセイスト」になるとは
思わなかったので面食らいました。

私はたまに人から「エッセイスト」と呼ばれると
似合わない気がして、いやな気持ちになります。
たしかにエッセイもたくさん書いているけれど、
自分の仕事の核は「短歌」だと思っているのです。
まえにも書いたように穂村弘さんなんかは
短歌に関係ないエッセイ集を続々と出していますが、
枡野浩一の三十数冊の本は、ほぼ全部が短歌がらみ。
穂村弘は「エッセイスト」が肩書になってもいいが、
枡野浩一にその肩書はないでしょうと自分では思う。

そんな感じの私なので五百田達成さんの肩書にも
けっこう抵抗を感じてしまいました。
ご本人にも直接そう言ったのですが、
意志が揺らがないようなので見守りたいと思います。

エッセイスト、五百田達成さんのブログ。
http://ameblo.jp/iota-s/entry-10228450193.html
先日、久々に会ったときのことを書いてくれました。

正直、
彼はまっとうで礼儀正しく頭が良くて仕事が出来るが、
ちょっと似た人を見たことがないタイプの謎の男であり、
その唯一無二の個性はまだまだ彼の書くものには
反映されていない気がしてなりません。
この世界で彼にしか書けないことが絶対にある、
そういう人です。
今後の大躍進を楽しみにしています。

2009 04 04 01:50 午前 | 固定リンク | トラックバック

2009.04.03

< 木下一寄稿『アイハブノークエスチョン』(2009年3月16日) >

久々の、
「かんたん短歌blog」本来の、
記事更新です。

いま枡野浩一公式サイト全体を見直していて、
ブログも改装しようと思っているのですが、
とにかく気が重くて気が進みません。
理由は自分でわかってるんですが、
自分以外の人にその「わかってること」を
共有してもらうのはまあ無理だなと思っててね……。

「かんたん短歌blog」はとくに、
更新するのにパワーがいるんですよね……。
季節柄かずっと体調を崩していて仕事も忙しかったので、
ずいぶん前に「寄稿」の投稿が届いていたのに、
きょうまで更新できず、すみません。
(そのわりには四月馬鹿の嘘を書いたりしてみたが不調でした)

「かんたん短歌blog」の投稿者同士が
結婚したというニュースはもうみんな知ってる?
どこまで書いていいのかわからないので、
当事者のおふたりは良かったら、
「かんたん短歌blog」にトラックバックで
報告したりしてくださいね。
末永くお幸せに……。

「かんたん短歌blog」で以前紹介した
短歌ブログ「セックス部」が終わってしまうみたいで、
とても残念に思っています。
いつかまた再開したら教えてください。
あなたはじつは私とはすでに知り合いで、
あえて変名でブログを始めたんじゃないかとか
ちょっと疑っている。それくらい好きでした。

さて。
木下一さんは最初「くまさん」という名前で、
2月21日に
『ギャルの心も動かせたから』という記事を
送ってくれました。

面白いと思ったので「かんたん短歌blog」掲載を決め、
もっと送ってくださいとメールしたら、
それから何度か新しい原稿を送ってくれました。
どれもまあ、
面白いと言えば面白く、
だめと言おうと思ったらだめなところもある。
でも可能性を感じたので、
いくつかの原稿の中のひとつを採用し、
それ以外は彼自身のブログ
http://blog.goo.ne.jp/4129_002/
に載せていくことをすすめました。
(ブログ拝読しましたが、
記事が途中で切れてたりしない?
ご確認ください!)

私がもたもたしているうちに彼は、
歌人の天野慶さんとNHKラジオで話したりしてたみたい。
聴き逃してごめんね。

彼の短歌や文章の良さは、
人柄の良さが伝わってくるようなところにあると思う。

短歌も、それ以外の文芸も、
「頭の良さの競争」
みたいになってしまうきらいがあって、
私はいつも、
「頭が良いからって何なの?」
と思うんですよ。
(私自身は正味のところ頭は良くないと自覚してる)

人柄の良さは、
はかりにくいものだけど、
作品が愛される愛されないって、
人柄というか、
「作品の柄」
みたいなものが結局一番大きいと思うのです。

その意味で彼には期待してますが、
そんな褒められ方をしても、
どう努力していいか戸惑うよね……。

あなたの文章はどれも、
まだまだ「内輪」に向けて話してる感じがあります。
「内輪」といっても色んな「内輪」があるし、
あるゆる人は何らかの「内輪」に属していると
小説家の高橋源一郎も書いていますが、
自分がどういう「内輪」の中にいるかは
もう少し自覚していてもいいと思う。
「この文章はNHKラジオを聴いてる人に宛てて書いてるな」
とか。
「mixiのマイミクの人には通じる話だな」
とか。

拙著『あるきかたがただしくない』(朝日新聞社)に
「mixiをまったく知らない人にmixiというものを説明する」
という意図の短いコラムが収録されています。
書くのがとても難しかった。
つたない説明になってしまったが、
評論家の小谷野敦さんはそれを読んで
mixiを初めて認識したというから、
ある程度は伝わる部分もあったのでしょう。

短歌はとにかく、
「短歌の世界の内輪」
に毒されていることに
気づけずに続けてしまう文芸ジャンルです。
それでいいとも言えるのだけれど、
そして「かんたん短歌blog」は「かんたん短歌blog」の
「内輪」に毒されているのだけれど、
常にそういう自覚は持っていたいものです。

「かんたん短歌blog」に載せる「寄稿」は
けっこう厳選しています。
載る確率は少ないです。
先日、
ある短歌イベントを告知する記事を
投稿してくれた人がいたけれど、
単なる告知にしかなっていなくて、
通りすがりの人が
そのイベントに興味を持ってしまうようには
全然書けてないと思い、
その旨を指摘して没にさせていただきました。
その後、連絡ないけど、
短歌イベントを企画したこと自体は素晴らしいと思います。
しかし、
口をきいたこともない人にラブレターを出すときのような
力をこめて書かないと文章は遠くまで届かないのです。

木下一さんの文章には、
そんな力がこもっています。
いつまでもその初々しさを失わず、
寓直に丹念に書き続けられたら、
あなたは「本物」になれると思う。


【枡野より一言】文中の「…」は「……」と書くのが本当。あと「!」「?」のあとは一文字あけるのが活字の世界でのルール。何行かあけて書いてくれたところが、ココログではなぜか全部「一行あき」になってしまうので、あとで改善できたらします。ココログ使いにくいなあ! 



木下一寄稿『アイハブノークエスチョン』(2009年3月16日)


この前、何十年の付き合いになる翔伍に進路について相談したら、「そういうのはさ、ヤフーのサイトにしなよ」と言われた。言われてやっと、翔伍に相談したのが間違いだと気がついた。何せこいつは真面目な話になると、身体中が痒くなるという奇病の持ち主なのだから。


「作業療法士の生涯賃金は……」家に帰って携帯をいじくる。ああ、やっぱり作業療法士の生涯賃金って低いんだなあ……でもやりがいありそうだし、それに……
ヤフーの人生相談のサイトの作業療法士の質問を見ながら俺は、昔、質問ばかりしていた頃を思い出していった。


GREEと言うSNSがある。mixiに比べたらマイナーだけど、招待制じゃないので、とても入りやすいのだ。 その中にグリQというコーナーがある。その名の通り、GREEをやってる人に、 色々な質問をするコーナーで、俺はこれにはまってしまったのだ。


当時、ていうか今もなんだけど俺は学費を稼ぐ為にバイトをしまくっていた。夜はスーパーの品だし、そして昼はコンタクトレンズのビラ配りのバイトだ。ビラ配りのバイトは時給がいいのだが、同僚と全く仲良くなれないのが欠点だった。まあ一日中配るだけのバイトだし、わかってたけど元々喋るのが結構好きな俺にはきつかった。


それではまってしまったのだ。グリQに。『暇を「潰す」とどんな音がすると思いますか?』
最初にヒットした質問はこれだ。
グリQでは回答者が多い質問と少ない質問があった。多い質問は下の三つに分類される。

・答えやすい(例・カレーとうどんどっちが好き?)
・いわゆる荒らし
・面白い

俺は面白いで回答者数を増やすのにはまってしまった。
我ながら暗いなあ……そう思ったが、ビラ配りの孤独には耐えられ無かった。
『しらすに小さな蟹が入ってたら嬉しいですか?』
『どぶねずみみたいに美しくなるにはどうすればいいですか?』
『貴方の事を尊敬していいですか?』


回答が増えれば増えるほど、増していく楽しさ、「さて次は…」休憩時間のモスバーガーで考えてると、テレビで気になるニュースが流れ出した。

「オシム監督入院」
……!、オシム監督は本しか読んだ事が無いけれど、俺は彼のひねくれたインテリぶりに好感を持ってた。

「グリQの回答の上限は1000…そうだ!」


「オシム監督の為に千羽鶴を折ってくれますか? やり方は簡単です、 鶴 と書いてくれるだけでいいんです。よかったらよろしくお願いします。」


質問をしたのは、スーパーのバイト前、バイトが終わって家に帰ってグリQを開いた。








……
150はあった。正直びっくりした。こんなハイペースはちょっと無い。どんどん増えていく。

グリQには色々な人がいた。中にはめんどくさい回答者もいた、嫌味しか書かない人、すぐに見下した回答をする人、やたら喧嘩腰で論争ばかり仕掛ける人。


そんな人達も



鶴 ……

書いてくれてた。鶴って。「このペースだと明日の昼には1000だな……」俺はそう思って、布団に入った。

翌日、勉強が一段落したので携帯でグリQを開いた、鶴はもうすぐで1000を達成しそうだ、質問を見ようとすると

消えてた。質問が。

「…通報族か!」
グリQには様々な規約があり、違反しているユーザーを通報出来るシステムがある。
そしてこのシステムを逆手に取ってユーザーを片っ端から通報するのが通報族だった。

「俺は目立ってたからやられたのか…暗いやつらめ!」「うーん…まあでもどっちもネットに夢中だから同じだよ」 というマトモなツッコミをする奴は、例え橋田壽賀子だろうと容赦しなくぶっ飛ばすくらいムカついた。
何だかやりきれなかったので日記検索で「オシム 鶴」とやってみた。


「ああ、やっぱり消えちゃったんだあの質問。まあ確かに質問じゃないからね。 でも普段はひねくれた事ばかり書いてた人も鶴って書いてて私は感動したな。 知ってる人いますか?」


その質問したの俺だよ!書こうと思ったけど、止めた。


そうなんだ、そうなんだよ、普段ひねくれた事ばかり書いてた人もあの時は優しかった。優しかった人がいっぱいいた。あの後はまたひねくれるかも知れないけれど、あの時は優しかったんだ。


覚えてようと思った。何故か分からないけど、優しく無かった人が優しくなった時を、何か信じられる気がしたから、普段カッコ悪い奴がカッコ良くなる事もあるって事を、愚痴ばっかの奴が前を向く事もあるって事を、諦めかけてた夢が叶う事もあるって事を、忘れないことで何だか信じられる気がした。

○質問があるなら皆手を挙げて夢見た自分に答えさせよう

木下一ブログ
http://blog.goo.ne.jp/4129_002/

2009 04 03 04:27 午後 | 固定リンク | トラックバック

2009.04.01

< 松野大介さん……。 >

風邪が抜け切らない。
ちょっとした約束を
色んな人としてしまっていて、
その約束が何日も果たせていないことで気が重い。
ひとつひとつは簡単なことなんだけど。

キャバ嬢「給与明細」のヒミツ (講談社MOOK)
一昨日はほとんど寝て過ごして、
夜に鍼灸にかかった。
昨日は藤井良樹さんから
誘っていただいた花見にも行けず、
夕方から受け付けしてくれる
近所の病院に行こうと思っていたら、
松野大介さんからメールが。
恋愛失格

吉祥寺に来ているという。

近所のベッシーカフェへの道を
メールで説明し、
コーヒーを飲むことになった。
結局食事もしてしまう。

次回トークイベント
http://ameblo.jp/daisukematsuno/
の飛び入りゲストとして、
できたら最後のほう、
五分だけ話してほしい気持ちもあるが、
どういう展開になるかわからないから、
無しになったらごめん、
みたいなことを相談され、
「どちらでも大丈夫ですよ」
と、
またもや曖昧な約束をひとつ増やしてしまう。
高田文夫さんと吉田豪さんだけで
充分すぎるくらいで、
私などが出ていってもなあ、と思う。
江戸前で笑いたい―志ん生からビートたけしへ (中公文庫)
続・人間コク宝

「バイアグラって飲んだことある?」
と突然言われて、
「ありますよ」
と答える。
離婚直後に処方してもらった。

「俺ちょっと調子悪くてさ」
と、
ここには書けないような話を
色々してくれる松野さん。

ちょうど行こうと思っていた病院は
内科と心療内科を兼ねていて、
バイアグラを処方してもらったのも
そこだった。
ドラマ「ブラックジャックによろしく」の
監修をやったという先生が
一人でやってる病院なのだが、
行くとすぐ診てくれるから、
松野さんには私の部屋で時間を
つぶしてもらうことにした。

サヤカ
芸人失格 (幻冬舎文庫)
君の鳥は歌を歌える (角川文庫)
松野さんの『サヤカ』(マガジンハウス)や
『芸人失格』(幻冬舎)のことを書いた
拙著『君の鳥は歌を歌える』(角川文庫)を、
まだ読んでなかったそうなので、
一冊差し上げる。

『君の鳥は歌を歌える』で私がとりあげて
熱くおすすめしたクリエーターは今、
ほぼ全員が当時より売れているから、
松野さんも作家として絶対もっと売れてください、
と言っておく。
実際、ピロウズも最近はライブ超満員だし、
益田ミリさんだって
「ブレイク」したと言えるのでは?
自分の「才能を見る目」は結構信頼している。
Please Mr.Lostman
結婚しなくていいですか。―すーちゃんの明日

で、
病院へ行って、
体調のことを話し、
「EDの薬も処方してほしい」
と言った。
バイアグラを入手し、
松野さんに差し上げようと思ったのだ。
が、
先生は必要以上に親身になって、
離婚のこととか聞いてくれて……。
(先生も離婚経験あり)

あるきかたがただしくない
拙著『あるきかたがただしくない』(朝日新聞社)の
最初のほうに出てくる、
「あなたは強いから薬は出さない」
と言った医師は、この人なのです。
ああ、こういう人だって、忘れてた。

結局、
「あなたに今必要なのはバイアグラではない。
愛が信じられないのにセックスしても
元気が出ないのは当然でしょう」
とかって真顔で言われて、
漢方薬とかも色々処方されてしまった。
看護婦さんにも聞かれて恥ずかしかった。

処方箋持って薬屋で薬を受け取って、
部屋に帰ってみると、
松野さんはすっかり
くつろぎまくっていて、
テンピュールマットレスに横になっていた。
私の部屋、六畳なのですが、
テンピュール(R) New Futon-1 シングル グレー
テンピュールマットレスが二枚と
送料無料★イタリーからやって来た真空パック高反発健康マットレス!『マニフレックス モデル246 シングル』
マニフレックスマットレスが一枚、
びっしり敷き詰めてあって、
ゲイの友達には
「ハッテン場」(ヤリ部屋)
と、からかわれるような感じなのです。

で、
そんなハッテン場で、
松野さんはビール、
私は梅酒のお湯割りを飲んだりした。
小さな液晶テレビで
深夜番組をだらだら観て、
色んな突っ込みコメントをしながらも
上機嫌で、
「このまま、
ここで暮らそうかな……」
とか言っていた松野さん。
結局、
始発が動くまで一緒にいました。

そんなわけで、
予定していた
「かんたん短歌blog」の更新もできず、
小さな約束の数々も果たせないまま
今に至ります。ごめんなさい。

いまコンビニで売ってる
『まんが 知ってはいけない
消えた有名人の謎』(コアマガジン)というムックで、
自分のことが無断で漫画化されてた……と、
しょげていた松野さん。
注目されるのは良いことです。
どんどん漫画化されたり
ニュースになったりしてください!
まんが知ってはいけない消えた有名人の謎 (コアコミックス 162)





















と、
いうのは、
四月馬鹿の嘘日記です。
松野さんは、
うちに来てません。

すみません、
松野さん……。
マイホーム・ソング―ひばりちゃんとうたうかあちゃん (Style‐F)

2009 04 01 09:25 午前 | 固定リンク | トラックバック