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2010.01.09

< 一月の中間発表 >

(絵=後藤グミ)E0107430_22184249

枡野浩一です。

一月も一週間(以上)が過ぎました。
課題のうち、
付け句「よい一年でありますように」と
「オリジナルの新年の挨拶を短歌に」は、
これでしめきりとしますね。
(付け句の入選作は、
「日々経る短歌」では紹介しません。
あしからず……)

以下、
枡野浩一が面白いと思った作品の一覧です。
枡野浩一自身の作品のいくつかも
参考のために混ぜてみました。

ついったーで私が☆を付けたもので、
この一覧にないものもありますが、
それは時間が経って考えが変わったためです。
松木秀さんは元ネタと自作短歌の距離について、
もう少し慎重に考えたほうがいいのでは?)

私のついったーの☆は、
短歌以外のつぶやきにも気まぐれに付いてます。
読み返すと「なんでこんなのに☆を?」と
自分でも不思議に思う☆もあるけれど、
ともあれ、
短歌というジャンルの比較の中で目立つ言葉、
ではなく、
ついったーという場で読むから印象に残る言葉、
でもなく、
一般の言葉の中にまぎれていても気になる言葉、

を読みたいと思います。

掲載順は、投稿順。
ただし、
トラックバック投稿の入選作→ついったー投稿の入選作
の順になっています。

墨坪とチョークでまっすぐ歩きます よい一年でありますように (宇津つよし)

雪道で肩をすぼめるおじさんも よい一年でありますように (小椋あづき)

春にまた受験生だと言わなくてよい一年でありますように (小椋あづき)

ひとつだけ返ってきてた年賀状 よい一年でありますように (小椋あづき)

目的地がないため地図はいりません よい一年でありますように (yako) ※

五円玉後ろ頭に当たってもよい一年でありますように (館ヒロシ)

ドーナツで哲学なんてしなくてもよい一年でありますように (山代美子)※

引っかけたカラータイツもやぶれないよい一年でありますように (小川凜)

生きる人は生きて死にたい人は死ぬよい一年でありますように (松木秀)

好き嫌い以外の場所で生きなくてよい一年でありますように (仁尾智)

腹持ちもきっぷも心地も後味もよい一年でありますように (仁尾智)

神様を意識しなくてすむようなよい一年でありますように (篠田算)

奥さんの気持ちを尊重しなくてもよい一年でありますように (縁井沢康太)※

中吉と吉はどっちが上だっけ? よい一年でありますように (仁尾智)

抱負など思いつく間もないくらい よい一年でありますように (平井有美子)

私でも結婚したくなるようなよい一年でありますように (さとう香奈)

期待することは勇気のいることだ よい一年でありますように (志井一)

おにぎりもパンもうどんもラーメンもよい一年でありますように  (町上由樹子) ※

一生を今年始める人達に よい一年でありますように (名なし/Inaribe Chouta)

すみっこで体育座りをしなくてもよい一年でありますように (キタパラアサメ)※

指切りは去年のことだしもういいよ よい一年でありますように (松陽)

捨ててきたものに後悔しなくてもよい一年でありますように (石畑由紀子)

抱えてた膝をたたいて立ちあがる よい一年でありますように (岡本雅哉)

ものすごくよくてびっくりするようなよい一年でありますように (二葉吾郎)

サヨナラをハジメマシテが上回る よい一年でありますように (牧目十六)

君が泣く時には僕が泣かせてるよい一年でありますように (名なし/縁井沢康太)

プロポーズ断わり疲れて泣くような よい一年でありますように (枡野浩一)

だれかからメールがたまに来るような よい一年でありますように  (枡野浩一)

※印を付けた作品は、
付け句フレーズ「よい一年でありますように」が
一部まちがっていたので修正しました。

以下は、「付け句」以外の、面白かった作品。
どのお題でつくられた短歌なのかは、
あえて明記しません。

「オリジナルの新年の挨拶を短歌に」は、
課題が難しすぎたね……ごめん。
 
 明けましてまた暮れまして来年も今年が過去になりますように  (枡野浩一)

というのを私も詠んでみたけど、
あまりいい投稿がありませんでした。
1384699264_50_3
この写真の、
「金麦」のコピーのようなフレーズを、
短歌にできたら成功だったと思う。

ちょっと短歌をつくり慣れた人が題詠ばかりやっていると、
「その題詠の比較の中では面白いけれど、
お題を知らない人にはまるで届かない歌」

というのがたくさん生まれてしまいます。
そのことに自覚的になってくださいね。

以下の作品の中から、
「日々経る短歌」で紹介する歌を、
「日経ウーマンオンライン」編集部と相談して決定します。
もしあまりいい歌がないと判断された場合は、
「かんたん短歌blog」の過去の入選作、
または枡野浩一の自作を紹介します。

皆さんのライバルは、
「かんたん短歌blog」の過去の傑作たち。
そして、枡野浩一です。
どうぞよろしくお願いします。

田中ましろさんは寅の歌、もっと良くなると思う。
改作してみてください。

ちんちんの先についてるちり紙を自分みたいと思ってしまう (タカヤのしんちゃん)

白線をまっすぐに引くためにまだ遠いあなたを目標とする (小椋あづき)

この部屋にいつものようにきみがいて ことし最初の「ただいま」がある (キヨタ)

ハッピー ニュー イエーイ今年も世の中はあたしの知らないところで元気 (小川凜)

東京についていくのは無理ですと 猫よ 代わりにメールを打って (そうがわさやこ)

「あけおめ」が空を無数に飛び交って誰かの携帯光らせている (町上由樹子)

寅さんは冬の季語かと訊ねられ黛まどかのような微笑み (石原ユキオ)

忘れていいなんてわざわざ年明けの夢の中まで言いに来ないで (瀬波麻人)

幸せになれそうにない東京を大東京と歌うとんぼよ (山田露結)

12年ぶりに貴女を思いだす 「寅には宇宙が隠れているの」 (田中ましろ)

軽トラの荷台で迎えた寅年よ隣に誰かいたらよかった (菅野さやか)

明けましてお愛でられとうございます私も宜しくお願いします (さとう香奈)

こんなにもゆっくりしたのはいつ以来なんだかもはや記憶にないな  (名なし/佐藤誠)

実際は国分太一ひとりだけ TOKIOの中の東京人は (野田修平)

東京の景色は泣いたときにだけきれいに見えるようできている (岡本雅哉)

電車からひしめく屋根を見て「これが東京か」って思ったいつか (松陽)

抜けた歯を舌で探しているようなただの習性だと思いたい (篠田算)

正夢をメモするようになりました 東京を出て5年も経つと (宇津つよし)

明けましたけれどもすべてチャラになるわけじゃないので注意しましょう (さとう香奈)

目をとじて見るほうの夢だったのでうちあけたってかまわなかった (月原真幸)

虎が蟻よりも小さい今のうちに全速力で逃げなきゃだめだ (石原ユキオ)

東京で初めて髪を切りました いま東京に住んでるんです (志井一)

富士山が見えない曇りの日にだって絶対そこにあるということ (篠田算)一首ずつ投稿して!

色気とは違った場所に全力で向かうわたしをとめないで PURE (篠田算)一首ずつ投稿して!

正月はのんびりきみに甘栗をむいてあげたりして過ごしたい (篠田算)一首ずつ投稿して!

付け句「よい一年でありますように」と
「オリジナルの新年の挨拶を短歌に」の
二つのお題以外のお題に関しては、
引き続き投稿を受け付けます。

ひとつ前の記事を熟読し、
トラックバックも
ひとつ前の記事に引き続きどうぞ。

ついったーの投稿も拝読しています。
ハッシュタグがちゃんと反映されているかどうか、
投稿後に自分で確認してみてください。

ではまたタイミングをみて更新します。

2010 01 09 04:14 午前 | 固定リンク