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2010.01.25

< 一月の中間発表3 >

(絵=後藤グミ)
59171009

枡野浩一です。
元気ですか。私は疲れています。

『東京タワー短歌』展、
お休みになる日が二日間あります、ご注意を。
そして、会期中にぜひ観てみてください。

展示会場で東京タワー短歌、引き続き募集中。
ここ「かんたん短歌blog」へ投稿してくれてもオーケー。
東京タワー短歌のしめきりは2010年3月3日必着。

どうぞよろしくお願いします。

《「日経ウーマンオンライン」編集部と、
趣味が合わないことがわかってきたので、
今回は前回より甘めに選んでみました。》
という前回のコメントが
一部に波紋を呼んでしまったようなので、
補足説明をします。

「日経ウーマンオンライン」編集部と、
趣味が合わないということを枡野浩一は、
わりと面白いことだと思ってるんですよ。

『かんたん短歌の作り方』(筑摩書房)のもとになった原稿を、
「キューティ・コミック」誌に連載していた頃から、
あまり途切れることなく投稿短歌を拝読してきました。

こんなに現代口語短歌ばかり大量に、
長きにわたって見つめ続けてきた歌人も珍しいと思う。

NHKテレビ「スタジオパークからこんにちは」で
短歌を募集していたこともあるし、
NHKラジオ「ケータイ短歌(略称)」の初期にも
レギュラー的に出演していました。
テレビCMで短歌を募集したこともあります。
主婦雑誌で「主婦短歌」を募集したこともある。
すべて予選の段階から私が全作品、目を通しています。

ネットでもかなり初期から短歌を募集していました。
松木秀さん、斉藤斎藤さんなど、
のちに歌壇で活躍するようになった歌人も当時、
私の運営する電子掲示版に短歌や付け句を投稿していました。
まだ高校生だった頃の加藤千恵さんとも、
自分の掲示板で出会いました。

とにかく、
たくさん見てきたんです。
いわゆる歌壇の歌人の作品だって当然読みます。
(歌壇には枡野浩一を小馬鹿にして、
読まずに悪口言う人、多いですけどね!)

そうすると、
「こういう短歌はありがち」
というのがわかってきます。
ありがちな短歌は、
当たり前ですが、
面白く感じないんです。

しかし、
すべての読者が私ほど、
短歌を読んでいるわけではない。

私の理想とする短歌は、
「短歌に興味ない人も面白いと思う短歌」
です。

ここにジレンマがあります。

枡野浩一にとっては少し退屈でも、
「短歌に詳しくない人は面白いと思う短歌」
というのが、
どうしても、存在するのです。

『ドラえもん短歌』(小学館)を編んだとき、
篠田算が詠んだ、
ジャイアンが思春期をむかえる歌が嫌いでした。
私の感覚では、短歌として完成してないと思った。
言ってることは面白いんだけど。

しかし、
あまりにも読者の人気が高いものだから、
妥協して本にも収録しました。

私自身の作品でも、そういうの、あります。
作者本人は完成度が低いと思っているけれども、
どうしてもうまく改作できない。
そして妙に人気があり、
「あの短歌はどうして本にいれないの?」
と皆に言われる。
しかたなく、妥協して、短歌集に収録した……そんな歌。

三冊目の『ますの。』(実業之日本社)は、
最初の二冊に収録しなかった歌も、
あえて拾ってまとめた一冊でした。
三冊目は歌壇の歌人に比較的評価されたけれども、
私の判断でいちど没にしていた歌が多いのです。

常に私自身、
自らの評価すらも疑いながら、
揺れ動いています。

「日経ウーマンオンライン」編集部の
面白がった短歌が、
枡野浩一の選とちがっていた場合、
多少は、
その「ちがい」に心を寄せてみることも必要、
と考えています。

「妥協」なんて言うと、
未来が無限にあると信じている
若い皆さんは不潔さを感じるかもしれないけれど、
四十一にもなってみると、
「妥協点を見つけるときのセンスが大切」
と考えるようになってきます。

それでも枡野浩一の選は、
かなり、厳しいです。
歌壇の「プロ」と呼ばれる人々の短歌も、
私の基準で見たら面白くない作品ばかりなんです。

むろんそのひとつの基準が絶対であるわけ、ない。
歌壇にいる歌人たちの基準で判断すると、
枡野浩一の短歌は面白くないのでしょう。
(絶賛してくれた歌人もいますよ、
そのへんの話は近々書けたら書きます)

完成度の高さは、ひとつではないんです。
私は自分の責任において、
「枡野浩一はこういう短歌を面白いと思う」
という、
価値観の表明をしています。

そのことが、
私の中では当たり前になりすぎていて、
言葉足らずになっていた面はあったと思います。

が、
枡野浩一の選に納得できない人にまで、
「かんたん短歌blog」に参加して欲しいなんて
1秒も思ったことがありません。
むしろ参加しないでください!
そのほうがお互い幸福です。

選者は皆さんの短歌を選びますが、
そのまえに皆さんが選者のことを選べるんですよ。

ただ、
迷うこと、
揺れ動くことも大切だと考えます。
「どうしてこの短歌が選ばれてないの?」
と、あなたが心から思う場合は、
そのことをなんらかの方法で
枡野浩一にしつこく伝えてください。
他薦、自薦を問いません。

しかしながら、
「その短歌を選ばなかった理由」は、
「かんたん短歌blog」では一々明かしません。
そこまでの対価を得ていないからです。

(↑こういう書き方が「一言余計」だと思う人も
多いのでしょうが、正直であることは欠陥だらけの私の、
数少ない美徳のひとつだと信じているので曲げる気はありません)

枡野浩一短歌塾では、
「その短歌を選べない理由」も明かしています。
どうしてもという方は、そちらへの参加を検討してくだい。
ただいま第二期の準備中です。
くわしいことが決まったら、公式ブログに書きます。

私は今、
ついったーで毎日、
短歌をつぶやいています。

5000人以上もの読者が現在フォローしてくれています。
5000部も売れない文芸誌だって多いのに。

日々うまれる短歌の質がどうなのかと問われたら、
とてもとても、
胸をはることはできません。

と言っても枡野浩一の実力は、
もともとこのレベルなんです。
毎日大量に詠み、
狂おしいほど時間をかけて厳選し、
短歌集を編んできました。

二十歳から二十七歳までの作品を、
デビュー短歌集二冊にまとめましたが、
二冊あわせても収録作は百首にも満たない。
そのペースはその後も特に変わっていません。

世の歌集を読んでいて不思議なのは、
「なんて歌の数が多いんだ!」
ということです。
「なぜそんなに自作に価値があると思えるんだろう?」

私は短歌って、
そんなに数はいらないと思ってるんです。
自作を含めて。

今まで没の歌は、人目にさらさず葬ってきました。

しかし、
ついったーでは、
たとえ失敗作かもしれない歌であっても、
そのつど発表してしまおうと決めました。

そのように決めた理由はまた、
いつか詳しくお話する機会も訪れるでしょうが、
ひとことで乱暴に言うと、
命の有限性を激しく実感する年齢になり、
もったいぶっていてもしかたないと思ったから、
です。

ついったー短歌の、
出来のよくない歌を恣意的にとりあげられて、
「こんなのを詠んでるやつが人気歌人?」
と批判されてもまあ、しかたないです。
これから自分の納得できる作品を厳選して、
また短歌集を編みたいと思っていますけども。
出版社募集中!

もし、
私がうっかり急逝したりしたら、
全作品を本にまとめるなんていう愚かなことはせず、
くれぐれも歌を厳選してくださいね!
頼んだよ、佐々木あらら……。
これを遺言とします。

『ショートソング』(集英社文庫)の
主人公の伊賀寛介も言っていますが、
これから短歌を始めようとしている皆さんは、
先人たちの代表作を
超えていくべき新しい歌人なんですよ。

選者の駄目なレベルの歌など、目標にしないでください。

前置きが長くなりました。
以下、中間発表です。

掲載順は、投稿順。
ただし、
トラックバック投稿の入選作→ついったー投稿の入選作
の順になっています。

前回の中間発表で、
スルーしていた作品の一部を今回、
敗者復活させてみました。
(「日経ウーマンオンライン」編集部との相談で……)
以後もそういう配慮はしていきます。
簡単にあきらめず、
投稿を続けてみてくださいね。

東京は色が溢れて簡単に自分を見失えそうだった (都季)

破けないあなたがくれたてぶくろが 軍手代わりに使ってるのに (キヨタ)

東京で見える星座は他のより戦闘力が高いと思う (篠原謙斗)

なんとなく分かってきたの道端にミッキーマウスを捨てるわけとか (高田ほのか)

奢るから!とか言われてもテレビつけコンビニ弁当食べるからいい (高田ほのか)

強い気持ち強い愛とかない方が生きやすいかも カタカナでも可 (檀可南子)

ふーんそうパパになるんだよかったね ママにならない私だけれど (檀可南子)

分の悪い賭けではないが賭けなくちゃダメな時点で負けとも思う (若崎しおり)

居所がもう私には少なくて台所には片足で立つ (宮前景樹)

逢える日に一番キレイになれるよう逆算しながら今日爪を切る (高田ほのか)

東京にいる妹は幸せそう あたしと同じ顔のくせして (おとも)

 ↑「後世の人が検索したときにあなたに辿り着ける筆名」を考えてみませんか?

人肌の温もりとくと思い知れ 便座の暖房切るレッスンで (宇津つよし)

過ぎてゆく海を見ている 少しだけ好きだった人なんかいない (瀬波麻人)

 ↑字足らずだが、これは充分考えた結果の決断である気がします。

気がつけば東京の人になっており心配事も東京にある (古川亜希)

本日もあなたのことが好きでした 買えるものなら買いたいくらい (is)

あのときに祈ったことは忘れたわ安産祈願じゃないのは確か (松下知永)

結局は伝えなかった「ごめんね」の言葉に風呂場でエコーをかける (町上由樹子)

なにひとつ話せずにいた 不意打ちで東京タワーが見えなかったら (仁尾智)

 ↑長瀬大のチョコレート短歌と構造が同じ歌です。『ショートソング』(集英社文庫)参照。

おかえり!と駆抜けてゆく商店街 似合いはじめたプラダの靴で (緒川景子)

一緒にはなれない人と前を見た 夜景に東京タワーもあった (宇野恭子)

すきなひとにすきとつたえるまっすぐさがほしい 東京タワーの背骨 (後藤グミ)

離婚する時にも「それはちょっと」って言うよ 死ぬまでワガママだから (あみー)

地下鉄のカラフルすぎる路線図に出口不明の東京の夢 (山根尚子)

泣いているように笑っているような小沢健二が歌うさよなら (岡本雅哉)

君の顔見える位の距離が良い、糸電話なら赤い糸です。(菊池洋勝)

誰のものでもないはずの背中から東京タワーが見え隠れする (鈴木真秀子)

とりあえず19時半まで働くか キミの「腹へらない?」待ちながら (名なし/そらうみ)

 ↑「うにまる」さんの筆名について考察した拙著『日本ゴロン』(毎日新聞社)参照してください。

地下鉄に窓ある無駄を思いつつ東京という無駄思いつつ (山田露結)

夢見がち寒空の下カン違いしがちがちがち鳴る歯こらえて (菅野さやか)

片思いふたつそろえば両思い どちらかひとつ欠けて失恋 (yako)

立っているだけで結構喜ばれ もう座れない東京タワー (ごみたゆうこ)

返信がないだけだのにあれこれと、自分の欠点数えて待つ。(菊池洋勝)

 ↑字足らず……よくよく考えての最後の選択でしょうか。

アンコールしていたことも忘れてた子猫ちゃんたち鳴いてもいいよ (is)

誰よりも醜いなんて思うのは、世間知らずの僕の傲慢。(菊池洋勝)

気がつけば東京駅でこれ以上新幹線を乗り過ごせない (後藤グミ)

スケジュールぎりぎりまで
悩みに悩んで選をしているため、
たいへん申しわけないですが、
「日々経る短歌」に掲載する歌とその作者は、
事前に「かんたん短歌blog」では発表できません。
あの連載で直接ご確認いただけると幸いです。

付け句「よい一年でありますように」と
「オリジナルの新年の挨拶を短歌に」の
二つのお題以外のお題に関しては、
引き続き投稿を受け付けます。

五つ前の記事を熟読し、
トラックバックも
五つ前の記事に引き続きどうぞ。

ついったーの投稿も拝読しています。
新しい投稿ルールをご確認ください。

ではまたタイミングをみて更新します。

2010 01 25 11:41 午前 | 固定リンク

2010.01.21

< ついったー(Twitter)での投稿ルールを変更 >

この記事で書いた、
ついったー(Twitter)での投稿ルールを
少し変更します。

ついったーで、
こんなご指摘をいただきました。
以前、
このようなご指摘もいただいていました。

ついったーでの投稿受付を始めるにあたって、
こういった問題が起こる可能性については、
もちろん、ひととおりは考えていました。

当初、あえて恥ずかしい、
「#枡短」
という投稿タグ
にすることも検討したくらいです。
発音すると「ますたん」……。
ここまで珍妙なタグにすれば、
「このタグには一体どういう意味があるんだろう?」
と、
だれもが調べてから投稿するにちがいないと思っていました。

しかし漢字のタグは反映されないことが多いと知り、断念。
結果的に「#kantantanka」というタグを採用しました。

リプライ(@toiimasunomo)での投稿受付を
採用しなかったのは、
それを採用したら手軽に投稿できてしまうから、
でした。

ちょっと面倒な手続きを踏んで、
それでも参加したいという人に来て欲しかったのです。

「かんたん短歌blog」はスタート当初から、
コメント欄による投稿はうけつけませんでした。
それも、まったく同じ理由によるものです。

枡野浩一がもうひとつ別のアカウントをとり、
「かんたん短歌blog」投稿専用にする、

という案を採用しなかったのにも理由があります。

じつは枡野浩一はすでに、
もうひとつ別のアカウントを持っていて、
「日々経る短歌」の原稿執筆&入稿用に利用しているのです。

それで「日々経る短歌」の原稿は、
あんな感じの文字数になっています。
(短歌+α+枡野浩一のコメント=140字)

「日々経る短歌」は(平日のみ)毎日更新しているため、
少しでも私が書きやすい方法をとらないと、
とてもとても対応できないほど大変なので……。
あなたも一度やってみるとわかると思います。
面白いと思う他人の短歌を一首とりあげ、
それに端的なコメントを書いていく、
という連載を。

以上、
長々と書きましたが要は、
枡野浩一自身もけっこう労力を費やしているんで、
投稿者の皆さんにもお手数をおかけしますが、
ご理解くださいと言いたかったんです。

と、
いうわけで、
ついったー(Twitter)での投稿ルールは、
この方の投稿スタイル
こんなご意見を参考にして、
以下のような形に変更します。
どうぞよろしくお願いします。

ついったー(Twitter)でも「かんたん短歌blog」へ参加できます。まず、必ず枡野浩一(http://twitter.com/toiimasunomo)をフォローしてください。そして、ついったーのタイムラインで短歌を詠むときは、枡野浩一へのリプライ(@toiimasunomo)として記事を書き、さらに念のため #kantantanka というハッシュタグを付けてください(ハッシュタグは前後に半角スペースをいれないと反映されません)このハッシュタグが付いており、なおかつ枡野浩一へのリプライ(@toiimasunomo)になっている作品のみ、「かんたん短歌blog」への投稿作として扱わせていただきます。ちなみにリプライするとき「.@toiimasunomo」というふうに@の前にドットをつけると、あなたの投稿が、より多くの人の目に触れるようになります。短歌のあとに、作者名を明記するのも忘れずに! 著作権の扱いなども「かんたん短歌blog」への投稿と同じになりますので、下のコラムも熟読し、納得した方だけご参加ください。投稿作は枡野浩一がそのつど拝読して☆をつけていき、のちほど「かんたん短歌blog」に入選作としてまとめて転載します。また、入選作の一部は「日々経る短歌」で紹介していきます。

「短歌投稿のお約束」「トラックバックのお約束」をご確認の上、納得したら投稿してください。
初投稿の方は筆名の読み方を書き添えてください。
課題はこの記事の末尾で発表しています。そのほか、雑談の投稿も受け付けています。ひとつの作品を推敲して何度も投稿したり、以前の作品を改作して再投稿したりするのは、ご自由に……。短歌や雑談の投稿トラックバックURL: http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/25585/47169174

なお、昔の「かんたん短歌blog」は
ココログがサポートしてくれていましたが、
現在は枡野浩一ひとりで更新しています。
至らない点も多々あるかと思いますが、
どうぞよろしくお願いします。

2010 01 21 07:36 午前 | 固定リンク

2010.01.20

< お題を追加 >

お題を追加します。

「小沢健二」「オザケン」を短歌に詠んでください。
言葉として名前が直接出てこなくても、
彼のことを詠んでる歌だとわかればオッケー。

投稿ルールはひとつ前の記事などを参照してください。

 「見せてくれ心の中にある光」小沢健二も不器用な神 (千葉聡)

 さっきから小沢健二が流れててあなたは何も言わないでいる (加藤千恵)

2010 01 20 02:02 午前 | 固定リンク

2010.01.16

< 一月の中間発表2 >

(刺繍=松下知永)
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枡野浩一です。
近況はこんな感じ。

『東京タワー短歌』展、月曜日からです。
展示会場で東京タワー短歌、引き続き募集中。

ここ「かんたん短歌blog」へ投稿してくれてもオーケー。
しめきりは2010年3月3日必着とします。

どうぞよろしくお願いします。

また中間発表します。
掲載順は、投稿順。
ただし、
トラックバック投稿の入選作→ついったー投稿の入選作
の順になっています。

何首かをまとめて投稿しないでください。
一首ずつお願いします。

今回は似た感じの歌が
続けて投稿されていて「おや?」と思ったので、
あえて両方選んで並べてみたりしてます。
読みくらべてみてください。

東京タワー短歌も、そうだったなあ。

同案多数の中での競い合いなんです。
同じ作者の中での「同工異曲」も、
比較検討の上で、いいほうを残したり。
もっと、決定的な感じの歌が見たいです。

「日経ウーマンオンライン」編集部と、
趣味が合わないことがわかってきたので、
今回は前回より甘めに選んでみました。

百年に一度かどうかなんてこと千年生きてから言ってくれ (野良ゆうき)

毎朝の儀式のように右足で東京駅に降り立つわたし (野良ゆうき)

東京はみやこじゃないと思ってる 京都の人はみんなそうです (鹿ケ谷街庵)

東京に行くのが冒険だったころ乾いた布で磨いたシューズ (伊藤夏人)

『壊れかけのRadio』は今や完全に壊れてしまい鳴らないらしい (鹿ケ谷街庵)

矢印は一方向を示してた東京行ののぞみの切符 (伊藤夏人)

しんなりとなったブーツを履きなおす あと10分で東京に着く (名なし/遠藤しなもん)

誰かから愛されたいと思うから時々カレーライスを作る (鹿ケ谷街庵)

性欲がおさまらなくて夕飯の白菜鍋が煮えすぎている (福々屋大福)

曲がり角を曲がりきるまで手をふって見送ったから後悔しない (振戸りく)

寝過ごした最終電車が見せる夢 忘れてなんかいなかったのか (瀬波麻人)

東京は色が溢れて簡単に自分を見失えそうだった (都季)

虎舞竜幸せだなと思います幸せだったとも思います (さとう香奈)

「結婚する」ファミレスで君が言ったんだ鶏の唐揚げ鶏の唐揚げ (三浦音音)

弟が東京弁で恋人とけんかしている夜の温室 (石原ユキオ)

毎食後1日3回服用のために正しくごはんを食べる (is)

マフラーを編んでる君の東京に冬が来ました僕も来ました (町上由樹子)

ビルとビルのこんなに細いすきまから自転車がくる太陽もくる (岡本雅哉)

雨なのか鼻水なのか東京都なのか千葉県なのか涙か (さとう香奈)

ぬるま湯にお湯をどんどん注ぎ込む まもなくここを飛び出すために (緒川景子)

うまココア ぬくぬくココア 濃いココア あつあつココア 飲み過ぎココア (名なし/ヒラタヨシフミ)

ぎりぎりのスケジュールで進めているため一部、
事後報告的になりましたが今月、
「日々経る短歌」に採用された歌の作者を発表します。順不同。

岡本雅哉さん
佐藤誠さん
小椋あづきさん
キヨタさん

キヨタさんは、
もっと筆名らしい筆名にしないと、
後世の人がネット検索したりしたとき
埋もれてしまうと思います。ご一考を。

付け句「よい一年でありますように」と
「オリジナルの新年の挨拶を短歌に」の
二つのお題以外のお題に関しては、
引き続き投稿を受け付けます。

ふたつ前の記事を熟読し、
トラックバックも
ふたつ前の記事に引き続きどうぞ。

ついったーの投稿も拝読しています。
ハッシュタグがちゃんと反映されているかどうか、
投稿後に自分で確認してみてください。
(どうしても反映されない場合は、
「@toiimasunomo」宛にご連絡ください)

ではまたタイミングをみて更新します。

2010 01 16 03:37 午前 | 固定リンク

2010.01.09

< 一月の中間発表 >

(絵=後藤グミ)E0107430_22184249

枡野浩一です。

一月も一週間(以上)が過ぎました。
課題のうち、
付け句「よい一年でありますように」と
「オリジナルの新年の挨拶を短歌に」は、
これでしめきりとしますね。
(付け句の入選作は、
「日々経る短歌」では紹介しません。
あしからず……)

以下、
枡野浩一が面白いと思った作品の一覧です。
枡野浩一自身の作品のいくつかも
参考のために混ぜてみました。

ついったーで私が☆を付けたもので、
この一覧にないものもありますが、
それは時間が経って考えが変わったためです。
松木秀さんは元ネタと自作短歌の距離について、
もう少し慎重に考えたほうがいいのでは?)

私のついったーの☆は、
短歌以外のつぶやきにも気まぐれに付いてます。
読み返すと「なんでこんなのに☆を?」と
自分でも不思議に思う☆もあるけれど、
ともあれ、
短歌というジャンルの比較の中で目立つ言葉、
ではなく、
ついったーという場で読むから印象に残る言葉、
でもなく、
一般の言葉の中にまぎれていても気になる言葉、

を読みたいと思います。

掲載順は、投稿順。
ただし、
トラックバック投稿の入選作→ついったー投稿の入選作
の順になっています。

墨坪とチョークでまっすぐ歩きます よい一年でありますように (宇津つよし)

雪道で肩をすぼめるおじさんも よい一年でありますように (小椋あづき)

春にまた受験生だと言わなくてよい一年でありますように (小椋あづき)

ひとつだけ返ってきてた年賀状 よい一年でありますように (小椋あづき)

目的地がないため地図はいりません よい一年でありますように (yako) ※

五円玉後ろ頭に当たってもよい一年でありますように (館ヒロシ)

ドーナツで哲学なんてしなくてもよい一年でありますように (山代美子)※

引っかけたカラータイツもやぶれないよい一年でありますように (小川凜)

生きる人は生きて死にたい人は死ぬよい一年でありますように (松木秀)

好き嫌い以外の場所で生きなくてよい一年でありますように (仁尾智)

腹持ちもきっぷも心地も後味もよい一年でありますように (仁尾智)

神様を意識しなくてすむようなよい一年でありますように (篠田算)

奥さんの気持ちを尊重しなくてもよい一年でありますように (縁井沢康太)※

中吉と吉はどっちが上だっけ? よい一年でありますように (仁尾智)

抱負など思いつく間もないくらい よい一年でありますように (平井有美子)

私でも結婚したくなるようなよい一年でありますように (さとう香奈)

期待することは勇気のいることだ よい一年でありますように (志井一)

おにぎりもパンもうどんもラーメンもよい一年でありますように  (町上由樹子) ※

一生を今年始める人達に よい一年でありますように (名なし/Inaribe Chouta)

すみっこで体育座りをしなくてもよい一年でありますように (キタパラアサメ)※

指切りは去年のことだしもういいよ よい一年でありますように (松陽)

捨ててきたものに後悔しなくてもよい一年でありますように (石畑由紀子)

抱えてた膝をたたいて立ちあがる よい一年でありますように (岡本雅哉)

ものすごくよくてびっくりするようなよい一年でありますように (二葉吾郎)

サヨナラをハジメマシテが上回る よい一年でありますように (牧目十六)

君が泣く時には僕が泣かせてるよい一年でありますように (名なし/縁井沢康太)

プロポーズ断わり疲れて泣くような よい一年でありますように (枡野浩一)

だれかからメールがたまに来るような よい一年でありますように  (枡野浩一)

※印を付けた作品は、
付け句フレーズ「よい一年でありますように」が
一部まちがっていたので修正しました。

以下は、「付け句」以外の、面白かった作品。
どのお題でつくられた短歌なのかは、
あえて明記しません。

「オリジナルの新年の挨拶を短歌に」は、
課題が難しすぎたね……ごめん。
 
 明けましてまた暮れまして来年も今年が過去になりますように  (枡野浩一)

というのを私も詠んでみたけど、
あまりいい投稿がありませんでした。
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この写真の、
「金麦」のコピーのようなフレーズを、
短歌にできたら成功だったと思う。

ちょっと短歌をつくり慣れた人が題詠ばかりやっていると、
「その題詠の比較の中では面白いけれど、
お題を知らない人にはまるで届かない歌」

というのがたくさん生まれてしまいます。
そのことに自覚的になってくださいね。

以下の作品の中から、
「日々経る短歌」で紹介する歌を、
「日経ウーマンオンライン」編集部と相談して決定します。
もしあまりいい歌がないと判断された場合は、
「かんたん短歌blog」の過去の入選作、
または枡野浩一の自作を紹介します。

皆さんのライバルは、
「かんたん短歌blog」の過去の傑作たち。
そして、枡野浩一です。
どうぞよろしくお願いします。

田中ましろさんは寅の歌、もっと良くなると思う。
改作してみてください。

ちんちんの先についてるちり紙を自分みたいと思ってしまう (タカヤのしんちゃん)

白線をまっすぐに引くためにまだ遠いあなたを目標とする (小椋あづき)

この部屋にいつものようにきみがいて ことし最初の「ただいま」がある (キヨタ)

ハッピー ニュー イエーイ今年も世の中はあたしの知らないところで元気 (小川凜)

東京についていくのは無理ですと 猫よ 代わりにメールを打って (そうがわさやこ)

「あけおめ」が空を無数に飛び交って誰かの携帯光らせている (町上由樹子)

寅さんは冬の季語かと訊ねられ黛まどかのような微笑み (石原ユキオ)

忘れていいなんてわざわざ年明けの夢の中まで言いに来ないで (瀬波麻人)

幸せになれそうにない東京を大東京と歌うとんぼよ (山田露結)

12年ぶりに貴女を思いだす 「寅には宇宙が隠れているの」 (田中ましろ)

軽トラの荷台で迎えた寅年よ隣に誰かいたらよかった (菅野さやか)

明けましてお愛でられとうございます私も宜しくお願いします (さとう香奈)

こんなにもゆっくりしたのはいつ以来なんだかもはや記憶にないな  (名なし/佐藤誠)

実際は国分太一ひとりだけ TOKIOの中の東京人は (野田修平)

東京の景色は泣いたときにだけきれいに見えるようできている (岡本雅哉)

電車からひしめく屋根を見て「これが東京か」って思ったいつか (松陽)

抜けた歯を舌で探しているようなただの習性だと思いたい (篠田算)

正夢をメモするようになりました 東京を出て5年も経つと (宇津つよし)

明けましたけれどもすべてチャラになるわけじゃないので注意しましょう (さとう香奈)

目をとじて見るほうの夢だったのでうちあけたってかまわなかった (月原真幸)

虎が蟻よりも小さい今のうちに全速力で逃げなきゃだめだ (石原ユキオ)

東京で初めて髪を切りました いま東京に住んでるんです (志井一)

富士山が見えない曇りの日にだって絶対そこにあるということ (篠田算)一首ずつ投稿して!

色気とは違った場所に全力で向かうわたしをとめないで PURE (篠田算)一首ずつ投稿して!

正月はのんびりきみに甘栗をむいてあげたりして過ごしたい (篠田算)一首ずつ投稿して!

付け句「よい一年でありますように」と
「オリジナルの新年の挨拶を短歌に」の
二つのお題以外のお題に関しては、
引き続き投稿を受け付けます。

ひとつ前の記事を熟読し、
トラックバックも
ひとつ前の記事に引き続きどうぞ。

ついったーの投稿も拝読しています。
ハッシュタグがちゃんと反映されているかどうか、
投稿後に自分で確認してみてください。

ではまたタイミングをみて更新します。

2010 01 09 04:14 午前 | 固定リンク

2010.01.01

< 「かんたん短歌blog」再開です! >

あけましておめでとうございます。

私は加藤あいさんとCMに出たこともある
有名な歌人、枡野浩一です。
共著や編著もあわせると三十冊以上本を出しています。
『ショートソング』(集英社文庫)など、
一応ベストセラーと言ってもいいくらい売れた本もあります。

真夜中にラーメンを食べたりすると、
「枡野浩一が隣でラーメンを食べていた」
とブログ日記に書かれるほど面も割れています。
そのせいかラーメン嫌いになってしまいました。

有名なわりには何年経っても貧乏なので、
これ以上どう頑張ればいいのか、途方に暮れるばかり。
今年こそギャラの高い仕事が、
私のもとにたくさん訪れますように……。

そんなわけで、このたび
長らく休止状態にあった「かんたん短歌blog」を、
地味に再開することにしました。

皆さんの未発表オリジナル短歌を募集します。
入選作の一部は、
「日経ウーマンオンライン」
の連載「日々経る短歌」にて、
枡野浩一のコメント付きで紹介していきます。

すべての入選作を、
コメント付きで紹介するわけではありません。
どうしてもコメントが欲しい!
厳しくてもいいから……という奇特な方は、
枡野浩一短歌塾への入塾をご検討ください。

申しわけないのですが、
入選しても、
賞金や賞品がもらえるわけではありません。
ただ、
「日々経る短歌」は将来、
単行本化される可能性があります。

短歌はお金になりにくい文芸ジャンルです。
つまり、通りすがりの読者に出会いにくい。
枡野浩一自身が「短歌の居場所」をつくるため、
日々試行錯誤しています。
「かんたん短歌blog」を足がかりに、
皆さんも各自で様々な「居場所」を創造していきましょう。

著作権の扱いなどに関しては、
以下のコラムを熟読してください。

(「かんたん短歌blog」を立ち上げた2004年当初は、
「枡野浩一に著作権を奪われてしまうなんて!」
という悲鳴(?)も少々聞こえたのですが、
よくよく読んでいただければわかるように、
「短歌の作り手にとってデメリットは特にない、
むしろメリットばかり……」
という条件になっているはず。
ご理解の上、ご参加ください)

あと、
枡野浩一がどんな考えを持っている歌人であるかは、
きちんと知ってから投稿したほうがいいと思います。
「かんたん短歌」は、
「簡単に詠める短歌」ではありません。
このブログの右のほうに著作が色々リンクしてあります。
大きな書店に行けばまあ一冊は売ってますから、
立ち読みでいいので読んでみてくださいね。
ついったーでも短歌を発表していますが、
ついったー短歌だけで判断しないで!
(あの場では、即時性を最優先させています)

インターネット全般に対する私の考え方は、
枡野浩一公式ブログに書いてあります。
ご参照ください。

私は常に率直な物言いをするので、
「あの発言は率直すぎて誤解を招くと思います」
などと知り合いにすらよく心配されますが、
おそらく「誤解」ではないんだと思う。
正味こういう人間なんですよ……。
「だれもに好かれようとするものは、
だれにも好かれない」
をモットーに活動しております。
言葉の過不足はあるかと思いますが、
質問していただければ可能なかぎりお答えしますので、
どうぞよろしくお願いします。

「短歌投稿のお約束」「トラックバックのお約束」をご確認の上、納得したら投稿してください。 初投稿の方は筆名の読み方を書き添えてください。 課題はこの記事の末尾で発表します。そのほか、雑談の投稿も受け付けています。ひとつの作品を推敲して何度も投稿したり、以前の作品を改作して再投稿したりするのは、ご自由に……。短歌や雑談の投稿トラックバックURL: http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/25585/47169174
今回から、ついったー(Twitter)でも「かんたん短歌blog」へ参加できるシステムにします。ついったーのタイムラインで短歌を詠むとき #kantantanka というハッシュタグを付けてください(ハッシュタグは前後に半角スペースをいれないと反映されません)。このハッシュタグが付いた作品のみ、「かんたん短歌blog」への投稿と同等に扱わせていただきます。著作権の扱いなども同じになりますので、上のコラムも熟読し、納得した方だけご参加ください。ハッシュタグの付いた作品を枡野浩一がそのつど拝読して☆をつけていき、のちほど「かんたん短歌blog」に入選作としてまとめて転載します。また、入選作の一部は「日々経る短歌」で紹介していきます。

それでは、今年最初のお題を発表します。
お題は、月に1回〜3回くらい発表するつもりです。
どのお題で詠んだ歌なのかは、
見ればわかりますので明記する必要はありません。
初回なのでお題、多めにします!

【お題その1】
自由テーマ。
好きなように詠んでください。

【お題その2】
「あけましておめでとう」
「今年もどうぞよろしく」
などの定番の言葉ではない、
新年を寿ぐ新しい挨拶の言葉を発明し、
短歌にしてみましょう。

【お題その3】
「寅」という言葉を詠み込んだ
短歌をつくりましょう。
「寅」という言葉は、
どこかに必ずいれてください。
「トラ」「とら」「虎」でもオーケー。
「タイガー」は、なし。

【お題その4】
「東京」という言葉を詠み込んだ
短歌をつくりましょう。
「東京」という言葉は、
どこかに必ずいれてください。
「トーキョー」など、
表記のアレンジに関しては、
ご自身で判断してください。

【お題その5】
せっかくなので、付け句もやりましょう。
ちょっと【お題その1】が
高度すぎるかもしれないし。
2006年のお正月に一度やった付け句なのですが、
五七五七七の後半七七が、
〈よい一年でありますように〉
になっている短歌を詠んでください。

皆さんの投稿をお待ちしております!

2010 01 01 12:00 午前 | 固定リンク | トラックバック